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ぼくらのばあい。  作者: しおん
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ぼくらのばあい。2

ショウ目線。



こんばんは、俺はV系バンド『ミルク』に所属しているドラムのショウ。


個性豊かなメンバーを紹介したい。


おんぷ、こいつはボーカル。

テンションは常に高いし、酒好き。

キラキラソング(笑)ばっかり作るので、最近うちのバンドもキラキラバンド化してる。


すずる、こいつは上手ギター。

初めて会った時、ちっさくて、髪も黒のロングだったのもあって女の子かと思った。

後で追記するとする。


狂実、こいつもギター。

すずるよりも小さい男の子。

狂実信者は凄く多くて、何でもかんでも可愛さを利用してあしらってしまう、あざと可愛いカテゴリ。

ギターはすずるには劣るけどいい音出してる。

たまに逃がしてやらないと熱狂的すぎるファンに困った顔してる。


しずく、こいつはベースだ。

狂実と仲がいい。

ベースソロの時になるとしずく信者があからさまに解る位、ファンは暴れギャカテゴリの子が多い。

投げキス、ウインク多めのアキバ系男子。

リズム隊としても一緒にやってて楽しい、いい奴。


そして俺は三十路前とハゲを気にしてる最年長。

おんぷがハゲハゲ言うから気になってきた本気で。

ドラムってハゲ言われる人が多いって聞くけど…いじめか?



さて、さっきようやくライブを終えた俺は、黒ロリを脱いでパタパタと手を動かして、思いっきり『あじぃ』と表現してるすずるのもとへ飛んで行った。


俺の衣装はさりげなく下タンクトップに学ランタイプのキラキラした服だから、それさえ脱いでしまえばただのタンクトップ野郎になれる。

ライブ中は自分でも解る位暴れてるからとにかく汗は止まらない。


すずるに声をかける。


ああ、今日もかわいいよお前。

黒髪ツインテールの可愛さわかってんのかよ、いや、狂実も可愛いけど、無言無口のすずるの方が俺は好きだ。


好き…というのも、俺は正直に言うとすずるが恋愛目線で好きだったりする。

すずるが実は女の子だった!って話ではない。

女の子が持ってない可愛さがある。


ほら、口悪いのとか、無口なのとか。

本人は無表情のつもりみたいだけど、俺にはなんとなく分かる。


すずる自身気付いてないかも知れないけど、本気で嫌な時は手を突っぱねて来るけど、そうじゃ無い時はされるがままになる。


ライブ中のおんぷセクハラされた直後に大体小さく蹴りを入れてるのもあるし。


とにかく、俺はこのすずるにこんな年で恋をしてしまった。


誰も見てないなと思うと、ずっと触れていたい位、すずるが可愛くて、もっと声が聞きたくて、俺はついてく。


夢の世界に落ちまいと助手席でガクンガクンしてるすずるの頭を撫でた。

狂実はどこか遠く見てたし、他2人は完全に活動停止なのをちゃんと確認してから。


頭を撫でた直後にすずるが眠りに落ちたのを確認した。

こういうところ、子供っぽくて、サラサラな髪がまた色っぽくて。


22歳…には見えないな。

初めて会った時20歳だったけど、今でもお酒さえ買えない。

年齢確認で困ってるすずるも可愛い。


赤信号でちょうど止まっていたので俺はあくびを堪えつつ、運転に気合いを入れ直した。


仙台まで、まだまだ遠い。




まだ続きます。



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