二大勢力対談
「探したぞ醍醐。」
「ん。如月薫か。久しいな。」
轍醍醐はHAJACKの中央にあるタワーの頂上にいた。
ここは関係者以外立入禁止だが、まあそんなことは気にする必要ないか。
「実はな、少しばかりお前に聞きたいことがあるんだ。」
「さっき起きた投身自殺についてか。」
「耳が早くて助かる。」
「聞きたいことと言われてもな。私は何も知らんぞ。」
「そうか……投身自殺については何も知らない、と。」
それ以外はどうか分からないって事だな。
「随分含みがある問いだな。真に聞きたいことは今からだと言う訳か。」
「その通り。その自殺した男がだな、死の間際に干渉したのが阿部左宇だ。」
「ほう。」
「といっても大した物じゃない。一方的に男が左宇に突っ掛かっていただけらしい。」
左宇がしたことと言えば、殴られるのを避け、名乗っただけだからな。
「たったそれだけでワレラとの関係を疑うか。」
「俺は疑ってなんてない。ただ、最近ぴりぴりしてるからさ。ちょっと話しをしに来ただけだ。邪魔したな。」
一方的に言ってその場から離れようとした。
「まあ待て如月薫。その男は支離滅裂だったのだろ?」
「ん?ああそうだが?」
「ならお前達が捜査する対象はただ一人だろう。」
「ただ一人……。」
思い出せ、ここ最近の出来事を。
……そうか。
「三人の孤立狼が関わっている訳だな。」
「その通り。」
全員操る事を得意としていたな確か。
支離滅裂……挙動不審……。
とくれば、あいつだ。
「鏡使いのドルイトス・ポーカー・レイヴァンか。」
「御名答だ如月薫。これ以上話す事はない。私は行かせてもらう。」
「ああ。ありがとよ。おかげでって、もういないか。」
轍醍醐はタワーから飛び降りた。
死んだ男と違うのは、死なないってとこくらいだな。
「さてと、俺も行きますか。」




