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第34話 38歳の純情VS17歳の純情

 私はきっと心まで18歳になってしまったのだと思う。


 38歳まで生きてきた。

 そして多分あまり幸せでなかった日々。

 だって。

 俊則がいなかったから……


 でもそのすべてが、今俊則が傍にいるだけで……

 全部どうでも良くなった。


 私は初めて運命に感謝していた。


※※※※※


 今自室のソファーで二人フリーズしちゃっている。

 色々すり合わせをしようって二人手をつないで……来たんだけど……

 でもなんか、無理かもしれない。


 だって……

 冷静になんてなれないよ!?


 さっきは再会とミリー嬢の事なんかあって、お互い感情が高ぶり過ぎちゃって……

 その、抱き合ったり……い、いっぱい……キ、キスしたり……

 思い出すだけで……恥ずかしい……あうう。


 でも……


 素敵だった♡

 ……スッゴク気持ちよかった♡

 ああ、どうしよう


 …またキスしたくなっちゃう。


 私は真っ赤な顔をし、思わず俊則の唇を見てしまう。

 感触がよみがえり、顔から湯気が出そうだ。


 だって私…本当に……ちゃんとキスしたの、今日が初めてだ。


 高校の時のデートのキスは最初失敗しちゃうし、子供みたいに『チュッ』てしただけだし。

 あの後私は誰ともお付き合いしていない。


 ふざけて加奈子としたことあったけど、泥酔していたし……

 ぎ、儀式でルルに奪われたけど、あれは別でしょ?


 その…‥体も…あの、パーティーの準備の時に……沢山いじられちゃったけど、でもまだ私未使用で…うう。

 き、今日だよね…うあーやばい。


 私が一人で悶々としていると、なんだか俊則も赤い顔してて…

 躊躇いがちに私に聞いて来た。


 「舞奈……えっと、さっきはごめん。俺舞い上がっちゃって……その、か、体を、抱きしめちゃったり…キスとか……いっぱいしちゃって……いやじゃなかった?………おれ、経験ないから…その、多分……上手じゃないから」


 そして湯気が出そうなほど真っ赤になってうつむいた。

 あう、何これ?やばい。

 あああ、可愛い♡


 「う、ううん、い、いやじゃないよ。その…嬉しかったよ…あとね……気持ちよかった♡」

 「ひうっ……ま、舞奈はさ…その、け、け、経験、あるのかな?…うう、あー聞きたくない!」


 そして耳をふさぎ目を瞑る。

 プルプル震えている?


 ああ、私死んじゃうかも。

 可愛すぎて尊すぎる!

 私はたまらなくなり、俊則に抱き着いた。


 「ふわっ?ま、舞奈?うあ、えっと……」

 「……ないよ」

 「えっ?」

 「もう、わたし経験なんてない。……まだ……処女だよ」

 「あう……あ、ああ……はあ、ふう」


 実はこの時すでに俊則は興奮しすぎて限界が近づいていた。

 舞奈は経験不足でそのことに気づいていなかった。


 「俊則は?」

 「はひっ?」

 「もう、どうだったの?恥ずかしい。ズルい私だけ言うなんて。おしえて!」

 「う、うん。その、さ、最高だった」

 「……はあ、はあ、もう、メチャクチャ気持ちよかった」

 「……も、もっとしたい。……舞奈に触れたい、あああうう」

 「舞奈の可愛い唇にキスしたい、はあ、はあ、可愛い体も……触りたい…はうう、ああ」


 そして俊則は私の頬に触れる。

 俊則の手がすごく熱い。


 「ひゃん♡」


 体に電気が走る。


 「ああ、可愛い、ああ、舞奈、はあ、はあ、舞奈、ああ、もう、ひうっ!!?」


 そして俊則は呼吸がどんどん荒くなり、信じられないくらい顔が赤くなって……

 えっ?ええっ?!


 鼻血をふきだしそのまま気を失った。


※※※※※


 舞奈は曲がりなりにも38歳まで魑魅魍魎蠢く社会という伏魔殿での経験があった。

 所謂人生の経験値が高かった。

 まあ、イロコイについては実際初心者ではあったが耳年増だ。


 しかし俊則は、あの初めてのデートの最後で死んで、まだ10日も経過していない超純情な男の子だ。

 今時珍しくエロビデオすら見たことがなかった。

 たまに立ち読みする少年誌のグラビアに顔を赤くしていたくらいだ。


 まだ17歳の高校生男子に、この状況はあまりにも経験が足りていなかった。

 まあそれだけ舞奈の事を大事に想っていた証拠でもあるのだが。


 この結末は、まあやむを得ない事だろう。

 勇気を出した舞奈はかわいそうだけどね。


※※※※※


 えっ?

 嘘でしょ?


 この流れで?

 えっ、わたしどうしよう。


 色々大変なことになっちゃてるけど……

 もー、俊則!!ちゃんと、せ、責任取ってよね!!


 ……でも。

 うん、そっか。


 俊則まだ17歳なんだ。

 しょうがないよね。

 純情だもん。

 私のこと本当に大切に思ってくれているし。


 私は俊則が好き。

 俊則も私のこと好き。


 はあ、ちょっと残念だったけど。

 ゆっくり行こう。

 ……実はちょっと安心していたのは……内緒だ。


 ふたりの覚悟が決まったらそのときは……エッチしようね♡


※※※※※


 私は俊則を介抱するためルルを呼んだ。


 ルルは状況が分からなくて凄く吃驚していたけど、有能な彼女はしっかり私を助けてくれて、今俊則は私のベッドですやすやと寝ている。


 何故かルルは機嫌が悪いけど。


 私は寝ている俊則をベッドのすぐ横で椅子に座り見ている。

 愛おしい気持ちが溢れたけど、少し冷静になれた。


 やっぱり少し焦り過ぎていたと思う。

 今の私は18歳だけど、38歳で処女だった私は早く抱かれたかったのだと思う。

 安心したかったんだ。


 だから俊則が起きたら……たくさんお話をしよう。


 もう一度あのデートからやり直したいから。

 そしてゆっくりでいいから二人の関係を育んでいきたい。

 彼から『抱きたい』って……言ってもらいたい。


 「ん…まい…な……むにゃ……」


 俊則、寝言?……私の名前!……うん。

 嬉しい♡


 実際ミリー嬢の事とか、王都の事とか、色々ある。

 私は救済の亜神としてやるべきこともあるからね。


 もう私は大丈夫だ。

 愛する人がすぐそばにいる。


 今の私は無敵だ。


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