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パーティーから裏切られたホワイトマジシャンは規格外  作者: つるぴかつるちゃん
第三章 トルナージュの出来事、そして“ルナ”

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第102話  目覚め、そして・・・

ルナのドタバタ騒ぎは、しばらく続いた。


だが、数日ぶりに目を覚まして興奮したせいか、それともギルドのモーニングサービスをたらふく食べてお腹がいっぱいになったせいか、やがてルナは、ジャンの腕の中にすっぽりと収まるように抱きつき、そのままコトンと寝てしまった。


ソフィアも、毎晩遅くまでルナのお見舞いに来ては早朝に帰っていく生活を続けていた疲れが、一気に押し寄せてきたのだろう。


ルナが寝息を立て始めた後、今朝までルナが寝ていたベッドに横になり、すぐにスヤスヤと穏やかな寝息を立て始めた。


シオンは、そんな3人を静かに見守っていた。



夕方になり、エヴァン、エレオス、リディア、フィリーネがお見舞いにやって来た。


医務室の扉が開き、彼らが入ってくると、その音でルナとソフィアは目を覚ました。

ソフィアは、起きてすぐにエヴァン、エレオス、リディア、そしてフィリーネに深々と頭を下げた。


「皆さん、その・・・ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありませんでした・・・・・・」


リディアは、そんなソフィアに豪快に笑って言った。


「あははは、迷惑だなんてことないさ!ソフィアって、ルナが気に入ってるから、こうなるのは仕方ないって思ってたしね!」


フィリーネも優しく微笑んだ。

「そうよ、ソフィア。ルナが無事に目覚めたなら、ソフィアもこれで安心して休めるわね」


その後、みんなで他愛ない雑談を交わし、医務室は賑やかな笑い声に包まれた。


夜も更け、エヴァン、エレオス、リディア、ソフィア、フィリーネの5人は、ルナとシオンにそれぞれ労いの言葉を残し、宿へと戻って行った。


ルナは、再びジャンの隣に横になり、その体にギュッと抱きついた。

「ジャン・・・・・・明日には、絶対に起きて欲しいな」


ルナはそう呟くと、そのままスヤスヤと早々に寝てしまった。

シオンもまた、数日間の看病疲れが出たのか、昼間にソフィアが寝ていたベッドに横になると、すぐに深い眠りに落ちていった。




深夜、静寂に包まれた医務室で、ジャンがゆっくりと目を開けた。

挿絵(By みてみん)


まだ、全身には、やや倦怠感が残っているが、意識ははっきりとしている。

横を見ると、ルナがジャンの胸に寄り添うようにして、静かに眠っていた。


ジャンは、そっとルナの髪に指を絡ませ、優しく撫でた。

ルナの柔らかい髪が、指先をくすぐる。


「ジャン、早く起きて・・・・・・」

ルナが、寝言のように小さく呟いた。


その言葉と共に、ルナの目尻から一筋の涙がこぼれ落ちる。

ジャンは、その涙をそっと指で拭ってやった。


隣のベッドでシオンが静かに寝息を立てているのを確認すると、ジャンは再びルナに目を向け、小さい声で囁いた。


「明日な・・・・・・」

ジャンの声が聞こえたかのように、ルナの寝顔は笑顔に変わり、小さく「うん」と呟いた。


そのままルナは、満たされたように寝続けるのだった。

ジャンは、ルナの笑顔を見て、安堵したように再び目を瞑った。




翌朝、ジャンが目を覚ますと、東の空から柔らかな朝日が医務室に差し込んでいた。

窓の外は鳥の声が聞こえ、新しい一日の始まりを告げている。


まだ、シオンもルナも、穏やかな寝息を立てて眠っている。


ルナはジャンの腕を抱き枕にするみたいにして、気持ちよさそうに眠っており、シオンは隣のベッドで静かに横たわっていた。


ジャンは、そっとルナの髪に触れ、優しく撫でる。

陽の光を浴びて、ルナの茶色の髪がキラキラと輝いている。


ルナは、「んー」、と小さく身動きすると、ゆっくりと目を開けた。

まだ夢の中にいるような、ぼんやりとした瞳がジャンを捉える。


「おはよう、ルナ」

ジャンの優しい声が、ルナの耳に届く。


その瞬間、ルナの瞳から大粒の涙が溢れ出した。

「ジャン!ジャン!!、起きたの!?起きないかと思って、私、すごく心配したんだよぉ!」


ルナは、堰を切ったように泣きじゃくり、ジャンの胸に顔をうずめた。

ルナの泣き声で、隣で寝ていたシオンもゆっくりと目を覚ます。

状況をすぐに理解したシオンは、笑みを浮かべ、ルナに優しく声をかけた。


「ルナお姉ちゃん、だから言ったでしょ?お兄ちゃんは大丈夫だって。ちゃんと目が覚めたでしょ?」


だが、ルナは聞く耳を持たず、首をブンブンと横に振る。

「だって・・・・・・、だって! 昨日ジャンが起きなかったんだもん!私、すっごく不安だったんだから!」


ジャンは、そんなルナの背中を優しく撫でながら、耳元でそっと囁いた。

「大丈夫だ。オレは、ルナとずっと一緒にいるって約束しただろ?」


その言葉に、ルナはジャンの胸に顔をうずめたまま、こくこくと何度も頷いた。


その震える体からは、どれほどの不安と安心が入り混じっていたかが伝わってくる。

しばらくして、ルナは落ち着きを取り戻し、涙で赤くなった目元を腕で拭った。


「ジャン・・・・・・もう大丈夫だよ!」

ルナはそう言うと、いつもの元気な笑顔を見せた。




朝食を済ませ、身支度を整えた3人は、教会を後にしてギルドへと向かった。

ギルドの扉を開けると、そこはすでに冒険者たちの喧騒で賑わっている。


受付には、珍しく男性職員が座っていた。

ジャンたち3人の姿を見ると、彼はすぐに声をかけてきた。


「ジャンさん、ルナさん、シオンさん。お待ちしておりました。ギルド長が奥の部屋でお待ちです」


3人は顔を見合わせ、軽く頷くと、職員に促されるままギルド長の部屋へと向かった。




部屋に入ると、エルネストが柔らかな笑みを浮かべて迎えてくれた。


「やあ、ジャンくん、ルナさん、そしてシオンさん。よく来てくれたね」

エルネストは、手招きで3人をソファへと促した。


ジャンたちが座ると、エルネストは本題に入った。


「実は、君たちにぜひお願いしたいことがあるんだ。古代遺跡の調査なんだが、君たちの力を貸してほしい」


ジャンはシオンとルナに視線を送り、2人が頷くのを確認すると、エルネストに向き直り、静かに頷いた。


「承知いたしました。ただ、今回の依頼を終えた後で、ルナの偽物に関する調査も行いたいのですが、よろしいでしょうか?」


ジャンが尋ねると、頷いた。


「ああ、もちろんだ。君たちの個人的な事情も考慮しよう」

そう言った後、エルネストは一瞬考えるような素振りを見せた後、続けた。


「そうそう、ジャンくん。1つ訂正させてほしい。私がお願いしたいのは

『古代文明遺跡』の調査ではない。

『古代遺跡』の調査だ」


その言葉に引っかかりを覚えたジャンは、ルナとシオンに視線を送ったが、2人とも首を振るばかりだ。


エルネストは、そんなジャンたちの様子に気づいたのか、話を続けた。


「メルグレイスのギルド長から、ジャンくんとルナさんの活躍は聞いている。十数年解決できなかった事件を解決した君たちの手腕は、高く評価されているんだ」


「あっ!」ルナが思わず声を上げ、ジャンも遅れて頷いた。


エルネストは、やや前のめりになり、真剣な眼差しでジャンたちを見つめた。


「その君たちに、今回調査を依頼したいと申し出があったんだ。どうか、この依頼を受けてはもらえないだろうか?」


ジャンは、ルナとシオンに再び視線を送った。

ルナは力強く頷き、シオンもまた、ジャンを信頼しきった瞳で頷き返した。


ジャンはエルネストに視線を戻し、明確な口調で答えた。


「分かりました。お引き受けします。まずはメルグレイスへ行けばいいですか?」


エルネストは満足そうに頷いた。


「そうだ。詳しい話は、メルグレイスのギルドで聞くことになる。そちらのギルド長が、詳細を説明してくれるだろう」




ギルド長の部屋を出ると、そこにはエヴァン、エレオス、リディア、ソフィア、そしてフィリーネの姿があった。


彼らはすでに、ジャンたちを待っていたようだ。

ソフィアが、ルナの元へ駆けてくる。


その表情は悲しげで、瞳には今にもこぼれ落ちそうなほど涙が浮かんでいた。


「ルナ・・・・・・今度こそ、本当にお別れ・・・、だよね・・・」

ソフィアの声は震えていた。


ルナは、そんなソフィアを優しく抱きしめた。

「大丈夫だよ、ソフィア。また戻ってきたら、すぐにソフィアを訪ねるからね!」


ルナの言葉に、ソフィアは何度も頷いた。

フィリーネは、エヴァンたちに別れを告げているようだった。


しばらくすると、フィリーネがジャンたちの元へやって来た。


「ジャン、ルナ、シオン。お待たせ!」

フィリーネは、いつもの穏やかな笑顔でそう言った。


「ああ、また頼む」

ジャンが言うと、フィリーネは穏やかに頷いた。


ギルドを出る時、ソフィアは、見えなくなるまでずっとルナに手を振っていた。

その姿は、まるで小さな子供がお母さんとの別れを惜しんでいるかのようだった。

挿絵(By みてみん)


ルナも、ソフィアが見えなくなるまで、ずっと手を振り返していた。


「シオン、4人でも転移魔法は使えるのか?」

ジャンがシオンに尋ねると、シオンは少し考えてから答えた。


「お兄ちゃんとルナお姉ちゃんが手伝ってくれれば、可能だよ」

シオンの言葉に、ジャンは安心したように頷いた。


ギルドの裏路地へと向かい、人目がないことを確認すると、シオンは静かに言った。


「じゃあ、メルグレイスの街外れの景色を強くイメージして。特に、お兄ちゃんとルナお姉ちゃんは、以前来た時の記憶を頼りに・・・・・・」


フィリーネも静かに瞼を伏せ、柔らかな声で告げた。

「メルグレイスは、私の故郷なの。だから、手を貸すわ」


全員が目を閉じ、シオンが呪文を唱える。


「転移!」

次の瞬間、全身を包み込むような浮遊感とともに、景色が一変した。


目を開けると、そこはメルグレイスの街外れの草原だった。

爽やかな風が吹き抜け、遠くには街の建物が見える。


「懐かしいな・・・・・・、ヒルダロアと間違えて、ここに来たのが」


ジャンが呟くと、ルナが笑いながらジャンの腕を掴んだ。


「そうそう!初めて来た時は、空から飛んできて道を間違えたんだよね!」

ルナの言葉に、シオンは驚いたように目を丸くした。


「えっ、初めてメルグレイスに来た時には、もう飛行魔法を覚えていたの?」


ジャンは「ああ」と短く答えた。

その言葉に、シオンはさらに驚きの表情を浮かべた。


「お兄ちゃんとルナお姉ちゃんは、本当にすごいね・・・・・・」


フィリーネがそんなシオンに微笑みかけ、優しく言った。

「さあ、ギルドへ急ぎましょう。ギルド長が待っているわ」

4人はメルグレイスのギルドへと急いだ。


ギルドに着くと、すぐに受付へと向かう。


受付嬢は、ジャンたちを一目見るなり、すぐにギルド長が待っているので奥の部屋へどうぞ、と案内してくれた。


ギルド長室に入ると、メルグレイスのギルド長、ザリオスが立ち上がって出迎えた。

彼はジャンとルナの顔を見ると、深々と頭を下げた。


「ジャン殿、ルナ殿。この度は、我々ギルドの長年の懸案であった未解決事件を解決してくれたこと、誠に感謝する」


ザリオスは、頭を下げたまま、しばらくその姿勢を崩さない。

ジャンは慌てて彼に駆け寄る。


「ギルド長、頭を上げてください!もう終わったことですから!」


だが、ザリオスは頑として頭を上げない。


「いや、この礼は当然のこと。そして、もう1つ、謝罪させて欲しい。事件解決時に、ルナ殿のことに気づかず、本当に申し訳なかった」


その言葉に、ルナもザリオスの隣に立ち、笑顔で言った。


「ギルド長!おかげさまで、私、すっかり元気になったので、もう頭を上げてください!」

ジャンもルナの言葉に頷き、続けた。


「それに、もう事件が解決して、かなりの日数経ってるんですから。気にしないでください」

ルナとジャンの言葉に、ザリオスはようやく顔を上げ、安堵の表情を見せた。



「では、本題に入ろう、この街で最近起こっている異変についてだ」

ザリオスは一呼吸置き、視線をジャンに向けた。


「ジャンくんには以前、あの遺跡の調査を依頼し、解決していただいたことには感謝している。しかし最近、その遺跡内が関係していると思うのだが・・・・・・」


ザリオスはここで一度言葉を区切ると、眉をひそめ、言葉を続けた。


「ギルドで調査をすると、街の噴水あたりで妙な魔力を感じるのだ。噴水からの魔力と遺跡は、何らかの形で繋がっていると、その時の報告で聞いていた。そして今回、ジャンくんに教えてもらった遺跡の地下への入り口は、今は大きな岩で閉鎖されていて、調査ができない状況でね」


彼の視線がフィリーネに移る。


「そこで、フィリーネさん。あなたが最近Aクラスになったと聞いた。そこで、ジャンくんの仲間でもある、あなたにも協力していただき、遺跡内を調査してほしいのだ」


ザリオスの言葉に、ジャンとルナは目を丸くしてフィリーネを見た。


「えっ!?フィリーネ、Aクラスになったの!?」

ルナの驚きに満ちた声がギルド内に響く。


ジャンもまた、フィリーネの顔を驚きの目で見つめていた。


「あら、言ってなかったわね」

フィリーネは少し得意げに、プレートを取り出した。


それは紛れもないシルバーのプレートで、中央には堂々と「A」の文字が刻まれている。


陽光を浴びて、その文字は誇らしげに輝いていた。


「わ、わぁっ! ほんとだ、Aクラスだ! すごいよフィリーネ! いついつ!? いつAクラスになったの!?」

ルナは興奮してフィリーネの手を取り、目を輝かせながら質問をする。


「ふふ。あなたたちがシオンを救いに行っている間よ。私だって、ただ待っていたわけじゃないのよ?」

フィリーネは肩をすくめ、満足げな表情で答えた。


その光景を、ザリオスは笑顔で見守っていた。

彼の口元には、柔らかな笑みが浮かんでいる。

だが、すぐに真剣な表情に戻り、言葉を続けた。


「シオンさんは、相当な実力を持つと聞いている。そして、ジャンくん、ルナさん、フィリーネさん、あなた方それぞれの実力も、私が保証する。だからこそ、この依頼はあなた方4人にしか頼めないのだ」


ザリオスは1人ひとりの顔をゆっくりと見つめ、力強く言った。


「あなた方4人で、この魔力の出どころと、何が原因なのか、調査をお願いしたい」


ジャンは静かに、そして力強く頷いた。

「分かりました。引き受けます」


ジャンの言葉には、揺るぎない決意が込められていた。




ルナ「ほんとにありがとうだよー!いつも読んでくれて、すっごく嬉しいんだもん!!」


ジャン「メルグレイスか・・・・・・色々あったな。」


ルナ「うん、そうだね! あ、そういえば・・・・・・女の子だけで”あとがき”に集まった時なんだけど・・・・・・」


ジャン「どうしたんだ?」


ルナ「私が、真の主人公って言われたんだよ!」


ジャン「真の主人公? うーん・・・・・・分からないな。」


ルナ「そ、そうだよね・・・・・・ジャンが主人公だよね?」


ジャン「いや、どうだろうな。読者から見たら、ルナの暴走率は主人公級だし。」


ルナ「えぇ!? 暴走してないもん! それで主人公って何よそれ!!」


ジャン「“天真爛漫破壊系ヒロイン・ルナの大行進”とかタイトルになりそうだぞ。」


ルナ「 私、破壊なんかしないもん!!」


ジャン「本当にそうか?」


ルナ「ちょっとジャン、何?その疑いの目」


ジャン「さて、そろそろ締めるか」


ルナ「うん! じゃあいくよ!」


ジャン&ルナ「次回もお楽しみに!!」



ジャン「ふぅ、ルナとなら安心して、あとがきに出られるな」



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