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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第四章-新たるは欲望の彼方より-
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本当の裏切り

10km圏内にある建物の一つ。

ある魔術師が研究所として使用していたそれに草春はいた。

……結論から言おう。

負けた。

完膚なきまでにだ。

“マリオネット”は蟻に噛み切られた。

体には何本ものヘラクレスオオカブトの角が突き刺さった。

毒を弱くした雀蜂に何度も刺された。

幸いなことに、アナフィラキシーショックは起こさなかったけどね。

蟷螂に指を何本も落とされた。


「……つまり、はー……く……。満身創痍という訳だ。」


壁に寄り掛かりながら独りごちる。

右目にはヘラクレスの角が突き刺さり何も見えない。

脳に届かなかったのが救いだな。

……因みに、セナリアも此処にいた。

“彼女の、いや、サブナクの術式兵装はコピーし終わったんでね。もう用はない。意識がないから“マリオネット”で適当なとこまで行くよう設定してやれ。”


「草春が言った通り、セナリアは、……っ。未成年女子寮に送った……。」


目立った外傷はなかったから無事辿り着けたろう。

……私も、こうしてはいられない。

“回復”を使い、取りあえず歩くのに支障を来す様な傷だけ癒した。

“超回復”を使えれば苦労はないんだが。


「……ふ。ぼやいても仕方ない。致命傷を受けなかっただけマシというものだな。」


「はははははははは!」


「っ!?誰だ!」


入口に誰か立っている。

暗くてよく分からないが、多分男だろう。


「阿呆みたいにお約束の台詞を吐くのは止めなよベルサーチ。……ああもしかして、オーソドックスを嫌う草春へのアンチテーゼなのかな?」


「……ふ。そんなんじゃないさ。驚かさないでくれよジェイク。」


そこにいたのは右手に刀を持ったジェイカーだった。

助太刀にでも来たのか。


「今まで何処にいたんだ?私も更月君も心配したんだぜ?」


「悪かったね。ちょっとばかり野暮用があったんだ。」


カッ、カッと刀を床に打ち付ける。

それと同時に、コンクリートの床は塩酸でも垂れたかの様に煙を発てながら溶けた。

……いやこれは、腐った?


「“腐食”を刀に纏わせたのか?お前の“腐食”ならかなりの威力になりそう―――」


「ふん。」


瞬間、鼻に付く腐敗臭。

それと同時に生じた腹部の激痛。


「あ……く、な……何を、っ!ごはッ、ぶあ……ぐ……。」


「まーたお約束か。君もつくづくオーソドックスが好きだねベルサーチ・マリオネット。刺した腐った抜いたってだけだろう?」


「確か、に……。」


「そして、死に際に放つ遺言は残す必要ないし、まして名言なんていらないでしょ?死ぬ時なんてのは突然くるのよっと。」


……次に視界に入ったのは、赤い刃、笑う口元。

最後に視界に入ったのは腹に穴が空き、置物を無くし血を吹き出す自らの体だった―――

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