第24話 リムの社は、広島お好み焼き【皐月】(7)
だからリムも学校から帰宅をしたばかりだけれど。
「パパ~、リムも手伝うね」
と、旦那さまへと告げる。
「あいよ」、「悪いな、リム」
忙しいけれど馴れた手つきで手際よく、広島お好み焼きを焼く旦那さまから言葉が返る、
リムはパパへと「うぅん」と首を振り。「大丈夫だよ」と告げると。
リムは厨房へと向かわずに、先ずは店内に飾ってある小さな祠へと向かう。
そして小さな祠の前へと到着すれば。お客さま達が居ても気にした様子を見せないで。
《ポンポン》
と自分の手を叩き、お祈り……。
そう【皐月】の店内に祀っている小さな祠は、最初にリムがこの世界へとパパの妻になり支えるためにきた時に設置をしてもらった。竜神の巫女であり、商売繁盛、恋愛の竜神さま──リムを祀り、商売繁盛を御祈願する自分専用の社……。
特に赤字続きだった【皐月】を黒字へと立て直した商売繁盛と恋愛に効能がある竜神の神棚へとお客さま達に幸あれと。リムは今日も小さな祠念を注ぎ込むために祈りを始め、終わり、踵を返せば。
「リムちゃん?」
と、お客さまから声をかけられた。
「……ん? 何?」
リムが首を傾げ声を返すと。
「リムちゃんの言った通り、お店の神棚を来店の度に祈っていたら、彼女が出来たよ。あっ、ははは」
お客さまは照れ恥かしそうだが、嬉しそうな声音で、今まで彼女ができなくて寂しい思いをしていたけれど、やっとできた。
だから幸福になったのだと教えてくれた。




