表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/210

悪夢

その夜、僕は悪夢にうなされた。

中3の時に出た、ジュニアピアノコンクールが夢に出てきた。

僕のスランプの始まりはこのコンクールだったかもしれない。コンクールで僕は曲のクライマックスに、ミスタッチをしてしまった。それだけじゃなく、動揺して硬くなって、次のffの箇所で、和音の音を外した。でもなんとか最後までは、弾けた、その時は・・・

夢の中では僕は舞台の袖にいて、ミスを繰り返すそんな"僕”を見てる。

口はからからで、手も足も縛り付けられたように動かない。首だけやっと横に動かせたら、若菜ちゃんがいた。彼女は僕を見上げて、手をぎゅっと握ってくれた。

そこで、僕は目が覚めた。


「風邪気味だったのかな?」祖父は、朝のご飯をよそおいながら言った。祖母は疲れたとかで、まだ寝ている。朝食は昨夜の味噌汁の残りとご飯。

お昼は、焼きソバパン獲得戦争に参戦だな。

家を出る前に、ピアノ室に行って、若菜ちゃんのいる方に、

”おはよう ありがとう”と声をかけて、出た。


クラスで席につくと、1時間目の英語の課題を忘れたのを思い出した。

青野が心配そうに、「英語の管子は優しい顔でドSだからな」と言ってる。

ざわついたクラスが瞬間でシンとなった。管子こと管野先生が入ってきた。

「では先日の課題を提出してください。」

課題自体は単語の意味を調べるだけだけど、すぐ出来ると思って後回しにして忘れた。放課後、僕は英語の居残り勉強をすることになった。忘れた課題と、ペナルティとして、教科書の本文を音読させられた。管子の発音チェックつき。僕は実は英語が得意なので、それほど直されなかったが、課題を忘れたもう一人のクラスメートは、しどろもどろだった。

先生の威圧のオーラでかなり緊張したせいかもしれない。


帰る途中、僕は今夜、若菜ちゃんに弾く曲を決めようとしたけど、数学で、思いのほか、多くの課題が出されたのを思い出した。あぶないあぶない。また、忘れるところだった。

若菜ちゃんには、今夜は挨拶だけしておこうか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ