第53話 再会の喜び
アステリアのギルドに到着した3人は、息を切らしながら扉をくぐった。
ギルドの中は多くの冒険者で賑わっており、活気に満ちている。
ルナは周囲を見回し、お目当ての人物を探した。
「あ、いた!」
ルナが指さした先には、見慣れた顔ぶれがいた。
カイラス、ライアス、ルミア、エルミナ、そしてリリエル。
彼女が旅立つ直前まで所属していた、懐かしいパーティーの仲間たちだ。
彼らはテーブルを囲んで休んでおり、リラックスした空気を纏っていた。
ジャンとルナに気づいた彼らは、驚いたように立ち上がった。
「ルナ!? ジャン!」
ライアスが真っ先に駆け寄り、満面の笑みで2人に抱きついた。
ルミアやエルミナ、そしてカイラスも、安堵と喜びに満ちた表情で彼らを迎える。
「なんだ、もう帰ってきたのか? アステリアが恋しくなったか? がはははは!」
ライアスは豪快に笑った。
旅に出たにしては早い帰還だったため、何かあったのかと心配する者、純粋に喜ぶ者など、反応はさまざまだった。
それでも、2人の姿はまるで昨日までそこにいたかのようで、元気な笑顔を見た瞬間、皆の表情には安堵が広がった。
その時、リリエルだけは、冷静に状況を分析していた。
(やっぱり・・・・・飛行魔法で来たのね・・・・・飛行魔法って早いのね)
彼女は心の中で納得し、ルナの耳元にそっと顔を寄せた。
「ねえ、ルナ。飛行魔法で来たの?」
リリエルが小声で尋ねると、ルナはリリエルに聞こえるくらいの小さな声で答えた。
「うん、そうだよ!」
その答えに、リリエルは目を細めて微笑み、短く返した。
「やっぱりね」
そしてふと、ジャンの近くに立つフィリーネに視線を向けた。
彼女の姿を認めると、リリエルの表情は一変し、駆け足でフィリーネに近づいた。
「フィリーネ! 本当に意識が戻ったの!?」
フィリーネは驚いたように頷いた。
「ええ・・・・・数日前に」
その言葉を聞いたリリエルは、安堵から涙を流し、フィリーネを抱きしめた。
「よかった・・・・・本当によかった・・・・・。もう2度と目が覚めないって・・・・・聞いていたから・・・・・」
リリエルの震える声に、フィリーネはそっと微笑んで、背を優しくさすった。
「・・・・・ありがとう、そんなに心配してくれて・・・・・」
そこへ、ルナがリリエルに近づき、再び耳元で小声で囁いた。
「フィリーネもね・・・・・飛べるんだよ!」
「えっ・・・・・!?」
リリエルが思わず目を見開く。
その視線を受け、フィリーネは小さく息を吸った。
「今なら・・・・・誰も見てないから」
次の瞬間、彼女の衣の裾が風もないのにふわりと揺れた。
フィリーネの身体はゆっくりと地面を離れ、数インチ――ほんのわずかな高さだったが、その姿は舞い上がる光の羽根のように、美しかった。
リリエルは目を見開き、次の瞬間――
「う、嘘でしょおおお!?」
ギルド中に響き渡る絶叫が、静かな空気を一瞬で吹き飛ばした。
その声を聞いた途端、フィリーネは慌てて床へ降り立つ。
「リ、リリエル!? どうしたの!?」
周囲の冒険者たちも一斉に振り向き、ざわめきが広がる。
異変に気づいた仲間――カイラス、ライアス、ルミア、エルミナ、ジャンが、次々と駆け寄ってきた。
「おい、何事だ!」ライアスが声を張り上げる。
「どうした!?」カイラスも眉をひそめ、周囲を見渡す。
「何があったの!?」ルミアが慌ててリリエルの手を取った。
「リリエル!? 大丈夫!?」エルミナが心配そうに覗き込み、
「何かあったのか?」ジャンも不安げに問いかけた。
皆の視線を一身に浴び、リリエルは顔を真っ赤にして両手をぶんぶんと振った。
「ご、ごめんなさい! ただ・・・・・・声が出ちゃっただけなの!」
一同はぽかんと顔を見合わせ、次第に苦笑が広がっていく。
ようやく場の空気が落ち着いたところで、ルナがにやにや笑いながらリリエルの肩に身を寄せた。
「ふふっ・・・・・・リリエルがあんな声出すなんて、初めて聞いたかも?」
「ち、違うのよ! 思わず出ちゃっただけで・・・・・・!」
リリエルは両頬を押さえ、必死に否定する。
「へぇ~? “嘘でしょおおお!?”って、あんな大声で?」
ルナがわざと声を真似てみせると、リリエルはぷるぷると肩を震わせた。
「ちょ、ちょっとルナ!? からかわないで!」
潤んだ瞳と真っ赤な耳が、ますます可愛らしく映える。
「いやぁ~、あんな大声のリリエル、初めて見たなぁ」
ルナが悪戯っぽく、ウインクすると、
「お願い、忘れてぇぇ・・・・・・!!」
涙目のリリエルは必死にルナの腕を押しのける。
ルナは笑いをこらえながら口元を押さえ、つられてフィリーネまで、困ったように肩を揺らして笑ってしまうのだった。
やがて、再会の喜びが一段落した頃。
ルナは真剣な眼差しでカイラスの前に立った。
「カイラス。私、ジャンとパーティーを組みたいの!」
突然の申し出に、カイラスは一瞬だけ目を瞬かせたが、すぐに表情を引き締める。
「だから、カイラスたちのパーティーを、脱退させて!」
強い決意を宿すルナの瞳を見つめ、カイラスは静かに息をつく。
「3人が血相変えて飛び込んできたから、何事かと思ったが・・・・・・そういうことだったのか」
落ち着いた声でそう言うと、穏やかに頷いた。
「今はジャンたちと旅をしているんだしな。・・・・・・分かった。受付に行こう」
ギルドの受付に駆けつけた3人は、アーカスに出迎えられた。
「ルナさん、お久しぶりです!」
アーカスはにこやかに声をかけ、ルナも笑顔で応える。
「アーカスさん、お久しぶりです!」
そこに、カイラスがやってくる。
ルナはアーカスに、カイラスのパーティーを抜けて、ジャンと新しいパーティーを組みたい旨を伝えた。
「はい、承知いたしました。カイラスさん、よろしいでしょうか?」
アーカスは、隣に立つカイラスに確認を取る。カイラスは静かにうなずいた。
アーカスはルナに尋ねた。
「ルナさん、他のパーティーには加入されないのですか?」
その言葉に、ルナはハッとした。
わざわざヒルダロアに戻らなくても、アステリアでパーティー加入手続きができることを思い出したのだ。
ルナは、嬉しそうにジャンのほうを指さした。
「私、ジャンのパーティーに入ります!」
ルナに指さされたジャンに、アーカスは懐かしそうな目を向けた。
「お久しぶりですね、ジャンさん」
アーカスの声は、いつものように通る声だった。
ジャンは、受付に近づき、アーカスに挨拶をする。
「お久しぶりです」
アーカスは、カイラスに脱退届の用紙を、ジャンには加入の用紙を渡した。
「では、お2人にこちらをご記入いただけますか? 記入台はあちらにございます」
カイラスとジャンは記入台に向かい、それぞれ書類に記入する。
その間、ルナはそわそわしながら、2人の様子を眺めていた。
すると、ギルドの受付がやけに騒がしくなってきた声を聞きつけ、奥からギルド長のリーザンが姿を現す。
「どうした、こんなに騒がしい。何かあったのか?」
リーザンはそう言いながら、受付に近づいてきた。
ギルド長のリーザンは、ルナとジャンの姿を認めると、驚きと喜びの入り混じった表情を浮かべる。
「ルナさん、ジャン君! まさか、もう戻ってくるとは・・・・・」
リーザンは目を丸くして、再会を喜んだ。
リーザンの視線が、少し離れた場所に立っているフィリーネに止まった。
「・・・・・フィリーネさん!?」
リーザンは驚き、フィリーネを呼び寄せた。
アーカスもフィリーネに気づき、目を大きく見開く。
「本当に意識が戻ったのか!良かった!」
「はい、数日前に意識がもどりました。」
リーザンとアーカスは、フィリーネの無事を心から喜び、安堵の表情を見せた。
その間に、ジャンとカイラスが書類の記入を終え、アーカスに提出する。
「はい、ありがとうございます。では、プレートを出してください」
アーカスに促され、まずはカイラスがプレートを差し出した。
受付嬢が確認し、頷く。
問題はない。
続いて、ルナが一歩前に出て、自分のプレートを差し出した――その瞬間。
カイラス、ライアス、ルミア、エルミナ、リリエルの5人が、一斉に息を呑んだ。
まるで時間が止まったかのように、誰1人として言葉を発せられない。
視線は、ルナの手の中でキラキラ光るシルバーの冒険者プレートに釘付けになっていた。
「・・・・・・え?」
最初に声を漏らしたのはリリエルだった。
その一言を皮切りに、凍りついていた空気が一気に爆ぜる。
「う、うそだろ・・・・・・!?」ライアスが頭をかきむしる。
「は、はぁ!? シルバー!?」カイラスが目を見開く。
「ま、まさか・・・・・・この短期間で!?」エルミナは驚愕に目を見張った。
ルミアはその場で固まったまま動けず
リリエルはプレートを凝視したまま、何か言おうとしては口をぱくぱくさせている。
――まるで全員、時を止められたかのようだった。
そんな中、ジャンが静かに一歩進み出る。
彼の手から差し出されたプレートを見た瞬間――
「「「「「・・・・・・!?」」」」」
5人の顔から血の気が引いた。
今度こそ、誰もが言葉を失う。
Aクラス。
その銀色のプレートを見た瞬間、誰かが悲鳴のように叫んだ。
「A・・・・・・Aクラス!? 嘘だろ、ありえねぇぇぇぇ!!」ライアスが絶叫する。
「ちょ、ちょっと待って! 2人とも!? いつの間に!?」ルミアが声を裏返らせる。
「夢・・・・・・じゃないわよね!?」リリエルは信じられないものを見るような表情で呟いた。
ギルド中がざわめき、空気が一瞬で熱を帯びる。
驚きが驚きを呼び、誰もが現実を受け止めきれずにいた。
そんな中、カイラスたちの背後で、アーカスとギルド長リーザンだけが静かに微笑んでいた。
「・・・・・・当然の結果だな」
リーザンが低く呟く。その声音には確信がこもっていた。
ようやく場のざわめきが落ち着いたころ、ジャンが口を開いた。
「メルグレイスの街で、未解決事件に巻き込まれたんだ」
静かな説明に、全員が耳を傾ける。
ジャンは、ルナと共に事件を追い、解決に至った経緯を簡潔に語った。
「その時に、ルナが事件を解決してくれて・・・・・・その功績で、2人ともAクラスに昇格したんだ」
ルナは照れくさそうに頬をかき、苦笑いを浮かべる。
その姿を見て、リリエルが目を潤ませ、ルミアが感嘆の声を上げた。
「まさか、あのメルグレイスの未解決事件を・・・・・・!」カイラスが呟く。
「すげぇじゃねぇか! だが、やっぱり馬車使ったんだろ?」ライアスが確信したように言う。
「すごいよ、ジャン! ルナ!」エルミナが羨望のまなざしで声を弾ませた。
口々に称賛が飛び交う中、ジャンは少し真顔に戻って続けた。
「そのあとヒルダロアに移動して、今朝、ルナのパーティー加入の手続きをしようとしたんだ。でも、ルナがまだカイラスのパーティーに所属してるって言われて・・・・・・手続きができなくてさ」
「「「「「・・・・・・え?」」」」」
再び全員が、完璧なハーモニーで声を揃える。
ジャンは苦笑しつつ続けた。
「それで、慌てて戻ってきたんだ」
その言葉に、リーザン、アーカス、カイラス、ライアス、ルミア、エルミナが互いに顔を見合わせる。
まだ昼過ぎ――
だが、ヒルダロアまで馬車でも3~4日はかかる距離だ。
「・・・・・・まさか、今朝出て、もう戻ったってのか?」
ライアスが呟き、誰もが息を飲む。
絶対にありえない。
一切のモンスター遭遇を避けたとしても、常識では2日は必要な距離。
しかし、目の前の2人は確かに――
つい先ほど出発したかのような顔で、そこに立っていた。
「馬鹿な・・・・・・! そんなに早く戻ってこれるはずがない・・・・・!」
驚きと困惑が入り混じった表情で、リーザンは目を見開いている。
ルミアもまた、額に深く皺を寄せ、難しい顔で腕を組んでいた。
「どう考えても、時間の計算が合わないわ!」
疑わしそうに問いかける。
カイラスは、興奮と焦りの入り混じった声で詰め寄った。
「一体、どうやって戻ってきたんだ!?」
その場の誰もが、目の前の出来事を理解できずに、ただただ呆然と立ち尽くしていた。
全員が口々に疑問を投げかけるが、リリエルだけは、心の中で別の意味で驚いていた。
(そんなに早く帰ってこれるの!? やっぱり、飛行魔法ってすごいのね!)
リリエルは、ジャンとルナが飛行魔法を使えることを知っていたため、1人だけ納得していた。
さすがにフィリーネまで使えるとは、さっきまで思っていなかったが・・・・・。
周りの反応を見て、ルナはもう隠しきれないと悟った。
ジャンに顔を向け、小声で訴える。
「さすがにもう、隠せないよ」
ジャンはルナの言葉に頷き、ギルド長に確認を取った。
「ギルド長、お話ししたいことがあるんですが、全員でギルド長の部屋に移動してもよろしいでしょうか?」
リーザンはジャンとルナの真剣な表情を見て、頷いた。
「ああ、構わない。どうぞ、こちらへ」
ギルド長の部屋には、ギルド長のリーザン、カイラス、ライアス、ルミア、エルミナ、リリエル、フィリーネ、そしてジャンとルナが集まった。受付業務があるため、アーカスは受付に残った。
部屋に入ると、ルナはリリエルに尋ねた。
「リリエルだけは、知ってるよね!」
ルナの言葉に、リリエルは「ええ」と短く答える。
リーザン、カイラス、ライアス、ルミア、エルミナは、リリエルが何かを知っていることに驚き、彼女に視線を集中させた。
リリエルは皆の視線を受けながら、静かに、しかしはっきりと口を開いた。
「ジャンとルナ、そしてフィリーネは・・・失われた魔法、飛行魔法で空を飛べるの」
その言葉を聞いた瞬間、カイラス、ライアス、ルミア、エルミナは顔を見合わせ、一様に「まさか!?」と言いたげな表情を浮かべた。
ギルド長のリーザンでさえ、思わず吹き出してしまう。
「はははっ! リリエルさん、何を言ってるんだ。飛行魔法なんて、伝説の中の話だろう!」
「そうよ、リリエル! そんなこと、ありえないわ!」
ルミアが声を上げる。
「ハッハッハ! おもしろい冗談じゃねぇか! ワシたちをからかってるんだろう?」
ライアスも信じられないといった様子で豪快に笑う。
その場の全員が、リリエルの言葉を冗談だと受け取っていた。
だが、ジャンは真剣な顔で言った。
「待ってください。今からお見せします」
その静かな声に、笑いがぴたりと止まる。
ジャンはギルド長のリーザンをはじめ、全員の顔を順に見渡した。
「いいですか。これから見せることを見ても、驚いて声を出さないでください。
そして、このことは絶対に、外では口にしないと約束してください」
それでも、まだ誰も本気にはしていない。
「はいはい、わかったから。どうぞ、どうぞ」エルミナが軽く手を振る。
「じゃあ、早く見せてよ」ルミアも半ばあきれたように言った。
ルナが一歩前に出て、真剣な瞳で念を押す。
「絶対に言っちゃダメだからね」
その言葉に一瞬の静寂が落ちた。
そして・・・・・・ジャン、フィリーネ、ルナの3人が横一列に並び、互いに視線を交わし、合図をする。
次の瞬間。
3人の足元が、ふわりと床を離れた。
ジャンとルナは安定した姿勢のままゆっくりと浮かび、
フィリーネは少しふらつきながらも、確かに宙にいた。
目の前の光景に、カイラス、ライアス、ルミア、エルミナ、そしてリーザンまでもが、
まるで時間が止まったかのように固まる。
誰もが、目の前の現実を理解することを拒んでいた。
「・・・・・・疲れてるのかな、オレたち」
カイラスが呟いたが、その声は震えていた。
彼の目の前では、3人が確かに空中に浮かんでいる。
沈黙を破ったのは、リリエルだった。
「さっき、私が叫んだのは・・・・・・ジャンとルナしか飛べないと思っていたのに、フィリーネが浮いたのを見たからよ」
その言葉に、全員の視線がフィリーネへと集まる。
信じがたい光景を前に、誰もが息を呑み、ただ驚愕のまま立ち尽くしていた。
目の前の現実が信じられないといった表情だったが、飛行魔法が本当に存在するのだと理解すると、今度はその魔法が自分たちにも使えるのかと、口々に尋ね始めた。
「おい、ジャン! オレたちも、空を飛べるようになるのか!?」
ライアスが興奮気味に尋ねた。
「ルナ、どうやってやるの!?」
ルミアがルナに詰め寄る。
「私も飛べるようになるの!?」
エルミナも期待に満ちた目でジャンとルナを見た。
3人はゆっくりと床に着地した。
ルナは皆の興奮した様子を見て、にこやかに答えた。
「うん! 誰でもできると思う!」
ルナの言葉に、皆の期待は最高潮に達した。
しかし、フィリーネは少し照れくさそうに付け加えた。
「えっと・・・・・私、ついさっき飛べるようになったばかりだから。まだ、こうやって軽く浮き上がれるだけだけど・・・・・」
フィリーネはそう言いながら、もう一度、フワリと数インチ浮いてみせた。
その不安定な浮き方に、彼らは改めて、目の前の魔法が本物であることを実感する。
ジャンは、彼らの疑問に答えるように、ゆっくりと話し始めた。
「飛行魔法は、魔力自体を全身から下に向けて放出することで、空を飛ぶことができるんだ。ただ、その感覚を掴むのが難しい」
ジャンは皆の真剣な眼差しを受け、続けた。
「ルナは、オレが教えてから、体得するまでに3日かかった。オレは・・・・・初めて習得するのに、丸一日かかった」
ルナはジャンの言葉に、少し悔しそうな顔をした。
「私は3日かかったのに! ジャンはずるいんだから!」
そう言って、ルナはプンプンと頬を膨らませる。
ジャンは、フィリーネの方を振り返り、彼女の肩に手を置いた。
「でも、フィリーネは・・・・・オレが教えてから、たったの数分で飛べるようになったんだ。まだ低空を浮くだけだけどな」
ジャンの言葉に、フィリーネは顔を赤らめて俯いた。
誰もが、フィリーネの驚異的な才能に言葉を失った。
それから、ギルド長の部屋は、飛行魔法を習得しようと意気込む5人の熱気に包まれた。
リーザンは彼らの熱意に圧倒されながらも、嬉しそうに微笑んでいた。
だが突然真剣な顔になる。
「待ってくれ! 飛行魔法のことは、本当に誰にも話さないんだろうな!?」
リーザンが念を押すと、全員が口々に頷いた。
「当たりめぇじゃねぇか! こんなとんでもねぇ魔法、他の奴らに教えるわけねぇだろ!」
「そうだ! オレたちだけの秘密にしようぜ!」
ライアスとカイラスが、興奮した様子で言う。
「じゃあ、ルナ。飛行魔法の練習、教えてちょうだいね?」
ルミアがルナに頼むと、ルナはにこやかに頷いた。
「いいよ! でも、みんな、私みたいに、夜にこっそり練習しないとダメだよ!」
ルナはそう言って、悪戯っぽく笑った。
ジャンは熱意と期待を隠すことなく、力強く言った。
「よし! じゃあ、今夜から特訓だな!」
その夜、澄んだ空の下、カイラスたちの困惑と
ルナの笑い声がいつまでも草原に響き渡っていた。
ルミア「今回も読んでくれて、ありがとうっ!」
リリエル「いつも応援、本当にありがとうございます」
エルミナ「皆さんに支えられて、今日も楽しく締められますね」
カイラス「ようやく出番があって、ホッとしたぞ!」
ライアス「ほんとだ。しばらく背景と化してたからな……」
ルミア「でもまた出られてよかったね!」
????「うんうん。次もきっと見せ場が——」
カイラス「この調子で出番なかったら、忘れられそうだな」
全員「「「「「サラッと会話に入ってたけど、今の誰!?」」」」」
ルミア「新キャラ!?」
リリエル「えっ、あなた、今……」
カイラス「ま、まさか……」
????「まさかの“お楽しみ枠”ってやつだよ!」
ライアス「いや説明になってねぇ!」
エルミナ「ま、まあ……次回には分かるかもしれませんね」
ルナ「え? ちょっと待って!まだしばらく出ないから、絶---っ対に読者に忘れられちゃうよ!しかも名前が????だよ!」
????「え!? そんな! 忘れないでー! ルナーー!なんとかしてー!」
ルミア「なんかすごいことになってる!」
ライアス「混線してるぞこのあとがき!」
カイラス「だ、誰が締めるんだこれ……?」
リリエル「私が締めるわよ!」
全員「次回もお楽しみにーー!!!」




