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パーティーから裏切られたホワイトマジシャンは規格外  作者: つるぴかつるちゃん
第一章 アステリアの街で

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第29話  共鳴する絆

「ここまで色々話してきたが・・・・・」


ベルトランは言うかどうか迷っている感じだ。


「塔の謎は・・・・・おぬし一人では、解決できんのじゃ。」


ベルトランの言葉は、まるで鋭い刃のように、オレの心に突き刺さった。


自分にはそれだけの実力がないのか? 


いや、今はムリという話なのか?


それとも、オレの力では・・・・・


そんな絶望的な思いが、オレの胸を支配した。


「なぜだ? 36階のドラゴンを倒し、45階に鍵を差せば、それで終わるんじゃないのか?」


オレは、必死に食い下がった。



「本来であれば・・・・・な。ワシが仕掛けた制限解除魔法は、リアーナとセレスが出会わなければ、仲間と協力することでどうにかなったであろう。」


ベルトランはここでしばらく沈黙し、再び続けた。


「さっきも言ったが、『不完全であった制限魔法、リアーナとセレスの魔力共振、塔自体が持つ魔力』この3つが複雑に絡み合っておる。その結果おぬし一人ではどうにもならぬようになったのじゃ。」


オレは驚きで何も言えなくなっていたが、ベルトランは続けた。


「ワシの想定では、セレスとリアーナが、ワシが残した36階の鍵と、2人の共振の力、リアーナ、ラカイア、セレス、アシュレイ、サラフィナの5人で45階まで攻略しておれば、この塔の異常を解決するはずであったのだ・・・・・」


ベルトランが一瞬、話を止めた時、考えた。


もしその5人が45階を攻略していたら、今のオレは何をやっていただろう?


その思考を中断するかのように、再び話し始めた。


「いや、それどころか、その5人なら多少苦戦しても最上階まで攻略できたのじゃが・・・・・『たら』『れば』を話しても仕方ないのう」


5人はそこまで強かったのか!!だけど


母さんとリアーナ・・・・・


オレは、その言葉に、胸が締め付けられるような思いだった。


「じゃが、何かの因果か・・・・・ルナと、おぬしは出会い、パーティーを組んだ。」


ベルトランは、まるで未来を予見しているかのように、静かに語り続けた。


「セレスとリアーナほどではないが、ルナとおぬしの魔力も似ておる。もし、二人で力を合わせれば・・・不完全な制限魔法を、完全に壊せるかもしれぬ」


ルナと、オレの魔力が似ている?


信じられない。


しかし、もしそれが本当なら・・・


「ルナも、支援魔法を使えるのか?」


オレは、期待を込めて尋ねた。


しかし、ベルトランは、静かに首を横に振った。


「支援魔法は使えぬじゃろうて。じゃが、攻撃魔法なら・・・・・もしかしたら、おぬしが使える魔法を使えるかもしれんじゃろうて」


その言葉に、オレは希望の光を見た。



「例えば・・・・・おぬしが使えるようになった飛行魔法。あれは、少し違った使い方をすれば、人も、物も、そしてモンスターも識別できる、サーチ魔法としても使えるんじゃ」


オレは、衝撃を受けた。


飛行魔法が、そんな風にも使えるのか? 想像もしていなかった。


「慣れてくれば、おぬしなら、そうじゃな・・・・・3マイルほどまで、範囲を広げられるじゃろうて」


3マイル・・・・・? そんな広範囲に。


オレは、そのあまりにも巨大な可能性に、ただただ、驚くしかなかった。


「飛行魔法の、違った使い方って・・・どうやってやるんだ?」


オレは、興奮して尋ねた。


「それは、自分で見つけるのじゃ。」


ベルトランは、にやりと笑った。


その顔は、まるで子供に謎を解かせるかのような、楽しげな表情だった。


「1つ、おぬしに教えることがある。サーチ魔法を体得したら、ルナにも教えてやると良い」


なぜ、ルナに?


カイラスや、リリエル、他のパーティーにも教えてもいいじゃないか。


「さっきも話したが、おぬしとルナは魔力が似ておる。2人がサーチ魔法を使えるようになることで、共振が起こるじゃろうて。そして・・・・・テレパシーで会話ができるようになるはずじゃ。」


テレパシー・・・・・?


それは、セレスとリアーナの間に起きていた、魔力の共振!?。


「いや、待ってくれ、なぜオレとルナはテレパシーが使えるんだ?母さんとリアーナの方がオレとルナよりも・・・」


その質問を予想していたように、オレの話を遮り言った。


「簡単な話じゃ、セレスはサーチ魔法が使えた。リアーナは使えなかった。それだけじゃ」


母さんがサーチ魔法を使えた!?


初耳だ。


じゃあ、母さんは空を飛べたのか?


見た事ないが・・・。


だけどオレとルナは、互いの魔力を共鳴させることで、心を通わせることができるというのか。


オレは、その言葉に、運命の糸を感じた。



この偶然の出会い。


この奇妙なパーティー。


すべては、この瞬間のために、定められていたのだろうか?


オレは、ルナを思い浮かべた。


ルナの悲しい過去。


そして、オレの悲しい過去。


もしかしたら、二人で力を合わせれば、その過去を乗り越えることができるのかもしれない。


そして、ベルトランの残した謎を解き明かすことができるのかもしれない。



「おぬしは、この話を聞いて、多くの疑問が湧いてきたじゃろう」


ベルトランの言葉に、オレは頷いた。そうだ。頭の中が、たくさんの疑問でいっぱいだった。


「その疑問、すべてワシにぶつけてみるが良い。」


ここで意地悪そうな顔になり


「答えるかどうかは、質問次第じゃな」


オレは、その言葉に、希望を見出した。聞きたいことは山ほどある。


「ルナと、オレの魔力が似ているのは、なぜだ? 何でリアーナは18階で頭を抱えて動けなくなったんだ?」


次々と疑問をぶつけるオレに、ベルトランは静かに微笑んだ。


「その答えは・・・・・いずれ、おぬし自身が、その目で確かめることじゃろうて。じゃが・・・」


ベルトランは、そこで言葉を切った。


オレのその体から、淡い光が放たれ始めた。


「そろそろ時間じゃ。おぬしを、元の世界に帰さねばならぬ」


「待ってくれ!」


オレは、思わず叫んだ。まだ、聞きたいことがたくさんある。


まだ、この男と話したい。


「待ってくれ! まだ、何も解決していない! なぜ、この空間に呼び出されたのかも、分からないままだ!」


オレの言葉に、ベルトランは悲しげに微笑んだ。


「それは・・・・・おぬしに・・・・・共振が作り出したロボットの謎を解き明かして欲しいから・・・・・そう言っておくかの?」


頭が混乱する。

「は!?共振が作り出したロボット!?意味が分から・・・」


ベルトランはオレの話を遮る。


「じゃが…おぬしには、おぬしの人生があるじゃろうて。ルナにも、ルナの人生があるじゃろうて。この話にとらわれず、自分の人生を生きるのじゃ。ついでに1つ、あのボタンはおぬしがいないパーティーが押しても何も起きなかったのじゃ」


オレは納得できなかった。


「ロボットの謎を解き明かせとか、オレがいなければボタンは動作しないとか、そんなこと言っておいて」


オレはベルトランに怒りをぶつける。


「勝手にオレを巻き込んでおいて、自分の人生を生きろなんて、無責任だ!」


だが、ベルトランは、静かに首を横に振るだけだった。


「確かに無責任じゃろうて。じゃが、それがワシの、精一杯の償いじゃ・・・・・」


オレの体が、さらに強く光り始めた。


「待ってくれ! 最後に一つだけ聞かせてくれ! シオンは・・・・・シオンは、本当に死んだのか?」


オレは、震える声で尋ねた。


「シオンは・・・・・」


ベルトランは、ハッキリと告げた。


「!!?」


その光が、さらに強くなる。


「待ってくれ!」


オレは、懇願するように叫んだ。


だが、その声は、光の中に掻き消されていった。


光が太陽のように明るくなり、オレの視界をすべて奪った。


そして、その光が消えた時・・・・・





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