第2話
さてさて。
いよいよ合コン当日がやってきた。
柔らかな太陽が照りつける、気持ちのいい日曜日だ。
俺は朝から何となくテンションが上がってしまい、鏡の前に、いつもの3倍以上も立っていた。
自然と顔がにやけてくる。
キモいぞ!キモすぎるぞ俺!!
自分にそう言い聞かせながら俺は食パンをトースターに入れた。
あー、楽しみだなぁ!!
俺は食パンの焼き具合を確かめながら、もう一度テンションをあげた。
*
「おーい。恭平ーー!!こっち!!」
PM11:00。
ちょっと迷ってしまったが、何とか俺は大介との待ち合わせ場所に到着した。
大介のほかに、数人の男が集まっている。
…男ばっかが集まるって、むさいよな…。
「ここのカラオケボックスでやるんだ。早く行こうぜ!!」
大介が結構大きなカラオケボックスを指差した。
きらびやかな装飾が施されていて、なんとも目がちかちかする。
「ほらほら。早く行くぞ、恭平」
「お、おう」
俺は曖昧な返事をしながら大介について行った。
*
「おっそーい!」
女子はもう来ていた。
部屋に入るなりのブーイング。
あーうるせーうるせー。
「いーじゃんかよー。ちょっとだけじゃん」
すぐに打ち解けている大介の社交性に、俺はある意味尊敬した。
でも俺の目的はただ一つ!!!
……水島明菜だ。
だが、どこを見渡しても彼女の姿は見当たらない。
どうかしたのだろうか。
「ごめん!遅れた!」
バンッと音がして、…水島が入ってきた。
「明菜!もう心配したんだからねー!」
一人のちょーケバイ女が口を尖らせた。
「ご、ごめん…」
そんな風に言うなよ。
そんなことを思いながら彼女を見つめた。
今日も水島はめっちゃ可愛い。
ストレートの肩までの髪。
それがさらさら揺れるたびに、俺の心はずっきゅーんと大きく跳ね上がる。
ヤバイ、可愛すぎる…。
俺は彼女をちらちらと見ながら、メニューのオレンジジュースという文字を見つめていた。