第20話 リムの社は、広島お好み焼き【皐月】(3)
「リム~、おかえりなさい~」
ワイワイ、ザワザワと騒めく店内から、今度はリムの耳へと母上の声が聞こえてきた。
だからリムは「母上~、ただいまかえりました」と告げ。
「あれ、母上? 今日のお仕事は早く終わったのですね?」と尋ねたの。
だって母上はパパの代わりに妖怪達が暮らす、桃源郷と呼ばれる世界を女王陛下として統治しているから、帰宅時間が遅いことが多いい。
でも今日はリムの中学校からの帰宅時間よりも早く、パパと仲良く肩を並べお客さま達から注文を受けた《《広島お好み焼き》》を手際よく丁寧……。
それも美味しく、竜神さまの御利益まで手に入る、幸福な広島お好み焼きを焼いているから。
リムは首を傾げつつ、パパの妃──序列一位にもなる母上さまへと、自分の首を傾げながら尋ねたの。
「……ん? ああ、今日はね~。ルミエルが早く帰宅をしてもいいよ、と言ってくれたのですよ~。うっ、ふふふ」
母上さまはリムの問いかけに対して大変に嬉しそうに言葉を返してきた。
リムは母上から、その話を聞いて今日はリムの叔母上さまで、パパの御后序列四位にもなる、桃源郷の宰相閣下さまが深夜までお仕事をするのかな?
あっ、ははは。これは大変だな……。後で夜食を届けてあげようかな? と、リムは苦笑いを浮かべつつ思えば。
「ありがとうございました」と。
「リム、おかえりなさい」
そうお店の奥……。テイクアウトコーナーでお客さまから《《たこ焼き》》の注文を受け、商品を手渡した姉上がリムへおかえりコールをくれた。
だからリムは更に驚愕するの。だって姉上は高校生だから中学生のリムよりも帰宅時間は遅い。
しかし今日は帰宅が早く、制服姿でもない、カジュアルな私服姿でお店──広島お好み焼き屋【皐月】のお手伝いをしているから、リムは驚愕したので。
「姉上、ただいま」と声を返して。
「あれ? 姉上は高校生なのに、中学生のリムよりも早く、今日は帰宅ができたんだね」
リムはまた自分の首を傾げながら姉上へと尋ねたの。
「うん、今日からね、試験週間だから、学園の方も早く終わったのよ。リム……。」
姉上はリムへと笑みながら『ああ、なほど』と思う言葉を返してくれました。




