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パーティーから裏切られたホワイトマジシャンは規格外  作者: つるぴかつるちゃん
第一章 アステリアの街で

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第31話  帰還の報告とサーチ魔法

翌朝、オレは朝早くに目が覚めた。


昨夜はぐっすりと眠ったのだろう、妙に頭がすっきりしている。


今日は報告もあるので早くにギルドへ向かう事にする



アステリアの街は、今日も朝から活気に満ちている。


パン屋からは焼きたてのパンの香ばしい匂いが漂い、店の前には行列ができていた。


市場も既に多くの人で賑わっている。


オレは、その活気を横目に、足早にギルドの受付へと向かった。



ギルドの扉を開けると、いつものように受付嬢のアーカスがカウンターにいた。


「おはようございます、アーカスさん」


オレがそう声をかけると、彼女は顔を上げて、信じられないものを見たかのように目を丸くした。


「え・・・・・? う、うわあああああああ!」


アーカスは悲鳴を上げ、腰を抜かしてカウンターの向こうに尻もちをついた。


「な、なんで!? なんでここに・・・・・!?」


彼女は震える声でそう言い、そのまま慌てて奥へと走っていった。


「ギルド長!ギルド長!ジャンさんが!ジャンさんが帰ってきました!」


すぐに奥の部屋から、ギルド長が慌ただしく姿を現した。



彼はオレを見るなり、アーカスさんと同じように、信じられないという顔で立ち尽くした。


「ジャン君か?本当にジャン君なのか?」


ギルド長はゆっくりと、そして慎重にオレに近づいてくる。


オレは大丈夫だということを示すために、両手を広げてみせた。


「はい、ギルド長。オレです。昨晩戻りました」


ギルド長は安堵の表情を浮かべ、何度も頷きながらオレの肩を掴んだ。


「よかった、よかった!本当に無事だったんだな!」


その手は震えていた。


「まずは事実を確かめさせてくれ。カイラスたちの話では、君は19階で光の中に消えて行方不明になったと聞いていた。ギルドではカイラス君たちと協力して5日間捜索したが、打ち切られ、昨日正式に死亡届が出されたばかりなんだ」


ギルド長の声には、安堵と同時に深い疲労の色が滲んでいた。


「そうですか・・・・・。ご迷惑をおかけしました」


オレは素直に謝罪した。


カイラスたちがどれだけ心配してくれたか。


そして必死に捜索してくれたか。


容易に想像できた。


「それで、どうして戻ってこれたんだ?18階のクリブンの出現方法でもわかったのか?」


ギルド長は真剣な顔で尋ねてきた。


オレは、仲間たちに説明したことを説明した。


ギルド長は驚き、何かを考え始めたが、説明を続けた。


「次にクリブンの出現ですが、18階でホワイトマジシャンが全ステータスアップをかけた後に回復魔法をかけることで出現します」


オレはベルトランに聞いたクリブンの出現条件を伝えた。


ギルド長は目を見開いた。


「18階で全ステータスアップの後に回復魔法・・・・・そんな特殊な出現条件だったとは・・・・・。我々はすぐに調査隊を組んで、今日にでも確認に向かわせる。犠牲者も出ていたからな。助かるよ、ジャン君」


ギルド長は感謝の言葉を口にすると、すぐに職員に指示を出していた。


「アーカス、ギルド職員を招集しろ。ジャン君の報告を元に18階の再調査を行う!」


「はい! ギルド長!」


アーカスは張り詰めた表情で敬礼し、ギルドの奥へと走っていった。


そんな話をしていると、ギルドの扉が開き、カイラス、ライアス、ルミア、エルミナ、リリエル、ルナが、全員揃って入ってきた。


カイラスたちは6日間も、オレの捜索に当たっていたと言ってたな。


昨日の夜は暗くて、ハッキリとは分からなかったが顔は憔悴しきっており、目の下のクマもくっきりと浮き出ている。


一目で連日の疲れが見て取れた。


こんなになるまでやってくれたのか・・・何と言って良いのか・・・・・言葉もない。


ライアスたちの想いに熱いものを感じると同時に、申し訳なくも思った。




ギルド長は、皆の様子を一目で見て言った。


「カイラス君、ライアス君、ルミアさん、エルミナさん、リリエルさん、ルナさん。連日の捜索ご苦労様。本当に頭が下がる。君たちは連日頑張ってくれた。だから今日から数日間、ゆっくりと休むといい」


ギルド長の言葉に、カイラスたちは戸惑いながらも頷いた。


「ですが、ギルド長・・・・・」


カイラスが何かを言いかけるが、ギルド長は優しい声で続けた。


「いや、これは君たちへの命令だ。ジャンが戻ってきたんだ。君たちは心身ともに休養が必要だ。今回の件はギルドで対応する。君たちは数日後にまたギルドへ顔を出してくれればいい。その時には、ジャン君から詳しい話を聞かせてもらうとしよう」


ギルド長の粋な計らいに、オレは心の中で感謝した。


カイラスたちは連日の疲れから、一刻も早く休息を取るべきだとオレも思っていたからだ。


「ギルド長・・・・・ありがとうございます」


カイラスは深く頭を下げると


「では、みんな、一旦宿に戻ろう」


そう言うと、みんな宿へ戻って行った。




(ジャン サイド)



オレはギルドの裏路地へ向かい、周囲に誰もいない事を確認し、飛行魔法で空へ飛んで行った。


飛行魔法は、この間、と言っても自分の中では2日前なんだが・・・実際には一週間たってるんだよなあ・・・


まあ、何でも良いか・・・・・


海まで徒歩だと約1時間かかるが、ここからどれくらいかかるだろう?


加速!


まるで風になっているような感覚に浮遊感。


高い位置から見てるから海は既に見えるが、真下を見ると一気に平原を抜けていく。


先に見える森、これを抜けると、もう海だ!


よし、砂浜だ。


高度を下げ、着地。


気持ち良かったなー。


すごい爽快感。


数分と言ったところか。


感覚的には5分くらいか。


徒歩1時間が飛行魔法5分、すごい時短だ。



試すには人のいないここが最適だな。


よし!


ベルトランが言ってたサーチってどうやるんだ?


母さんはサーチが出来ていたのか?


母さんはどれくらいの距離サーチできていたんだろう?


それならもしあの日、リアーナの家に泊まっていたとしても、サーチで気付いて戻ったかもしれない?


でも母さんが空を飛んでる所を見たことがないが・・・・・


違った使い方?応用って事か?応用ならそう言うか・・・・・



全身から四方八方に出してみる。


まあ、何も起こらないよなあ


飛行魔法の最初の練習で、飛べないってやってたのがこれだもんな。


違った使い方・・・・・


魔力・・・・・


流れ・・・・・


流れ!!


水!?


水の粒子・・・魔力の粒子!?


魔力をただ放出する感じじゃなくて、魔力の粒子を放出するイメージ・・・か?


何となく分かるような分からないような・・・



魔力の粒子をイメージして放出!


上手く行きそうな感じはあるが


漠然と広範囲の情報を探るこの魔法は、いまいち感覚が掴めない。


例えるなら目隠しをされた状態で、連れてこられて、その目隠しをされたまま


ここの景色を思い描こうとしているようなものだった。


無数にある魔力の粒子1粒1粒に意識を集中する感じか?


突然何か見えた・・・・・かも?


お?これかも!?


まずは貝殻を探して・・・


おれはしゃがんだ


手のひらを貝殻から4インチくらい離す。


手のひらから魔力の粒子を出すイメージで・・・


おぉー!分かる!


目で見るのではなく、魔力で見ている?・・・・・魔力で感じてる?そんな感じだ。


見えてないけど、分かる、感じる。でも見えてる・・・言葉って難しいな。


うんうん、こんな感じか。


飛行魔法は、魔力自体を基本的には下に出す感じ


魔力の粒子を四方八方に拡げて行く感じ


魔力自体を圧縮して放つのが攻撃・・・


何か他にも違った使い方ありそうだ。



オレのサーチは確か 3マイルくらいまで出来るって言ってた。


やってみるか


最初はぼんやりとしか感じられなかった空間の気配が、少しずつ鮮明になっていく。


放出された魔力が、自分を中心に波紋のように広がり、周囲の空間を探知している。


まるで、目に見えないレーダーのように、地形の起伏、生き物の微かな気配までを捉えている。


「これはスゴイ!!」


思わず声に出てしまう。


魔力は1ヤードほど先まで広がり、砂浜の凹凸、小さな貝殻、そして海風に揺れる草の動きを、魔力の粒を通して感じ取った。


まるで自分の視覚が360度に広がり、五感を超えた情報を取り込んでいるようだ。


まだ拡げる事ができそうだな。


魔力の粒を全体に拡げるイメージをする。


10ヤードほどか


足元の感触が遠ざかり、代わりに波打ち際の波、波にさらわれる小石の感触が、はっきりと頭の中に流れ込んでくる。


まるでオレの意識が周辺の景色と一体になったかのようだ。


「なるほど、こういうことか」


オレは小さく呟いた。



オレはどんどん拡げていく。


50ヤード、90ヤード・・・・・


今のオレは100ヤード辺りが限界か。


100ヤード付近までははっきり見えるが


その先は霧の中で見ているような感じで、遠くなるほど輪郭がぼやけて


120ヤード付近で何も見えなくなる。


魔力が波に乗って、沖へと広がるのが分かる。


遠くを飛ぶ海鳥の姿、海面を漂う海藻、そして、海底をゆっくりと動く魚。木々の1本1本


それらが情報となって、オレの意識に流れ込んでくる。


この広さが見えるのは、本当に面白い。


目で見る時は、障害物の後ろは見えないが、木の裏側まで見える。



練習を続けると、飛行魔法と併用できるようになっていった。





最後までお読みいただきありがとうございました。

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