表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第五章-睥睨する七万の瞳-
69/106

MadmAdmaD!!!!!!

{お早うございます。HAJACK第九地区に2224年3月11日の朝が来ました。今日のお天気をお伝えします。今日は晴れでしょう。降水確率は0%。最高気温13度、最低気温10度。これ以上の詳細はお天気発信地にて確認して下さい。アドレスは、hmjc://wws.otenki-hasshinti/22240311。}

丁重に弔えと言われた。

だから俺達は彼女の遺体を自分達で弔った。

本当におかしな世の中だ。

殺人が許可されているが故に、死体を見つけても報告しなければいけないということはなく。

葬式も上げる事も少なくなり、葬式屋や坊主なんかは軒並み消えていった。

[それについては良い事だと私は思う。弔う事自体は良いが、それに大金が必要など遺族を嘗めているとしか思えぬからな。]

俺も同感。

ただそういった形式が無くなったのも手伝って、みんな“死”という“生”との境界を軽く見ている気がする。

[死は新たな生の始まり。それを軽く見るなど微生物にも劣る愚かさだ。]

そうだな。


「……安らかに。テーゼスタ。」


ジェイカーさんが締めた所で、テーゼスタを弔う事に切りを付ける。

……君の敵は俺が取るから。

見ていてくれなんて独善的な事は言わない。

これは俺が勝手に請け負った復讐だ。

君は、せめて次を幸せに過ごしてくれ。


「さて、お約束だが何時までも彼女の死を悲しんでいる訳にはいかない。セナリアさんは先の戦闘に加え、今回だ。当分自宅で情報収集に当たってくれ。」


「……分かりました。では失礼しますジェイカーさん。涼治。」


「ああ。……一人で大丈夫か?」


「女が弱っている時に付け込むのは感心出来ないわよ。」


いやそういう訳で言ったんじゃないが……。


「心配無用よ。車を寄越してもらうから。」


「そうか。まあなんだ、養生しろよ。」


去るセナリアの背を眺める。

やはりかなり堪えているらしい。

[妹として可愛がっていた者が死んだのだ。仕方なかろう。]


「さて更月君。私は少しの間エジプトに行ってくる。」


「は?何をいきなり?」


「エジプトにC.D.Cで孤立狼の奴が二人ばかりいるんだ。彼らに助力を求めてみる気なんです。」


「C.D.Cで孤立狼?」


何と言う矛盾した存在なんだ。

本来C.D.CはW.W.Sに在籍する、名を冠した者と同化している魔術師が入るもんだろ。


「まあちょっと訳ありなんだ。彼らは一応師弟関係でね。師匠を神杉(かみすぎ)(しん)、弟子を御剣(みつるぎ)(そう)と言ってね―――」




神杉紳はW.W.Sに在籍している。

が、W.W.Sの要請などには一切応じない。

だから孤立狼として認識されている。

かなりの実力の持ち主なのでC.D.Cにも入れてあるらしい。

加えてかなり信心深い。

今はエジプトで何やら神に関する事をしているらしい。

御剣爽は5歳の頃アフリカで神杉紳に拾われた日本人貿易商の子供らしい。。

故に彼は根っからの孤立狼と言える。

悪魔と天使両方と同化している。

二人とも術式兵装だけでなく人工兵装も使うとかなんとか。

W.W.Sの廊下を歩きながら、ジェイカーに言われた事を反芻する。

どちらも強いという事だけは分かったな。

[非常に興味深い。どちらも強いと言われれば尚の事だ。]

別に戦う訳じゃなかろうに。

んな事気にすんな。


「……ん?あれはカラミラ・フース?」


なんかの授業の時に見かけたことがある子だ。

呼びにくい名前ではある。


「ぶつぶつ……。ぶつぶつ……!」


……何やらぶつぶつ言っている様だけど、どうしたんだろ。

[……気になるな。]

え?珍しいな。

お前なら、“詰まらん瑣事だ捨て置け”とでも言いそうな事だけど。

[いいから近付け。これは不味い事になっているかもしれん。]

不味い事?

[全く、ジェイカー・リットネスめ。見逃して行くとは情けない……。]

悪魔が何を言っているのかは知らないが、取りあえず近付くことにした。


「あのー、カラミラさん?」


「っ!?貴方?!貴方なの!?」


「は?一体何が?」


「貴方が私の……私の!!」


……おい、これって。

[やはりか。]


「貴方が私の名前を呼ぶの!?」


「落ち着いてカラミラ!」


肩を押さえてじっとする様に試みるも、まるで通用しない。

[無理に押さえるな。生物は自分の自由にならなくなる状況を特段嫌う。]

でも!

このままにしておくなんて訳にもいかないだろ。


「私の名前を呼ばないで!」


「あ、ちょっと!」


走り去ってしまった……。

[ドルイトスとか言う奴は中々の切れ者らしいな。まさか此処にまで狂気が蔓延ってきたとは。]

蔓延るって……まだカラミラだけだ。

[と思うか?]

何?


「俺の名をぉぉぉお呼ぶな!」


あれは、深宮厳迩……。

調子は何時もの風だが、どう見てもおかしい。

うおおおと叫びながら走り去ってしまった……。

……どうすんだよこれ!

こんな……これは……どう考えてもヤバすぎる。

[どうするか、か。なんだその間抜けな問いは。C.D.Cとは、魔術に関するごたごたを処理する物なのだろう?ジェイカー・リットネスはエジプトに行ってしまった。セナリア・ベイグラントは療養中。他のC.D.Cメンバーは何処にいるか全く不明。]


「……詰まるところ、俺がやるしかないってことか。」


[勿論。貴様一人でやり遂げる初めての処理だ。気合いを入れろ馬鹿者。]

……そうだな。


「いやーん。私の名前を呼ばないでー。」


また一人おかしいのが走って行った。

……ん?

あんなのは見たことないな。

[ふん。それこそどうでもいい瑣事だ。さっさと行動しろ。]

あいよ。

先ずは街に出よう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ