ナンセンスな変身願望
【あらすじ】
『弱い自分を変えたい!』そんな思いから、津曲正一郎は、ひょんなことからマツコの経営するタトゥースタジオやってきた。しかしマツコは『タトゥー彫ったくらいじゃ、なんにも変わらないわよっ!』といって正一郎を追い返してしまうのだが…。
※この作品はタトゥーを勧める作品では、ありません。
※小説タイトル『ダイヤモンド・タトゥー』は、本来タトゥー(入れ墨)の名称ではありません。ダイヤモンドタトゥーとはラメなどを使ったボディペイントです。
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<プロローグ>
夕暮れ時、異国の地に夜が訪れようとしていた頃…。ドンッ!
…とある日本人青年は、複数の外国人の男に路地裏の壁に押し付けられていた。
『〜〜〜』
早口の外国語、恐怖に怯える青年には、その言葉を理解するのは困難だったが、これが日本でいう“カツアゲ”であることは間違いなかった。
(くそ〜こんな所にまできてこれかよ〜…)
ジャキッ!
複数の銃口が青年に向けられた。どうやら、この青年達は、この近辺を縄張りにしているギャングのようだ。
「ヒッ!」
(終わった!僕の人生ここで終わった…マッ、マツコさ〜ん!?)
恐怖で声が出ない青年は、心の中で『親友』の名を叫んだ。
『〜〜!?』
その時、青年のTシャツをめくった男が驚きの声をあげた。
そして、次々に青年の腹、そして【背中】から【左の脇腹】あるものを見て感嘆の声をあげた。
『Beautiful!!』
「へっ?あっ…」
その時、ようやっと青年は、男達が『親友』のくれた“ギフト”のことを言っているのだと気がついたのだった……。