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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第五章-睥睨する七万の瞳-
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第二の鼓動

「こりゃ酷い。」


「投身した死体なんざいつだってこういうもんだろ。頭が割れたり、腕が曲がったり、折れた肋が体を突き破ったりな。それとも、薫はまだ投身自殺した野郎を見たことなかったか?」


「お前が重力でぶっ潰した奴なら見たことあるぜ。」


「そりゃご愁傷様。」


よっこらせと死体を仰向けにする。


「むう……。」


さっき直太が言った事全てを体現しているな。


「飛び降りた以外の外傷はないな。」


「分かるか?ぐちゃぐちゃだぞこれ。」


「何となくだ。精神疾患は分からんから、IFLCに回すぞ。俺がやっとくから、薫は聞き込みでもやってくれ。」


「あいよ。」


黄色い停止線から遠巻きに死体を見ている野次馬に近づく。


「話を聞かせてもらえる方はいませんか?」


「あ、じゃあ俺が。」


「ありがとう。彼は飛び降りる前に何かしていましたか?」


後ろにある死体を親指で指しながら聞く。


「何か喚いてましたよ。“お前が”だとか“誰だ”だとか。」


「支離滅裂な奴だったと言う訳か。誰かに対して言ってたんですか?」


「女連れの男にね。」


「男?それが誰だか分かりますか?」


「うーん……確か“阿部左宇”だとか言ってた様な。」


「……へえ。」


阿部左宇ね。

ワレラの一人だな。

それが本当なら、随分面倒な事になりそうだ。


「ご協力ありがとうございました。」


再び礼を言いその場から離れる。

これ以上有益な情報は得られそうもない。


「<直太。どうやらワレラが関わっているらしい。俺はワレラのツテを訪ねてみる。>」


<了解。死体を運んだら俺も合流しよう。ワレラ相手となると、もう少し戦力がいるな。嬢ちゃんも連れて来る。>


「<任せた。>」


……まだ戦うと決まった訳じゃないが。

ま、備えあれば憂い無しってね。

さて、轍醍醐はいずこやと。

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