ぼくらのばあい。
「すずるすずるすずるー!(咲き乱れ)」
「ショーウ(デスヴォ)!!」
こんばんは、ミルクというV系バンドで上手ギターをやってるすずるです。
因みに身長は160cmありません。
髪型は前髪アシメ、黒髪のツインテール。
レースたっぷりな黒ロリ女形ギタリスト。
下手の狂実狂が怖くて、ステージから狂実が適当にあしらってるのを見て実は尊敬してたりする。
狂実の心臓は鉄で出来てる、絶対。
僕のファンには特別な名前は…無いで欲しいな。
狂実は僕より小さくてベースのしずくと仲がいい。
下手だから自然と絡みも増えるしね。
かく言う僕はライブの度にボーカルのおんぷにギターソロでご褒美と言わんばかりにちゅーされる。
おんぷは僕より年上。
もうそれがお決まりになってて、ギターソロがある曲になるとおんぷの手が腰に添えられてて鳥肌がたつ。
因みに僕は18歳…永遠の!
だから年齢不詳にしておいてね。
おんぷは中性的でキラキラしてて、コロコロ髪色が変わるけど金髪とピンクの率が高い気がする。
声は高くてテンションもいつも高い。
デスヴォも喉を潰さない出し方をしてて、僕が煽りでデスヴォを出すと咳き込みたくなるのによくあんな声が出るもんだとこれも尊敬。
でもこのバンドの中で僕が1番尊敬してるのは紹介した3人じゃなくて、ドラムの優しいショウだったりする。
…今ライブ中でショウ様モードだし、ちょっとドラムの叩き方激しすぎるから後でどんな人か紹介するね。
このお話は、メンバーにもナイショで、勿論ショウ本人にも秘密の僕の恋のお話です。
…みんなが好きなBL要素があるから、喜んでいいよ。べーだ。
「ふいー!今日もお疲れすずるー!」
ライブも終わりタンクトップ1枚になったショウが、僕に飛びついてくる。
ショウは僕より遥かに身長が高くてめっちゃガタイがいい。
筋肉付いてるけど…あ、細マッチョって言えばいいのかな。
色白で、話すのが1番好き。
メンバーへの気配りや、注意とか、垂れ目のメンバー内で1番の年上さん。
言ってしまうと三十路前だったりする。
見えないけどね。
「暑い。どいて」
飛びついて来たショウに思っても無い事を呟く僕。
僕の口調というかデフォルトは無口、毒舌。
…正直になることはあんまりない。
「つれないなー、すずるん?」
ぎゅーしてきながら、ほっぺたをつんつんされてる。
「やめてよ。」
本当は、
お疲れ様ショウ(はぁと)!
なんて言いたい。
そんなことをやってると、おんぷがまた狂実にセクハラしてるのが見えた。
すぐにしずくにビンタ食らってるけど。
「ショウ、おんぷくる前にシャワーいこ。」
ぐいぐいとショウを引っ張り脱いでおいた黒ロリをハンガーにかけてからショウを連れてシャワールームに連れて行った。
「すずるん不機嫌?」
僕の肩に腕を回してねえねえーと構ってくるショウ。
「不機嫌じゃない。」
「おんぷに構われたい?」
は?
なにいってんのこの人。
どうやらショウは僕がヤキモチを焼いてると思ったらしい。
違うんだよ、本当はショウに好きだよー(はぁと)なんて言いたいんだよ。
「違うし。」
到着したシャワールームは出番の終わったバンドマンで混み合って居た。
今回は大きな会場でライブだったから、シャワーが浴びれるだけいいか。
「すずる?」
拗ねた声が真上からして。
「なに?」
「俺のことそんなに嫌い?」
「は?」
ああ。悔しい。
なんで僕の口はこんな悪態しかつけないんだよ。
「あ、その顔はそんなことないよ、って顔だ。よかったー!」
僕の顔を見たショウが、急に笑顔になる。
なぜかショウには何を考えているかすぐにこうしてバレてしまうのだ。
その度僕の心臓は、もげてしまうんではないかと思う程高鳴ってしまう。
顔にはあまり…だしてないつもりなのに。
ショウには何故かすぐこうしてバレてしまうのだ。
その日は移動日だったので、仙台まで盤車で全員移動。
ハンドルはショウが握ってる。
出待ちが多過ぎて出発が遅れた。
僕はいつも通りにショウの隣の助手席に乗り込んだ。
眠い。
僕はウトウトしながら車に揺られていた。
いつも起きてなきゃって思いながら気がつくと寝てるんだけど。
僕が眠りにつく寸前、ショウの大きな手が僕の頭を撫でていた。
ショウの顔を見たい…でも眠い。
僕はそのまま眠りに落ちた。
続きはまたあとでね。