ExtraPackage
あるノートがあった。
何故“あった”なのか。何故“過去形”なのか。簡単なことだ。
それの存在を全世界の人間が知った。そしてそれの存在は事実上消え去った。全世界の人間の共通の認識として、それは“あった”のだ。そうであるならやはり“あった”であり“過去形”なのだ。
この世界からDynamicWorldは消えた。そして、面白そうな世界がこの世に落ち、複合世界が圧縮され個体世界として顕現した。
“殺人が許された世界”。
“小説の中の世界”。
“真の意味での魂の循環が損なわれた世界”。
そして、ただ今2224年。この世界が通常通り運動していった世界。
全てが合わさった世界が今回の舞台。
それはまさに鍋とでも呼ぶべき世界だ。寄せ鍋にモツ鍋にふぐちりにキムチ鍋を全てごちゃまぜにした混沌とした世界だ。
いや闇鍋というべき……こんな話はどうでもいいな。
……ん?ああゴメンゴメン。
ベースとなる世界、俺が最後の権限者としてDynamicWorldに記した世界がそれだ。
如何にもな世界で、案外これを見ている人は辟易するかもね。でも残念ながらこれ以上劇的な変化は起こせない。
“魔術が発展した世界”。
どうかな?
嫌気がぽわーと来たろ?
ま、回れ右するならさっさとした方がいい。そうしない人も億に一人くらいはいるかもしれない。
なら早く始めなきゃね。
ようこそ物好きさん。
殺人と小説、魂、魔術が混淆する世界へ。