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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第二章-始まりを紡ぐ-
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会議

「では始めよう。」


場を仕切るのは大蔵。

書記はいない。

会議とは名ばかりの閑談とも言える。


「先ずアフリカ組から頼む。」


「俺が答えよう。」


気怠そうに立った直太が話し出す。


「えー、現在アフリカは以前の姿を取り戻そうとしている。火の原点使いが死んでから、そう、3年も経つのにまだ統一出来ねえたあ、無能極まれりって感じだな。」


統一出来ない理由は、現地民有力者達が覇権争いや利権争いに興じているからだ。

んなもん何処の国、どんな組織でもあることだと一蹴しそうだが、現代のアフリカの場合そんな簡単には締められない。

今まで抑圧されてきた鬱憤は、既に彼らのキャパシティーを超えているだろう。

それが爆発し、権力闘争に注ぎ込まれているのだ。

他のどんな国、どんな組織で起こるソレより激しいのは言うまでもない。

もしかしたら、時既に遅しなのかもしれないな。

他国の介入無くして終わるかどうか危ういからな。


「正直危ないぜ?アフリカ。カニバリズムやら移民制裁は無くなったが、内戦が激しい。とてもパンピーが踏み込める土地じゃない。ワレラも孤立狼も参加してもう泥沼だった。」


「アフリカとの国交回復はまだ時期ではない訳だな。了解した。次、TASC。」


「ハーイ、ワタシの出番ね。」


パーキンスが立ち上がる。


「マー、取り立てて話す事はないネ。強いて言うなら孤立狼がヤバイってだけ。」


「パキン、それ重要だと思うんだけど。」


パーキンスの“ヤバイ”発言に、すかさず頼子ちゃんが突っ込む。


「ンーそうネ。そいつの名前は糸井草春。通称蟲使い言う奴ねー気色悪いよ。」


「他にも。」


エルステッドが続ける。


「鏡使い、脳電(のうでん)使いもいた。操り師の孤立狼が3人、怪しかったぜ。」


「怪しいどころじゃないぜソレ。W.W.Sに連絡した方がいいんじゃないか?」


思わず口を挟む。


「無論知らせたヨ。サッキ知らせが来たんだけど、蟲使いがHAJACKに来てるらしいヨAHAHAHAHAHAHA。」


いやアハハじゃないだろ。

結構マズイ事だぞ・・・。


「ま、そっちは本業に任せときゃいいだろ。基本的に俺達が気にすることじゃない。関心する必要性はまるで無し。これでTASC組の報告終わり。」


エルステッドが締め、パーキンスが座った。


「ご苦労。では次HAJACKは……太一、新型『FADE-out』の説明も兼ねて頼む。」


「はいはい、俺だけ指名で嬉しいね全く。」


太一が椅子を傾けながら話し出す。


「んじゃ取りあえずフェイドから説明するよ。皆知ってるとは思うけど。」


「そういうのはいいからさっさと説明しろよ太一。」


これまた椅子を傾け座る直太が茶々を入れる。が、意に介さず太一は続ける。


「服型が光を吸収、屈折させ纏う物、つまり鏡みたいな光学迷彩だったのに対し、今回組み込んだデータ型は、エルステッドの『変換』を、啓治がベリネ用に変換したモノだ。戦闘用ベリネに組み込まれたソレは、スイッチが入った瞬間に、体中を透明に変える。原子配色を電気で変換することでな。億に一度くらい戻らなくなるかもしれんが、そうなった時はエルスを頼れ。以上。」


ハーイとそこらから声が上がる。

いや、その程度で許していいことかそれ?


「じゃあ次HAJACKについてね。今年度W.W.Sに入った魔術師は37人。」


「ホー。相当少ないネ。」


「そろそろ打ち止めなんじゃね。ワレラについては情報無し。」


「ふん。無しなんじゃなくて集めてねえだけだろ。」


切裂男の一言をスルーし太一が続ける。


「ただ、殺人者と殺人鬼、それに選択者の情報はあるぞ。」


……それ全部ワレラについての情報じゃねえか。


「殺人者、『繊細なる殺意の国』を使うディートは、HAJACK第四地区で存在を確認した。無償で住人を治療してやっているらしい。」


どんな国、どんな街、どんな地区にも、やはりスラム街と呼べる様な場所はある。

この極端に生活が整っている筈の世の中でもだ。

そしてその頂点にいるであろうHAJACKにもある。

それが第四地区。もう何かわざとやってんじゃねえのって勢いで貧民街だ。


「気をつけなきゃならんことと言えば、奴は治した奴を壊すって点だな。奴の空間転移特性を使ってな。ま、とは言うがワレラ退治は専門外。取りあえず阿部左宇に連絡しておいてやった。」


「それでいい。殺人鬼と選択者についても話せ。」


大蔵が次を促す。


「殺人鬼、ダイオレス。『殺意の咆哮響く国』を使うワレラだが、第一地区で豪遊していた。」


「……それだけ?」


「ああ。実害は無いし、ワレラにも知らせてねえ。どうやら奴は現世の堕落でまどろんでいるらしい。肩書きは公務員だからな。次に『神の意志などないに等しい。取捨はまた容易く』を使う選択者だが、奴は着々と人殺しに励んでる。まるで以て不愉快な話さ。」


「成る程。最近、この国の官僚が次々死んでいたのはソイツのせいか。中々どうして、国のためにはなっているじゃないか。」


コーヒーカップを傾けるエルステッドが、冗談を言う。

冗談じゃないかもしれんが。


「ワレラの悪玉についてはそれくらいの情報しかない。善玉はそもそも隠れていないから情報も糞もない。HAJACK親善大使である田中太一私奴(わたくしめ)の報告は以上で締めさせて頂きます。あー疲れた。」


「ご苦労太一。では後は閑談でもしてくれ。私はやらねばならん事があるのでね。」


そう言うと、大蔵は部屋から出て行った。

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