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パーティーから裏切られたホワイトマジシャンは規格外  作者: つるぴかつるちゃん
第一章 アステリアの街で

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第39話  夢?パラレルワールド?

深夜・・・・・


「うわあああああ!!!リリエル!ルナ!逃げろーーーー!」


そう叫んでジャンは目が覚めた。


全身は汗でびっしょりになっていた。


「ハァ、ハァ、ハァ」


呼吸も荒い


「い、生きてる」


ジャンは呼吸を整え、生きている事に安堵していた。


(リアルな夢だったな。本当に死んだのかと思った)


思い出してみると、夢だからこそ、様々な点でおかしかった。


(リリエルは回復魔法が得意じゃないなんて有り得ないし)


(オレはリリエルに回復魔法を教えた事もない。)


(それに『魔力弾・貫通』とかいうのも開発したことがない。)


(他にも色々おかしかったが・・・・・)


(まるで本当に起きているかのようにリアルだったな)


ジャンは夢を思い出していた。


・・・・・

・・・・

・・・

・・



ジャンは、夜通し、新しい魔法陣の研究に没頭した。


そして、夜が明ける頃、ジャンは一つの結論にたどり着いた。


(これだ・・・・・!これなら、きっと・・・・・!)


ジャンは、その新しい魔法を「魔力弾・貫通」と名付けた。


翌日、ジャンはリリエルとルナを連れて、塔へと向かった。


「ジャン、今日はどうするの?」


リリエルが尋ねる。



「今日は、リリエルの回復魔法の練習だ」


ジャンは、静かに言った。


「え・・・・・?私、回復魔法は得意じゃないけど・・・・・」


リリエルが不安そうに言う。


「大丈夫だ。オレが教えてやるから」


ジャンは、リリエルの手を握り、優しく微笑んだ。



三人は、再び塔の18階へと向かい、リリエルの回復魔法の練習を始めた。


「リリエル。まずは、ヒールからだ」


ジャンは、リリエルに魔法陣を描き、魔力の流れを説明した。


リリエルは、ジャンの説明を真剣な眼差しで聞き、言われた通りに魔法陣を描く。


すると、リリエルの手のひらから、温かい光が放たれた。


「すごい・・・・・!できた!」


リリエルは、嬉しそうに声を上げた。



ジャンは、リリエルの回復魔法の練習に付き合い、一つ一つ丁寧に教えていった。


そして、練習の終わりに、ジャンはリリエルに言った。


「リリエル。お前は、回復魔法の才能がある。あとは、実践あるのみだ」



「ええ、ジャンのおかげよ」


リリエルは、満面の笑みで言った。



その日の夜、ジャンは、自室に戻り、新しい魔法「魔力弾・貫通」の練習を始めた。


魔力を凝縮し、魔法陣を構築する。


そして、ジャンは、魔力弾を放った。


「魔力弾・貫通!」


魔力弾は、真っ直ぐに壁へと向かい、壁に小さな穴を開けた。


「よし・・・・・!これなら・・・・・!」


ジャンは、確信した。



翌日、3人は、再び塔の36階へと向かった。


「本当に、大丈夫なの・・・・・?」


リリエルが、不安そうに尋ねる。


「ああ。大丈夫だ。もう、逃げない。今度は、勝つ」


ジャンは、静かに答えた。



そして、三人は、再びドラゴンの前に立った。


「ガアアアアアアア!」


ドラゴンは、三人の姿を見ると、咆哮を上げた。



「ルナ!飛行魔法だ!」


「うん!」


ジャンとルナは、空へと舞い上がり、ドラゴンに向かって突進した。


「リリエル!頼んだ!」


「わかったわ!」


リリエルは、回復魔法の準備を始めた。



ジャンとルナは、ドラゴンの攻撃をかわしながら、新しい魔法「魔力弾・貫通」を放った。


「魔力弾・貫通!」


魔力弾は、ドラゴンの皮膚に命中し、小さな爆発を起こす。


だが、ドラゴンの皮膚には、かすり傷ひとつ付いてない。



「くそっ・・・・・!ダメか・・・・・!」


ジャンは、歯を食いしばる。



その瞬間、ドラゴンは、再び火炎ブレスを放った。


ジャンとルナは、火炎ブレスをかわすが、ドラゴンの攻撃は止まらない。


ドラゴンは、次々と火炎ブレスを放ち、二人は、それを避けるのがやっとだった。



「ジャン!魔力が・・・・・!」


ルナが、悲鳴を上げた。


ルナの魔力が、もう限界だった。


「くそっ・・・・・!」


ジャンは、ルナを抱きかかえ、後退する。



「リリエル!回復魔法を!」


ジャンは、リリエルに叫んだ。


リリエルは、すぐに回復魔法を放ち、2人の魔力を回復させた。


「ありがとう、リリエル!」


ジャンは、リリエルに感謝を述べた。



「でも・・・・・このままじゃ・・・・・」


ルナは、絶望的な表情で呟いた。


その瞬間、ジャンの頭の中に、一つのアイデアが閃いた。


(そうだ・・・・・!まだ、方法がある・・・・・!)



ジャンは、ルナに囁いた。


「ルナ。お前の魔力を、オレに貸してくれないか・・・・・?」


「え・・・・・?」


ルナは、不思議そうな顔をした。



「オレの魔力を、お前の魔力と混ぜるんだ。そうすれば・・・・・」


ジャンは、ルナの手を握り、自分の魔力を流し込んだ。


ルナの魔力が、ジャンの魔力と混ざり合い、ジャンの魔力は、一気に増大した。



「すごい・・・・・!こんなの初めて・・・・・!」


ルナは、驚きの声を上げた。



「これなら・・・・・!」


ジャンは、再び「魔力弾・貫通」を放った。


魔力弾は、ドラゴンの皮膚に命中し、今度は、わずかに傷をつけた。



「効いた・・・・・!」


ジャンは、確信した。



そして、ジャンは、ルナと共に、次々と「魔力弾・貫通」を放った。


「魔力弾・貫通!」


「魔力弾・貫通!」


無数の魔力弾が、ドラゴンに降り注ぎ、ドラゴンの皮膚は、少しずつ傷ついていった。



「ガアアアアアアア!」


ドラゴンは、痛みで咆哮を上げた。


そして、再び火炎ブレスを放つ。



「ルナ!避けるんだ!」


ジャンは、ルナを抱きかかえ、火炎ブレスをかわした。


しかし、その隙に、ドラゴンは、3人に突進してきた。



「くそっ・・・・・!」


ジャンは、ルナとリリエルを庇うように、前に出る。


その瞬間、ドラゴンの鋭い爪が、ジャンの胸を貫いた。


その状態で3人は壁にまで飛ばされる。


壁に激突したが、リリエルとルナは何とも無いようだった。


「ジャン!」


リリエルの悲鳴が響き渡る。



ジャンは、口から血を吐き出し、膝から崩れ落ちた。


「ジャン!」


ルナが、ジャンの身体を支える。



「ジャン・・・・・!しっかりして!」


リリエルは、すぐに回復魔法を放った。


しかしドラゴンの爪は、ジャンの急所を貫いていた。


回復魔法では、間に合わない。



「ルナ・・・・・リリエル・・・・・」


ジャンは、かすれた声で呟いた。


「ごめん・・・・・オレの・・・・・せいで・・・・・」



「そんなことない!ジャン!」


リリエルは、泣きながら叫んだ。


「ジャン、死なないで!」


ルナもまた、涙を流しながらジャンの手を握った。



ジャンは、二人の顔を見つめ、静かに微笑んだ。


そして、ジャンは、ゆっくりと、目を閉じる。



「いやーーーーー!!」


リリエルとルナの悲痛な叫びが、塔の中に響き渡った。


目を完全に閉じる瞬間見えたのは、号泣するリリエルとルナの後ろからブレスを吐きだすドラゴンだった。


ジャンは「逃げろ!」と叫びたかったが、口がわずかにパクパク動いただけ


そして2人の悲鳴を聞きながら、体が焼けて行く感じと急激に遠ざかる意識を感じていた。



・・・・・

・・・・

・・・

・・


ジャンは、一体あの夢は何だったんだろう?と考えていた。


ひとまず汗を洗い流すためにシャワーを浴びた。


そこで気付いた違和感。


ジャンは思わず声を出すと同時に、驚愕の表情に変わった。


「何だ!?これ!!!、夢じゃなかったのか!?そんなバカな!ありえない!」


血こそ出ていないものの、胸にあるのは、ドラゴンに貫かれたような大きな傷。


貫通はしていないが、皮膚には大きな傷が出来ている。


背中を見てもまた驚くのだった。


背中にもあるのだ。



呆然と立ち尽くすジャン。


そこはシャワーの音だけが響いていた。





最後までお読みいただきありがとうございました。

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