第54話 さあ、特訓だ! そして仲間たちの祝福
ギルド長室での話し合いを終えた一行は、全員そろって塔へ向かった。
36階では、カイラスとライアスが「剣と斧の連携をもっと極めたい」と意気込む。
ジャンとルナは、ルミアとリリエルに立ち回りや魔力制御のアドバイスを送っていた。
一方、フィリーネとエルミナは支援魔法の効果的な使い方を話し合いながら、後方からカイラスたちを援護する。
その日の訓練は順調に進み、夕方にはいつもより早めに切り上げた。
ジャンは仲間たちを見回し、満足そうに微笑む。
「みんな、すごいじゃないか! カイラスとライアスは連携が格段に上がってるし、ルミアとリリエルも動きがきれいになってきた!」
ルナも頷きながら笑顔を見せた。
「うんうん! エルミナの支援魔法のタイミングも完璧だったし、ルミアとリリエルの連携も一段上がってるよ!」
しかしライアスは腕を組み、首を振る。
「ヒルダロアのノアリオスたちは、45階で苦戦してるって聞く。この程度じゃ、まだ追いつけねぇな」
エルミナも苦笑して応じた。
「44階と45階じゃ、まるで世界が違うって言うもんね。私たちも、もっと練度を上げないと」
ルミアはすがすがしい笑みを浮かべて言った。
「でも、今日はジャンとルナに見てもらえて本当に助かったわ。さすがAクラスね。私たちも、早く追いつけるように頑張らなくちゃ」
ルナは少し頬を染めながらも、明るく首を振る。
「そんなことないよー。みんな、ちょっと話しただけでコツを掴んじゃうんだもん。こっちがビックリしたくらいだよ!」
そんな会話を交わしながら、一行は塔を後にした。
夜になったら草原に集まろう――そう約束して、夕暮れの街へと散っていった。
空には満天の星々が瞬く夜。
全員でアステリアの街外れにある草原に集まっていた。
昼間とは打って変わって、静寂に包まれたその場所で、カイラスたちは、新たな魔法の習得に胸を膨らませていた。
カイラス、ライアス、ルミア、エルミナの4人は、ふと、いつだったかこの草原で、ジャンとルナが2人でいた時に、自分たちが見た不可解な現象を思い出した。
「なあ、ジャン。そういえば、いつだったか、ルナと2人でこの草原にいた時、オレたちが声をかけたら、一瞬で姿が消えたことがあっただろ。あれって、やっぱり・・・・・」
ライアスが恐る恐る尋ねると、ジャンとルナは顔を見合わせて、静かに頷いた。
「うん。飛行魔法で、空に上がったんだよ」
ルナがそう告げると、4人はやっと消えた真相が分かったと、口々に驚きの声を上げた。
「まさか、そんな理由だったなんて・・・・・!」
「オレたち、てっきり幻覚でも見たのかと・・・・・」
「そうよね、ありえないものね、人間が空を飛ぶなんて・・・・・」
彼らの驚きをよそに、フィリーネは昼間に練習した成果を試すように、フワリと宙に浮いた。
まだ移動はフラフラするものの、上下に飛行するだけなら、すっかり安定して飛べるようになっていた。
その姿を見た皆は、改めて飛行魔法が現実のものなのだと実感する。
「よし、じゃあ、練習を始めようか」
ジャンがそう言うと、ルナが手を挙げた。
「ジャン! 私、女性陣を担当する!」
「え? いいのか?」
「うん! 私の方が、女性の気持ちが分かるもん! フィリーネはもう浮けるようになったから、ルミアとエルミナとリリエルに教えるね!」
ルナはそう言って、女性陣の元へ駆け寄っていった。
ジャンは苦笑しながら、カイラスとライアスに向き直った。
「じゃあ、オレは、お前たちに教える。飛行魔法の感覚を掴むまでは、時間がかかるかもしれないが、諦めるなよ」
「おう! 任せとけ!」
「絶対に飛べるようになってやる!」
カイラスとライアスは、やる気に満ちた表情で答えた。
そして、飛行魔法の特訓が始まった。
ルナは、ルミア、エルミナ、リリエルの3人に、まず魔力を全身から下に向けて放出するイメージを説明した。
「なんか、お尻から魔力を出すイメージだよ!」
ルナのユニークな表現に、3人は顔を見合わせて笑った。
「ルナ、ちゃんと真面目に教えてよ!」
ルミアがからかうように言うが、ルナは真剣な表情で続けた。
「本当だって! この感覚が大事なの! じゃあ、みんな、まずはお尻から魔力を出すイメージで、フワリと浮いてみて!」
3人は半信半疑ながらも、言われた通りにやってみる。
しかし、身体は地面に張り付いたままで、一向に浮く気配はない。
一方、ジャンはカイラスとライアスに、より論理的に飛行魔法の仕組みを説明していた。
「飛行魔法は、魔力を全身に巡らせるようにしてから、下に向けて一気に放出する。放出する魔力の量と、身体のバランスが重要だ」
ジャンはそう言って、自ら模範を見せる。彼は何の苦労もなく、スッと数インチ宙に浮いてみせた。
「うおおお! すげえ!」
その瞬間、魔力供給がを止めて地面に落ちた。
一方、ルナはゆっくりとだが、前後左右の移動が安定してきたフィリーネに、次のステップを教えていた。
「フィリーネ、もう少しだけ体を傾けて、魔力を進みたい方向にも同時に出してみて」
ルナはそう言って、自ら模範を見せる。
彼女は優雅に宙を滑るように移動した。
フィリーネも真似て体を傾けたが、バランスを崩して地面に転んでしまう。
「うぅ・・・・・やっぱり難しいわね・・・・・」
「大丈夫!もう一回やってみよっ!」
ルナに励まされ、フィリーネは2度、3度と転んだが、すぐに、フラフラしながらも少し早く移動できるようになった。
ライアスもまた、何度か落ちながらも、上下移動をフラフラながらも習得し、歓声を上げた。
「やったぜ!ワシも空を飛べたぜ!」
ライアスが目を輝かせる。
しかし、問題は、魔法が使える人間だった。
ルナの初日がそうであったように、ルミアは全身から炎や氷を噴き出し
リリエルは回復魔法のような緑色光と暴風を身体から吹き出していた。
エルミナは魔力が暴発して周囲に魔力の波紋を広げ
カイラスに至っては、全身から緑色の稲妻が迸る始末だった。
ジャンは、困った顔で彼らの様子を見守る。
しかし、ルナは、そんな彼らの姿を見て、ゲラゲラと笑っていた。
「あはは! 私が初日にやったのは、これだったんだー!」
ルナは、自分の失敗が、他の人にも起きているのを見て、楽しそうだった。
しばらく練習していると、ライアスはフラフラしながらも、ゆっくりと移動ができるようになり、大興奮した。
「おい、みんな! なんでそんなわけのわからないことになってるんだよ!」
ライアスは、地面に転がっている仲間たちを見て、理解が出来なかった。
ルナは、笑顔でライアスの元へと飛んで行く。
「ライアス、すごいよ! もう移動できるようになったんだね!」
その頃、フィリーネはすでに飛行魔法を完全にマスターしていた。
彼女は、急加速、急停止、急上昇など、様々な動きを試している。
まるで、空を自由に泳ぎ回る魚のようだった。
フィリーネの動きは、ジャンやルナよりも滑らかで、洗練されているように見えた。
皆が、フィリーネの才能に改めて驚愕した。
「すごい・・・・・! フィリーネ、本当に天才なんじゃないのか・・・・・?」
カイラスが呆然とつぶやいた。
ジャンもまた、フィリーネの才能に、驚きを隠せないでいた。
夜の草原に、ルナの弾けるような笑い声が響き渡った。
「あはは! もうやめてよ、お腹痛い!」
彼女は腹を抱えてしゃがみ込み、涙まで浮かべている。
その視線の先には、魔力放出に苦戦するルミア、リリエル、カイラスの姿があった。
3人は、魔力をただ下に向けて放出する。言葉にすれば簡単なその動作が、一向に成功しない。
「もうやだ! 全身ずぶぬれよ!」
ルミアが悲鳴を上げ、リリエルも「まるで嵐の中にいるみたいだわ!」と嘆く。
カイラスも疲労困憊の様子だ。
「この稲妻、いつかオレの身体を痺れさせそうだ・・・・・」
それでも、ルナは笑い続けている。
「そんなに面白いの!?」
ルミアが怒りを滲ませて詰め寄ると、ルナは笑いながら首を振った。
「だって、自分を見ているみたいで・・・・・」
「はあ!?」
「私も初日はそうだったんだよ! 必死にやればやるほど、変な魔法が出ちゃって!」
その言葉に、ジャンが苦笑しながらルナの頭を軽く叩いた。
「そうだったな、だけど、こんなに楽しそうに笑うとはな」
「だって、こんなに面白いなら、私が必死になっていた時に教えてほしかったもん!」
ルナはそう言って、さらに笑い転げた。
必死に飛行魔法を習得しようとしている仲間たちを嘲笑うかのようなルナの態度に、ルミア、リリエル、カイラスの3人は憤慨し、怒りの視線をルナに投げかけた。
「なんでそんなに笑っていられるんだよ!」
「私たちの気持ちも考えてよね!」
しかし、ルナは彼らの怒りすら笑いに変えてしまう。
「あはは、ごめんごめん! でも、頑張れー!きゃははははーーっ!!」
そう言って、ルナは再び笑い出した。
一方、ライアスは少しずつ飛行魔法に慣れてきていた。彼は移動のたびに歓声を上げている。
「見てくれ! オレ、もうこんなに速く移動できるようになったぞ!がはははは!」
ライアスが自慢げに声を上げると、ルナは「すごいすごい!」と拍手して称えた。
女性陣の中では、エルミナがわずかな時間だけ、フワリと浮き上がることに成功していた。
「私、少しだけ飛べたわ!」
彼女は嬉しそうに声を弾ませ、その姿に、ルミアとリリエルは焦りを感じていた。
エルミナは支援職であり、直接攻撃魔法や回復魔法を専門としている。
彼女は攻撃魔法や回復魔法の知識をあまり持たないため、ルミアやリリエルのように無意識に別の魔法を構築してしまうことがなかった。
「エルミナ、私にもそのコツを教えて!」
ルミアがエルミナに詰め寄ると、エルミナは困ったように首を傾げた。
「コツなんて・・・・・ただ、全身から魔力を下に放出するイメージを強く持っただけで・・・・・」
その答えに、ルミアとリリエルは「それが難しいのよ!」と叫んだ。
ルナは、そんな彼らの様子を笑いながらも、微笑ましく見つめていた。
(魔力自体の放出、その感覚が難しいんだよね)
(外から見ると、こんなに面白いとは思わなかったけど・・・・・)
ルナの心には、懐かしい記憶が蘇っていた。
それは、ジャンと一緒に飛行魔法を練習していた、
あの夜の出来事だ。
何度も失敗して、時には喧嘩もしたけれど、2人で必死に練習し、ようやく空を飛べた時の喜びは、何物にも代えがたいものだった。
そして、ルナはふと、フィリーネの方に視線を向けた。
フィリーネは、すでに空を自由に飛び回っている。急加速、急停止、急上昇、急降下。彼女の動きは、まるで空を自在に泳ぐ魚のようだった。
ジャンやルナよりも滑らかで、洗練されたその飛行に、誰もが言葉を失っていた。
「フィリーネ、すごいな・・・・・」
カイラスが呆然と呟くと、ジャンも静かに頷いた。
「ああ。フィリーネは、おそらく・・・・・オレたちよりも、飛行魔法の才能がある」
フィリーネには聞こえてないのか、自由に飛べる感覚を満喫していた。
誰もが、フィリーネの才能に改めて驚愕した。
「じゃあ、私も頑張るから、ルナ、真面目に教えてよ!」
ルミアが再びルナに懇願すると、ルナは真剣な顔に戻り、ルミアの手を握った。
「わかった! じゃあ、今度は私が、ちゃんとコツを教えてあげる!」
ルナはそう言うと、全身から吹き出す魔法を思い出して、再び笑い出した。
夜空には、星々が瞬いている。
アステリアの街外れにある草原では、飛行魔法の特訓が続いていた。
誰もが、空を飛ぶという夢を叶えようと、懸命に努力していた。
その場には笑いと熱気が満ち、心地よい風のように温かな時間が流れている。
ルナが目を向けると、エルミナがふわりと地面から浮き上がり、不安定ながらも少しずつ高度を上げていた。
「すごい! エルミナ、もう飛べるようになったんだね!」
ルナが満面の笑みで褒めると、エルミナも頬を染めて嬉しそうに笑う。
だが、その次の瞬間、ルナの表情がきゅっと引き締まった。
その変化を感じ取った仲間たちは、自然と動きを止め、ルナへと視線を向ける。
エルミナもゆっくりと地面に降り立ち、ルナの口元をじっと見つめた。
ルナは少し間を置いて、真剣な声で口を開く。
「ジャンってね・・・・・・」
その言葉に、空気が一瞬で張り詰めた。
全員が息をのむ。
「私が上下移動できるようになって・・・・・・」
皆の表情が緊張に変わる。ジャンだけが、嫌な予感を察して青ざめた。
「上に飛んだ時にね・・・・・・」
「お、おいルナ! 待て!」
ジャンが慌てて止めようとするが、ルナの方が早かった。
彼女はニヤリと唇を吊り上げる。
「下から私のパンツ見て、ニヤニヤしてたんだよーっ!」
その瞬間、ルナは腹を抱えて転げ回り、草原に笑い声を響かせた。
「ばっ、ばかっ! 今それを言うな!」
真っ赤になったジャンが必死に否定するが、ルナの笑いは止まらない。
その光景に、フィリーネとエルミナは顔を見合わせ、小さくため息をついた。
「・・・・・・行きましょうか」
「ええ・・・・・・」
2人は苦笑しながら、そっと男性陣から距離を取り、再び静かに練習を再開したのだった。
ルミアとリリエルは、冷たい視線をジャンに突き刺した。
「へえ・・・・・・ニヤニヤしながら、ねえ・・・・・・?」
ルミアが、わざとらしいほど低い声でつぶやく。
リリエルも、肩をすくめてため息をついた。
「Aクラスでも、変態はいるのね・・・・・・」
カイラスは、あきれ果てたように首を振る。
「おいおい、ジャン・・・・・・お前な・・・・・・」
地面では、ライアスが腹を抱えて転げ回っていた。
「がははははっ! さすがはジャンだな! 魔力量も勇気も規格外だが――まさか覗きまで規格外とはな!」
ジャンは、笑い転げているルナに向かって無言で歩み寄ると・・・
そのまま、彼女の頭にごつんと拳を落とした。
「きゃあああっ!? いったぁぁぁぁぁいっ!! ぜっっったいタンコブできたぁぁ!!」
ルナは両手で頭を押さえ、涙目になりながら叫ぶ。
「な、なんで殴るの!? 悪いのはジャンでしょ!? 覗いたほうが100パー悪いんだからね!! 私、ぜーったい悪くないもん!」
ジャンは慌てて弁解した。
「ニヤニヤなんかしてない! それに――あれは偶然見えただけだ!」
その言葉で、ルナの頭の中に“あの時”の光景がよみがえった。
飛行魔法の練習中、ふわりと浮いた時に見上げたジャンが突然、下を向き顔を赤くした・・・。
そのあと、「重い」って言われたのも、忘れてはいない。
(ふーん・・・・・・)
ルナは頭を押さえながら、じりじりとジャンににじり寄りながら、わざとらしい笑みを浮かべた。
「やっぱり見たんだー。ふーん、“偶然”ねぇ・・・・・・? へぇー、ジャンって偶然でも人のスカートの中、見るんだー。へぇぇぇぇぇ~?」
まるで舐めるように、何度もその言葉を繰り返す。
ジャンの顔がどんどん引きつっていくのを見て、女性陣の視線はさらに冷たくなった。
「・・・・・・」
ジャンは何も言い返せず、その場で頭を抱えるしかなかった。
そんな彼を見ながら、ルナは小さく口角を上げる。
(ふふっ・・・・・・“重い”なんて言った罰なんだから!)
少し離れたところでライアスが腕を組み、にやりと笑った。
「お前ら・・・・・なんだかんだでいいコンビだな」
その言葉に周りも安堵の笑みを浮かべ、空気がほんのり和んだ――が、ライアスはそこでさらに口角を上げ、冗談のつもりで豪快に笑いながら言い放った。
「なあジャン、ルナ! ひょっとしてお前ら、付き合ってんのか?がはははは!」
突然の直球に、ジャンは言葉を詰まらせる。
「な、なに言ってんだライアス! そ、そんなの――」
「「「えっ!?」」」
その場の空気が一瞬凍りついた。
リリエルは思わず目を見開き、ルミアとエルミナも顔を見合わせる。
カイラスは「おいおい、それは・・・・・」と苦笑いを浮かべつつも興味深そうに2人を見ていた。
その横で、ルナがふっと息を吸い込んだ。
少し恥ずかしそうに頬を染めつつも、胸を張って堂々と宣言する。
「・・・・・うん。付き合ってるよ! 数日前からだけどね!」
ルナがそう告げ、ジャンに抱きついた瞬間――。
「ええええええっ!?」
リリエルが思わず悲鳴のような声を上げ、両手で口を覆った。
ぱちぱちと瞬きを繰り返し、次第にその瞳に喜びの色が宿っていく。
「やっぱり・・・・・、今日の雰囲気で何となく気付いてはいたけど・・・・・本当に・・・・・! よかった・・・・・!やっと想いが実ったのね!」
彼女の目尻には、ほんのり涙すら浮かんでいた。
「え、え、え・・・・・!?」
ルミアは頬を真っ赤に染めておろおろと手をばたつかせ、思わずエルミナの袖をつかんだ。
「エルミナ!、すごい・・・・・! 恋人同士なんだって・・・・・!」
「う、うん・・・・・! わ、私までドキドキしてきちゃう・・・・・」
エルミナも同じく顔を火照らせて、手を胸に当てながらルナとジャンを交互に見ていた。
ルナは少し顔が赤いまま、ジャンの腕から離れて、胸を張った。
カイラスは「おいおい・・・・・」と頭をかきながらも、口元ににやりと笑みを浮かべる。
「・・・・・ったく、驚かせやがって。けどまぁ・・・・・いいんじゃねえか。お似合いだしな」
その言葉には、素直な祝福の響きがあった。
フィリーネは、2人が付き合っている事は知っていたものの、祝福してくれる、こんなに素敵な人たちと冒険していたんだ、と思うと温かいものが心に広がり
「わー! おめでとうございますーっ!」
空をくるくると飛び回りながら両手をパチパチと叩いて喜んでいる。
極めつけはライアスだった。
豪快に腹を抱えて笑いながら、ジャンの肩をバンバン叩く。
「やっぱりな! どう見てもそうだったからよ! おいジャン、もっと胸張れ! お前の彼女、すげー堂々としてんぞ!」
「だ、だからお前余計なことを・・・・・!」
ジャンは顔を真っ赤にし、必死に否定しようとするが、ルナが誇らしげに胸を張っているものだから説得力がまるでない。
仲間たちの笑い声と祝福に包まれ、ジャンは頭を抱えたまま耳まで真っ赤に染まるしかなかった。
その一方で、ルナは照れながらもどこか嬉しそうに笑っていた。
そんな2人の姿に、仲間たちの笑顔は一層広がっていった。
フィリーネ「今回も読んでくださって、ありがとうございます」
リリエル「いつも応援、本当に感謝しています」
ルミア「・・・・・・ねぇ、ルナが言ってた“あの話”、思い出したんだけど」
エルミナ「ああ、あの“飛行魔法の事件”ね?」
フィリーネ「ふふ、ジャンの顔が真っ青だったわね」
リリエル「そ、そんなこと言っちゃダメですよ! 反省してましたし!」
ルミア「でも、あの言い方は中々の破壊力だったわ。“ニヤニヤしてた!”って、堂々と・・・・・・」
エルミナ「しかも“みんなの前で”よ? あれは完全に公開処刑だったわね」
フィリーネ「“重い”って言われた仕返し、だそうです」
リリエル「根に持ちすぎよ、ルナ!」
ルミア「とはいえ、ジャンが下から見上げてたのは事実でしょ?」
リリエル「そ、それは飛行魔法の確認であってっ!」
エルミナ「でも視線の角度的には・・・・・・アウトね」
フィリーネ「完全にアウト、ね」
ルミア「ジャン、立ち直るのに時間かかるかもね」
リリエル「もう、みんな、あの話は忘れて!」
エルミナ「そう言われると、余計に思い出すのよね」
エルミナ「あ、そういえば──ルナとジャン、ついに付き合い始めたんですって」
ルミア「そうね。ルナ嬉しそうだったから」
リリエル「長い道のりでしたものね。心から祝福します」
エルミナ「ふふ、これで“ニヤニヤ問題”も正式に解決かしら?」
ルミア「いや、それは別件でしょ」
リリエル「実はルナ、相手がジャンだから見られて喜んでたのかもよ?」
(そこへライアス登場)
ライアス「おい、あとがきで人の恋愛で盛り上がな!」
ルミア「でも、めでたい話じゃない?」
ライアス「ジャン、今ごろ地面に埋まりたい気分だと思うぞ」
エルミナ「ま、いいじゃない。次回の楽しみも増えたことですし」
全員「次回もお楽しみにーー!!!」




