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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第五章-睥睨する七万の瞳-
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睨み

{お早うございます。HAJACK第九地区に2224年3月9日の朝が来ました。今日のお天気をお伝えします。今日は雨でしょう。降水確率は90%。最高気温13度、最低気温10度。これ以上の詳細はお天気発信地にて確認して下さい。アドレスは、hmjc://wws.otenki-hasshinti/22240309。引き続きニュースをお伝えします。昨日の午後三時頃、一人の男性が投身自殺しました。皆さんも自殺するなとは言いませんが、死ぬ時は他人に迷惑をかけないようにしましょう。}

「調子はどうだセナリア。」


「大丈夫か。なんて聞かないだけ気がきいてるわね。上々よ涼治。」


セナリアの寝室に二人きり。

大金持ちの家だ。天蓋付きの巨大なベッドでもあるかと思ったが、案外質素だった。

普通のベッド。普通のテーブル。普通のパソコン。

いや、最後の物に関して言えば珍しい方だな。

異常だと言えば部屋の広さくらいか。


「昨日の自殺、IFLCが捜査しているが、どうも魔術師が関わっているようなんだ。」


「あらそうなの?」


「更に言や、ワレラも関わっているみたいだぜ。」


「三大勢力揃い踏みって訳ね。面白いじゃない。」


長い髪の毛先を弄りながら返事をするセナリア。

どこかぼーっとしてるな。


「……本当に上々か?」


「疑うの?切り裂こうか、腐る断絶。“多角鋭式六頭霊影刃”。」


「うわっと。」


いじいじを止めたセナリアの右手に赤い刃の刀が出現した。

六頭の蛇が巻き付いている。


「どう?術式兵装だってちゃんと出せるわよ。」


「術式兵装は、全てが中の者に依存するんじゃなかったっけ?」


「もう、あんまりごちゃごちゃ言う男の人は嫌いよ?」


「そりゃ悪かった。さてと、俺はもう行くよ。お嬢様はもうちょい休んでな。」


「はいはい。いってらっしゃい執事さん。」


後ろ手にひらひらと手を振りながら部屋を後にする。


「あ、どうも。」


部屋の外に控えていた本物の執事さんに一礼する。

白い髭を口の上に蓄えた執事さんもにこりと礼を返してくれる。

……どうかなセナリアは?

[うむ。言語に異常があるわけでもなし。何か呪いの類いがかけられた痕跡もなし。私が見る限り、彼女の言葉を借りれば上々だ。]

そりゃ頗るいい。


「<ジェイカーさん。>」


<見舞いは終わったかな?>


「<はい。セナリアは元気でしたよ。でもまだC.D.Cの仕事に復帰するには早いでしょう。>」


<分かっているよ。君はこのまま現場に行ってくれ。血なんかは流れてなくなるが、魔術的痕跡は流れない。雨の中ですまないんだけどよろしくね。>


「<了解です。>」

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