Summon
{お早うございます。HAJACK第九地区に2224年2月28日の朝が来ました。今日のお天気をお伝えします。今日は曇り時々晴れでしょう。降水確率は40%。最高気温5度、最低気温2度。これ以上の詳細はお天気発信地にて確認して下さい。アドレスは、hmjc://wws.otenki-hasshinti/22240228。ア―――}
“強化”の授業も終えた。
つまり、召喚・同化についての授業を受けられるって訳だ。
[随分早かったな。一週間くらい掛かると思っていたが、3日で7つの授業を受けるとは。]
あー、それはだな。
大人の事情……じゃなくて、俺達はラッキーだったんだよ。
[ほう。]
第一科の授業は、どれも普通にやれば60分掛かるかどうかなんだよ。
[ほう。]
でもたまに熱くなっちゃう人がいるらしくてな。
3時間とか掛かる時があったらしい。
3時間も同じ授業、しかも座学を受けてみろ、その日はもう何もやりたくなくなるぞ。
リズムよくポン、ポン、ポンといくのは稀なんだとさ。
[だから我々は運が良いという訳か。]
そういう事だ。
幸運を遠慮しねえで受け入れた所で、さあ召喚の授業受けに行こう。
[担当は誰なのだ?]
ジェイカーがやってくれるってさ。
[ほうあの男か。]
召喚の授業はマンツーマンで行われる。
基本的に授業の予定が無い魔術師に頼むのだが、ジェイカーは授業を他の魔術師に任せてまでやってくれるらしい。
[貴様に興味があるのだろう。奴はその辺の感情をまるで隠そうとしないからバレバレだ。]
ま、知らない人よか、知ってる人から受ける方がいいから有り難い事ではある。
ジェイカーが待つ第三小講義室の前に着く。
[……何だ?緊張しているのか?]
まあ、そうかな。
マンツーマンなんて初めてだし。
「更月君かい?開いているよ。」
「あ、はい。失礼します。」
一応ノックしてから扉を開ける。
中は、いつもの教室より狭いが、それでも普通の学校の教室程の大きさがある。
こんな所でマンツーマンかよ……。
「済まないね。もう少し狭い部屋が良かったかもしれないが、生憎空きがなくてね。」
ジェイカーが、心を読んだかの如く正確な言葉を発した。
「いえ。やってくれるだけで十分です。」
教壇の真ん前の席に着く。
前を見ればニコニコ顔だ。
「君が一体何を召喚するのか、興味が尽きないからね。という訳でさっさと初めてさっさと終わらせ、本題にいくようにしよう。」
「よろしくお願いします。」
……案外適当だな。
[良いではないか。面倒臭く回りくどく、ぐだぐだと話しつづけられるより1億倍マシだ。]
「メモなんかは取らなくていいよ。どうせ教科書に書いてあるし。」
本当に適当だぞ。
[良いのだ。]
「先ず召喚とは何か。簡単に言えば同化の前段階、悪魔や天使をこの世に招く事だ。ただ、召喚と言っても目の前に悪魔が出る訳じゃない。彼らは我々の精神構造に招かれる。」
「心に、ってことですか?」
「心と考える人もいれば、単純に精神と捉える人もいる。」
つまり気にする事じゃないってことか。
「精神構造で召喚した対象と対峙し、会話する。そして同化へと移っていく訳だ。しかしここで問題がある。基本の悪魔や天使なら、殆ど会話などせず、簡単に同化出来る。彼らは一個体としての自我を持ち合わせないからだ。ただの“悪魔”や“天使”と呼ばれる存在に過ぎないからね。」
「問題があるのは名を冠している悪魔、ですね?」
「その通り。名を冠している彼らは、基本に比べ異常と呼べる程強力だ。精神構造に招いただけで、召喚した者を殺す時もあるくらいにね。」
[貴様も、実際危なかったのだぞ?私を呼んだのだからな。]
はいはいそうですね。
「殺される事はなくても、そのまま帰ってしまう時もある。まさしくハイリスクハイリターンさ。」
「成る程。」
「取りあえず召喚の説明はこれくらいで良いだろう。次に同化の説明をしよう。まあ文字通りだね。召喚した悪魔を自らに宿す事と取ってくれればいい。同化することにより、彼らの持つ“星”が君の星に追加される。星とは呪文のレベルのことだ……ってこれは知ってるか。」
「大丈夫です。」
「宜しい。同化の説明もこれで良いでしょう。」
いいのかこんなので……。
[……良いのだ。]
「では続いて悪魔や天使の種類について―――」




