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謎のスキルを手に入れた

作者: トモ

初投稿です。

『こんな設定の作品はどうだろう?』

と思いついて書いてみました。


夢だと思った。

仕事を終わって帰る途中、信号無視の車にハネられた。疲れている時に車に轢かれそうになる夢をよく見ていた俺は、ぼんやりと『痛くないからいつもの夢か。ハネられたのは初めてだな』なんて考えていた。


夢だと思った。

目が覚める感覚があって体を起こす。嫌な夢を見た後の気持ち悪さを振り払う為に、伸びをしながら天井を見る。いつものアパートの天井ではなく、実家の天井だった。


夢だと思った。

『いつ実家に帰った?仕事は休み取ったっけ?今何時?日差しから昼ぐらい?無断欠勤!?』

混乱しながらも会社に連絡するためにスマホを探すが見当たらない。そして違和感に気づく。

「なんでメガネ無しで見える?」

思わず声に出した。メガネは高校を卒業してからかけるようになった。裸眼だと形が何となくわかる程度の視力しかなかったはずだ。

今、周囲の家具がはっきり見える。ベッド横のカーテンを開けて窓を見る。


夢だと思った。

窓に映ったのは中学時代の自分の顔。

窓の外には・・・見えないなにかで剪定鋏を操り、庭の木を剪定する若い父の姿だった。



衝撃的な事実が判明したのでまとめよう。

今は西暦2000年で俺は中学二年生。最初は意識だけが過去に戻ったかと思ったが、よく似た別の世界らしい。一番の違いはこの世界にはスキルがあること。


スキルについて一般的なことは、

一、十代前半ぐらいに覚醒する。

 覚醒したら自分がどんなスキルを持っているかなんとなくわかる。また、役所にはスキルを検査する装置があって、誰でも確認できるらしい。

二、一般的なスキルの強さは本人の身体能力の延長程度。

 フィクションにあるような、『壁を素手で壊す』『刃物が体に刺さらない』といった極端な強さはないが、本人の努力次第で近い事は出来るようになる。

三、レアスキルと呼ばれる変わったスキルがある。

 身体能力を別の方向に延ばしたスキルの事で、父のスキル『見えない腕を30cmぐらい伸ばして物を掴める』がこれに当たる。


スキルの存在を知ってから心が踊った。

『父がレアスキルを持っているなら俺にも有るかも!憧れた異世界チートだ!』

しかし、スキルのない世界にいた俺は覚醒したかの感覚がわからない。こうなったら役所に行くしかないと、父に頼んで役所に連れていってもらった。


俺は検査結果の書類を見て呆然としていた。

スキルの項目にはこう書かれていた。


「転生(使用済み)」


夢であってほしかった。

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