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主役変動
転がるコーヒーカップ。
転がるワイングラス。
転がる湯呑み。
重低音を鳴らし稼動するPC。
そしてそれらを管理する一人。
「……。」
難しい顔でディスプレイを眺めながら、キーボードをカタカタ鳴らしているその人。
ベルサーチ・マリオネットその人だ。
ディスプレイに表示されているのはW.W.Sの地図だ。
『広がる地平』に建つW.W.Sの地図は常日頃変動している。
が、今そんなことはどうでもいい。
注目すべきは血痕があった地点から10km圏内にある建物だ。
この土地は広い。
全てを把握するには広すぎる程に。
だから、この土地には魔術師の誰かが勝手に造った家などが沢山ある。
W.W.Sはそれを承認している訳ではないが、禁止もしていない。
……奴らにとっては、此処から魔術師が出て行かないので好都合だろうからな。
「……あの場所から10km圏内にある建物。更に、使用が認められない建物。となると……この五軒か。」
一つ。ある魔術師が研究の為使用していた小規模な研究所。
二つ。ただの民家。
三つ。ただの民家。
四つ。ただの民家。
五つ。これは……。
「確か此処は……。」
……調べるならまず此処から、か。
PCは切らず、ディスプレイのスイッチだけ切り、この部屋の主であるベルサーチ・マリオネットは部屋を出た。




