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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第四章-新たるは欲望の彼方より-
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3月2日、涼治から赤いのと戦った事を聞いた日。

彼が去った後私は、W.W.Sの本校舎から1km程離れた所にある未成年女子寮に行った。

友人であるテーゼスタに会う為だ。

彼女はまだ7歳ながら、魔力275というかなり優秀な子。

私が7歳の頃は確か100無かった気がする。


「こんにちはテーゼ。入っていいかしら?」


「んー?セナリア?入っていーよー!」


「はいおじゃましまーす。」


許可をとって部屋に入る。

あるのはベッド、その上にある縫い包み、42型テレビ、勉強机、以上。

7歳の女の子の部屋にしてはかなりシンプルな方だろう。

[諸々の事情は省く。以上。]


「はーいテーゼ。ご機嫌いかが?」


「元気だよー!」


「うふふ、その様ね。」


「あのね、今日は攻撃のダイニカを受けたの!」


「へ~。じゃあもう使えるのかな?」


「うん!あのねあのね、せんせーは、えーっとね、ゲンジ?」


「深宮厳迩さんね。」


「そーその人!その人にね、スジがいいって言われたの!凄いでしょー!」


「それは凄い。さすがテーゼね~よしよしー。」


「えへへ。」


あーんもう可愛い!

妹にしたいわ~。

[確かに可愛い。娘にしたい。]

ロリコン悪魔。

[ふ。愛でるだけなのだ。ロリコンではない。]

そのあと、テーゼの話を聞きながらご飯を作り二人で食べた。

そして現在時刻午後八時。


「じゃあそろそろ私は帰るね。」


「もう行っちゃうの?」


う。

そんなうるうるした目で見ちゃダメ……。

[やはり愛でたいな。]

うるさいロリコン。


「ゴメンねテーゼ。ちょっとC.D.Cが担当しなきゃいけない事件が起きたの。明日はちゃんとお話読んであげるから。ね?」


「うー……。分かった。」


「ゴメンね。はいおいで。」


胸に飛び込んで来たテーゼを、広げた腕で抱く。


「お休みテーゼ。貴女にとって、今日の夢が綺麗でありますように。」


頭を撫でながらいつものおまじないを掛ける。


「お休みセナリア。貴女にとって、えーっと、綺麗でありますように!」


「はいありがと。じゃあねテーゼ。ちゃんとシャワーを浴びて、お布団被って寝るんだよ?」


物足りない風なテーゼから離れ、笑顔を見せる。


「うん。ばいばい、お姉ちゃん。」


扉をゆっくり閉め、部屋を後にする。

[良いのか?別段今することもないだろう。]

うん。でも少し纏めたり調べたりしたいから。

[……なら早く帰った方がいい。何やら不穏な空気を感じる。迎えを呼ぶのもいいかもしれん。]

不穏な空気?

[ああ。俺の杞憂かもしれんがな。]

貴方の勘は良く当たるわ。


<芹沢さん。すまないんだけど迎えを寄越してもらえないかしら。>


「<承知しましたお嬢様。>」


さて、じゃあ門に向かうとしましょうか。

寮を出て門に向か……!


「……貴方、誰。」


「は。はははははは。いやはや、自意識過剰だったかな。俺の名前は魔術師なら誰でも知っているかと思ったが。」


暗がりに潜む男。

“魅惑”を纏っているのか、少し輪郭がぼんやりしている。

[気をつけろ。あれは孤立狼の―――]


「糸井草春。知らないか?」


「……いいえ知っているわ。」


魔術師を5人殺して身を隠した孤立狼。

[台詞取られた。]

そんな事どうでもいいわ。


「ふーん。悪いんだが、君を捕縛する。」


「へえ。そういうこと。あの赤いのは貴方の差し金ね?」


「赤いの?……あー、あの出来損ないの事。俺も関わっているが、あんな奴どうでもいいよ。」


芝生を踏む音を鳴らしながらこちらに向かって来る。


「君を捕縛するのはあいつを俺の仲間に引き入れるためさ。」


「……あいつって赤いのじゃないわよね?」


「はははははは、んな訳ねえだろ。あんなもん今すぐにでも殺してやりたいよ。」


「じゃあ誰!」


「どうせ後で会うんだ。早々にネタバレする事はない。無駄話はこれで仕舞いだ。さっさと殺さない程度に殺して君を連れていく。」


……羽音?

目を凝らすと、何処から現れたのか、カブトムシが糸井の周りを飛んでいた。

やる気満々って訳ね。

[既に避けられる状況ではないだろう。全く、杞憂を感じてみたいもんだ。]

愚痴らないで鬱陶しいから。

目の前の面倒に全てを注ぐわよ。


一応ジェイカーさんにメールを送っておこ。


「ははは。行くぞ腐食の王。10分程踊らせてくれ。」


「そのまま地獄で盆踊りでも踊るといいわ。」

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