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新しい同居人

昼ごはんは、ジンギスカンだった。伯父のとこ3人(伯母はスポーツ少年団の遠征で不参加)祖父母と僕で3人、合計、6人でワイワイ話しながら、双子は喋ったり、食べたり、立って歩いたりと、忙しそうだ。

ご飯は、食べやすいようにおにぎりが、出てきた。

東京では、祖母と二人で食事の事が多く、僕には、新鮮は経験だった。

僕も飲み物をとってきたり、タレをまわしたりと、賑やかで楽しかった。


双子の麻衣ちゃん、留衣ちゃんに、公園でどんな事をして遊んできたのか、聞いてみた。

「ここの学校の滑り台、新しくて綺麗だった」と麻衣ちゃん。「ブランコのにいた若菜ちゃんていう子とお友達になった」と留衣ちゃん。

その言葉を聞いて、不思議な顔をした麻衣ちゃんと祖父。

「じーちゃん、他に誰かいたっけ?」その言葉に、祖母がギョっとした顔で、留衣ちゃんを、じっと見た。

はあ。。とため息をつきながら「友達が出来たのね、よかったね」祖母は留衣ちゃんに、にっこり笑った。


伯父は、明日は勤務で、今日、帰るそうだ。「ここに泊まるんだ」と駄々こねた双子だったが、「明日の水泳大会には、でなくちゃだめだ」と伯父にどやされ、シュンとなっていた。「まあまあ、今度、もっと暖かくなってからゆっくり遊びにおいで。屈斜路湖にある砂湯で泳ぐのも楽しいよ」祖母がそういうと、二人の頭をなでた。留衣ちゃんには、丁寧に背中をなでていた。「ばあちゃん、絶対ね。約束ね」と二人はいいながら、伯父の運転する車で帰って行った、


台風のような時間がすぎ、夕時、祖母は僕にコソっと聞いてきた。

「留衣のいう”友達”を、ここに引き止めた。裕一、見えるかい?」

え?それって生きてない友達?「いや、僕には見えないし何も感じないよ」

「お前は、ピアノを弾いてる時だけ見えるのかね、そこの処は雅之と同じだ。まあ、この子も二人が楽しそうだったんで、ひかれたのだろう、しょうがないね。」

祖母はそう言って父のピアノ室に入っていった、

これから幽霊と同居生活?なんてあせってると、「あの子、ピアノ室にいるから。裕一、時々、あの子のためにピアノを弾いておくれ。そのうち気が済んで、"還る”だろうから。頼んだよ」ピアノ室から出てきた祖母の言葉は、僕は、驚きはしなかったが。

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