お客さーんいらっしゃーい
「付き纏う奴ら、ですか?」
「荒稼ぎしてるからね俺は。それを狙っての事だろう。」
確かに、億なんて金を一般人が、それも違法な手を使って稼いでりゃ、その筋の奴に目を付けられてもおかしくないか。
「エグリゴリとか言う組織だってのは分かっている。」
「エグリゴリ?」
「旧約聖書偽典のエノク書に出てくる堕天使の一団よ~。何であんなのが出てきたのかなーあはは。」
[シェミハザという堕天使を筆頭とする集団だ。人に禁じられた知識を与える事で、地上に不敬虔や姦淫を蔓延らせた間抜けな奴らだ。]
ほう。
しかし力があるのは確かな様だな。
ベリネで検索して大体の事は分かった。
ネフィリムとか言う巨人は中々恐ろしい。
「変なのではあるが、実際かなりの強力さだ。住家を変えては燃やされたり潰されたりしてな。今のこの家は7番目の隠れ家さ。」
「あははははははは~!何それ面白いーあははははははは。」
笑い事じゃないっての……。
「古い家屋なら目を付けられにくいと思ってな。だが、住み始めて今日で20日目。多分今日見つかる。」
「その理由は?」
「20日目のジンクス。今までの6つの隠れ家は全部、住み始めてから20日で襲撃された。だから今回もその可能性が高い。」
「成る程。」
エグリゴリが20人で構成されていた事に関係あんのかね。
[さあな。それより、客が来たのではないか?]
「あーお客さんだー。」
タイミングぴったし。
「よろしく頼むよ更月。」
「はいはいお任せ。集約、結合、実現。影に形を。“影の王冠”。」




