疾走する夕暮れ
玄関から緋色の夕暮れへ
踏み出した足が
つま先から切なさに染まって
しどろもどろの雲の
頼りない影は走り去る
心の赴くままに歩きだした
果てしなく続くような
夜に向かって
重なり濃くなる空と
潰える光の咆哮
息と息を繋いで
鼓動と鼓動で応えた
焚き付けられるように
いきたくはなくて
古めいた白熱灯
そんな
千切れそうな明かりを
いくつも路地に散りばめてる
それぞれの窓枠に陽が落ちて
風の青さが吹き抜けて
ひとり
そこから吹かれていく
夜のうねりの静けさに
次第に忘れゆく夕暮れに
突き上げるのは
寂しさじゃなく
今、出会えた喜びだと
そういつか
伝えるために