仲間
「あ、が……。」
「……悪いな。あんたを戦闘不能にさせるには、殺す以外手は無かったんだ。」
仰向けで倒れたドルイトスを見下ろしながら話し掛ける。
右の肺は完全に潰れた。
幸か不幸か、俺は“強化”の制御も甘い。
そのせいで体に撃ち込まれた瞬間、BB弾は破裂した。
それにより、体の内部に細かい破片が食い込んでいる。
細かくても、かなりの勢いで破裂した物だ。
当然貫通している。
右の肺だけでなく、左の肺もぐちゃぐちゃだろう。
“回復”で治せなくもないだろうが、怪我した箇所が多過ぎるから無理だろう。
「息できなくて辛いだろう?一思いに“影の王冠”で止めを刺してやる。」
手から離れた“影の王冠”を一度解除。
再び右手に召喚し、刃をドルイトスに向ける。
「……っとそうだ。話せるかどうか知らんが、最後に聞きたいことがある。お前の仲間って誰だ?」
「……ぐ。げほ。お前も、……会った事があるだろう?」
「……何?」
「……く、くくく。はははげほっ。はー……はー。サリ、エル……。」
「サリエルだと……?」
テーゼスタを殺したあいつか……。
「教えろ。いや答えろ!奴と同化している魔術師は誰だ!何処にいる!」
「……くくく。怖いのか?」
「あ?」
「殺したくないんだろう。」
「あ!てめえ!」
“影の王冠”は心臓を貫き、ドルイトスは死んだ。
「この野郎……自分で死んだ。」
俺の隙をつき、“防御”も掛けない手で刃を掴み自分の体に突き刺しやがった。
「ふざけるなよ。せっかくの情報を殺しやがって……。」
この怒りは誰にぶつければいいんだよ!
[……それについては何も言いませぬ。ですが一つだけ問いたい。主は先ほど、“自分で死んだ”と言いましたね。]
そう、だけど?
[認めろ。奴を殺したのは貴様だ。貴様が初めて殺した奴は“ドルイトス・P・レイヴァン”だ。それだけは肝に銘じておけ。でなければ次は貴様が死ぬ。]
え……。
はい、すみません……。
[口が過ぎました。儂はこれで失礼します。我が主と代わります故。]
「あ、はい。お疲れ様でした。」
[奴の言う通りだ。殺人に対して負い目を感じるのはいい。だが、それを受け止めなければ死ぬのは貴様だ。いいな?]
はいはい分かったよ。
「全く。」
“ロードデスウォーヘル”を解く。
「なんだよ。今日は降水確率0%だって言ってたじゃねえか。」
外に出ると土砂降りだった。
「ここは屋根が無いってのに。……。」
ドルイトスの死体をちらりと見る。
もう動き出す事はない。
そして、その状態にしたのは俺。
……覚えておくよ。
「あんたは俺が初めて、……“殺した”人だって事をね。」
その後、俺が数日の間若干の挙動不審になったってのは内緒だ。




