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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第五章-睥睨する七万の瞳-
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地獄の園

取りあえず下から上へ剣を振り上げ斬りつけてみる。

ドルイトスの体に当たったが、刃が体を通り抜けることはなかった。


「これは痛い。すぐに放してほしいくらいに僕を痛い。」


「大した“防御”だ……!“影の王冠”を防ぐなんて。」


[使い方が上手いだけだろう。本来“影の王冠”を体で防ぐには“防御”星二十は必要なはずだ。こいつの“防御”は3程しか掛かっていない。]

一点集中って訳か……!

軽く言っているが凄いぞこいつ。

当てつづけているにも関わらず、防ぎきっているんだから。


「いい加減くれよ放してくれよ俺を。」


「う!これは……。」


視界が歪む。

ついでに“影の王冠”を掴む右腕の感覚があやふやになってきた。

[“魅惑”を周囲に張り、“操脳”を指先から流し込まれている……。]

指先からだと?

刃を介してか?

[ああ。流石は鏡使いと……呼ばれる操り師、の一人。]

悪魔?大丈夫か?

[間抜けな問いを吐くな。さっさと、貴様が離れねば……私の意識は飛ぶ。]

それはまずい。

俺もこのまま吐くのは御免だし、右腕の感覚が消えるのも御免だ!


「おっと離れたお前に俺が。」


3m程離れて距離を取る。

それと同時に視界は通常に戻り、右腕の感覚も元に……戻らなかった。

[不味いな……。“魅惑”は距離を取れば大丈夫。基本的に、空間に垂れ流しているだけだからな……。だが、この“操脳”……右腕と貴様の精神を、巡る。]

それってつまり、体から抜けないって事か?

[その、通り。抜くには―――]

抜くには?

……おい。

……おい!


「君の心の平穏を乱せばお前と契約の切れる。」


「てめえ……。」


おい返事してくれよ!

……。

駄目、なのか?

悪魔の意識が感じられない。

“帰ってしまった”という訳ではなさそうだが……。

[心を乱す。つまり奴は我が(しゅ)の精神を時間制限を設けて(あるじ)と隔離しているのです。]

へ?

悪魔が出てこれないはずの心から、声がする。

[お忘れか主。ベレトにございます。]

ああ……ごめんベレト。

忘れていた訳じゃないんだ。

[良いのです。儂はいつでも我が主を立てるのが役目です故。]


「そろそろ俺だってお前を反撃したいと思うんだ。」


「ち……喧しい野郎め。」


ベレト、あんたが出てきた事はは嬉しいし心強い。

そこで聞きたいんだが、この右腕のイライラを払拭する手はないか?

[無論あります。]

マジかよ。

だったらもうちょい早く出てきて欲しかった。

[私は常に主を立てます故。それに、たまには儂も戦いたいのです。]

ははは。

流石、地獄の軍団を率いる大王だ。

よし、術があるのならちゃっちゃと実行しよう。

どうすりゃいいんだ?

[儂の庭園をお使い下さい。彼奴の脆弱な“操脳”など全て洗い流してくれる。]

成る程了解した。


「算段は纏まらない。お前が俺に対して出来ることはあるはずがある。」


「意味分かんねえ事ばっか言ってんじゃねえよ。いくぜ。44の軍勢、無限であり夢幻の攻域。最高末路の生き地獄、解放にして開放の死路。準備は出来た。最上の待つ戦争を辿れ。……“ロード・デス・ウォーヘル”!」


現れた煌々たる火が俺の体をチリチリと焼く。

痛みはない。熱さも感じない。

ただ、俺の中にいた歪みが消えていくのは感じられた。

そして出現したのは、俺がベレトと同化した時に見た熱い情景だった。

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