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ExtraMaxWay  作者: 凩夏明野
第一章-Wizard-
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日本も相当変わった。らしい。

俺は産まれた瞬間から、HAJACK(ハジャック)という完成した複合国に住んでいるのだから知るはずもない。

その昔の日本で外国人と言えば、アジア系やブラジル系が多かったが、今はイギリス系の人が多い。

魔術の本流がHAJACKに移ったせいもあるが、また別の理由もある。

ヨーロッパは消え去ってしまったからな。

あるイヴが起こした超自然災害に依り、アトランティスの様に水没したのだ。

[あれは壮観だったぞ。]

見てたのか?

[ああ。私は色々見ているんだ。やったのは少女だ。大地の原点使いでな、名前は―――]

いやいいよ教えなくて。あれ一応極秘事項なんだから。

[そういえばそうだったな。む。あれは如月薫ではないのか?]


「ん?ホントだ。」


もう学校は始まってる時間だよな?

何やってんだあいつ。


「お?おー涼治じゃねえか!元気か~?」


「元気だよ。大体昨日も会っただろ。」


「ははは。確かにな。」


「で、お前は一体こんなところで何やってんだ?学校始まってんぞ?」


「ん?ああ……。」


そこで薫は言葉を濁し、少しだけ俺に近づき、ちょいちょいと人差し指を動かした。


「なんだよ?内緒話ならベリネでやれば……。」


「ネットで話すことじゃない。一応極秘事項だ。」


あらら。さっきも聞いたような言葉だなこりゃ。

[さっきは自分で発していたがな。]

喧し。


「お前、朝のニュースで軍事マークが付いたニュース見なかったか?」


薫がぼそぼそと話し掛けてくる。

朝のニュース……ああ。


「電光社の新製品がどうのってやつか。」


「そう。あれ実は、FADE-outのことなんだよ。」


「フェイドの?」


FADE-out、フェイドとは所謂“光学迷彩”と呼ばれる、その昔のSF小説に出てたあれだ。

現在着るタイプのフェイドが開発されているが、一般人が使うことはない。

使用は許可されていないし、手に入れる程の金も無いって訳だ。


「そ。今俺が使ってるのは服型だろ?あれをデータ化してベリネに組み込むらしい。」


「へえ。よく作るなそんなもん。」


「何たって社長が太一だからな。創ろうと思えば何だって創れるだろうよ。」


太一というのは、電磁工光学成形社の社長である田中太一の事だ。

彼はイヴでありワレラでもあるとか。

魔術師ではないみたいだけど。

ああ、ちなみに目の前にいる彼、如月薫もイヴだ。


「簡単に創れては面白くないだろ?つって創造することは少ないからなあいつ。」


「ま、確かにそうだろ。何だって試行錯誤の末出来た物の方が面白い。」


[なかなかいいことを言うな。]

だろ?するのは与太話だけじゃないぜ。


「そういうもんかね。お!おーい!宗司!こっちこっち!」


「おーはようさん。あら、涼治もおはよう。」


「おはよう。」


杵築宗司、こいつもイヴだ。


「お前も新型のフェイド関係か?」


「せや。って薫喋ってもうたん?一応極秘事項なんやけど。」


「まあいいじゃないか。どうせ時間が経てばリークする情報だし。」


「……そんなもんやな。わはははは。」


……コイツらの危機管理能力は一度計った方がいいんじゃないかな。

[案外普段抜けている奴の方がいざという時役に立つ。]

そんなもんかね。

[そういうものだ。]


「後は凜だな。」


「集合時間まで後5分、てことは後10分は来ないだろうな。」


「ま、俺はもう行かせてもらうよ。W.W.S行かなきゃならんからな。」


「おう頑張れよ。」


「じゃあな。また会おうや。」


「ああ。」


二人を残し、W.W.Sの方に歩きはじめる。

[お、メールだぞ。]

……はいはい分かってますよ。言われずもがなだろこんなもん。

“さっきの情報は他言無用でよろしくfrom如月”。

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