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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第六章-落日に燦然たる福音-
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戦場の支度

「……相変わらず暑いですね此処は。」


照り付ける太陽は熱く、熱を吸収した砂も熱く、そしてそれらに影響された気温は物凄く暑い。

正直な話、一秒たりともこんな所にはいたくない。


「私達もそんなに長い時間いたくはありません。それに誰かに悟られるのもよくない。当然舞台は整えさせて頂きます。」


「此処にですか?」


「ええ。彼らも最近出ていないので欲求不満でしょうし。」


……彼ら?

嫌な予感しかしません。


「日は昇る。天から下りし破壊の恩恵。“破壊の(インテリタム)天使(アンジェロス)”。」


「それはちょっと不味いのでは……。」


カンカンカンカンと乾いた鐘の音が四つ鳴り響く。

天から光が四筋砂漠に突き刺さり、エンジェルラダーとして作用する。

それはさながらではなく、言葉通りの“天使の梯”。

天使はそこから降りて来る。

ただ……降りて来る天使の質に難有りなんですよね……。


「やあやあファイア、サンダ、グラヴ、レイ。機嫌はどうですか?」


ピーピーだのキーキーだの人語とは思えない喋りで意志疎通をしている。

なんと言っているか、恐らくカマエルと同化すれば分かるんでしょう。

今の命では不可能でしょうけど。


「さて、早速で悪いのですがお願いがあります。グラヴ、貴方は周囲500mを50m程陥没させて下さい。」


合点承知といった具合に胸を叩き、グラヴは飛んでいった。

次の瞬間周囲に50m程の壁が出現した。

実際は我々が立っている地点が沈んだんですけど。


「次にレイ。貴方は周りを光の壁で覆ってください。」


フイっとレイが人差し指を泳がす。

天井に薄い光の壁が出てくる。

これは触れる物を分解させる壁だ。

試しにそこにあった小石を投げてみる。

……届きませんでしたけど。


「はい、これで終わりです。おっと安心してくださいファイア、サンダ。貴方方にはこの後働いてもらう……かもしれません。」


どちらかと言うと望み薄っぽい、その場を取り繕うだけの様なそれに対し、彼らはとても喜んでいる様だ。


「私が失敗した時の保険、ですね?」


「はい。私がメタトロンとした約束は、“貴方に相応しい魔術師を探す”。そして、その魔術師との交わりを経て気に入らなければ殺していい。その果てに私と戦う事も許可するという物です。」


「成る程。」


私はどうあっても気に入られなければならないようですね。


「さて、準備は完了です。彼は空間の術式兵装は持っていません。つまり戦闘を……行うとは決まっていませんが。」


……十中八九行う事になるでしょう。


「その場合、貴方の精神構造を使う事になりますが、大丈夫ですか?」


「ははは。珍しいですね。君が私の心配など。」


「私も感情を持つ人間です。友が一人いなくなるのはとても悲しい事ですよ。」


「そうですね。私もです。」


私も、君の事が好きですよ紳。


「準備は出来ていますよ。君と会う前からね。」


「承知しました。では始めます。招致。通ずる。対象“ジェイカー・リットネス”。行け、メタトロン。」


そして私は自らの精神構造へと招かれた。

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