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2.俺、謎面接受ける

母親に勝手に申し込まれた採用試験の面接へやって来た俺。


正直、気乗りしない。待遇も悪ければ、求人票に書いてある事もおかしい、怪しい。

そもそも求人票に書いてあった『二次元の娘達をこよなく愛する気持ちがあれば大丈夫です』ってなんだよ! もしかして、アニメグッズ関連の企業なのか?

調べようにも、ネットで企業名を調べても全くヒットしない有り様。


腑に落ちない求人票。しかし、何が一番気乗りしないかって…… 働きたくないんだよ!俺はそもそも働きたくない!面接している時間があったら、ゲームのレベル上げをしている方がよっぽど有意義に違いない!


とかなんとか、文句を垂れつつ、小心者の俺は時間前に行儀良く面接会場へとやって来た。


――面接が始まる。

面接が始まったのは良いが、様子がおかしい。俺一人に対し重役複数人が向かい合っている。えっ、いきなり最終面接なの? 普通、集団面接から始まるんじゃないの?

予想だにしなかった、偉いと思われる面々相手の面接に冷や汗を掻く。


「では、先ずは自己紹介をお願いします」


はい、来た自己紹介。テンプレ化したプロフィールを一字一句、間違いなく口にする俺。どうせ、プロフィールなんて履歴書にも書いてあるし、向こうも聴いちゃいない。

問題はこの後だろう。さて、どんな質問或いは無茶振りが与えられるやら……


「二次元の女の子はお好きですか?」

「――んっ?」

「二次元、すなわちアニメとかゲームとかそういうコンテンツに登場する、女の子達の事です」

「それは分かりますが…… えぇっと」

「好きですか?」


変な質問来た!

頭部が薄いあたりから察して、いい歳した重役とは似つかない発言。質問の意味は分かるがシュール過ぎる。

二次元は好き?それはもう二次元の女の子は大好きですよ。でも、そんな事公言した日には、白い目で見られちゃうじゃないですか……


「好きですか?」


俺が回答せずに戸惑っていると、今度は別の重役が聞いてきた。

もう、どうにでもなれ!


「はい、好きです大好きです!

「どれくらい?」

「――今期の嫁は、親の顔より見知っている程度には」


本音を包み隠さず言ってしまった。呆れるどころか、表情一つ変えない面接官達が寧ろ怖い。


「どういう娘が好みでしょうか?」


あれっ?これって採用試験の面接だよな。なんか方向性が可笑しいような。ここまで来たら気にするな……


「おっぱいが大きい娘です。それはもう、事あるごとに揺れるような、豊かな物を兼ね備えた娘が好きです」


好みを聞かれたので答えてやった。

人間、星の数ほどいる二次元のキャラを見分ける時、真っ先に見る場所といったら胸。胸の大きさだ。それ以外は二の次。

どうだ面接官、予想だにしなかった回答に震えたか?

寧ろ自分の足が小刻みに、震えているのはここだけの秘密だが。


面接官が最終確認の様に質問してくる。


「君は我が社に入社を希望している。そして二次元世界にいるような女の子たちが大好き。間違いないかね?」

「はい……」

「採用!すばらしい、今日から君も我が社の社員だ」


質問に対しYESと回答したら、間髪入れずに告げられた採用通知。

いやいや、おかしいでしょ!即採用!?


面接官達は勝手に話を進め、入社後の手続きなどについて説明し始める。

待て待て、俺は入社希望とは言ったが、まだ入社するとは言ってないぞ。


「あの…… まだ就職活動は続けているので、まだ入社するとはお約束できないというか……」

「そうですか…… 断っても良いのですよ。でも、あなたの履歴書を見た感じ…… この先も内定が出るとは到底思えないのですが?」

「…………」


正論だ。自分自身で言うのもおかしいが、正論だ。

この機会を逃せば、リアルニートまっしぐら。

いや待て。俺はニートになりたかったんじゃないのか? よく考えろ、実際ニートになったらママン大魔王(おかあさん)からどんな罰が与えられるか……


脳内で緊急会合を開いていると、面接官がこんな提案を投げてきた。


「先ずはインターンだけでも、体験してみませんか? ほら、何事も最初は”先っちょだけ”から始まるでしょ?」

「って、それ最後までヤっちゃうパターンじゃないですか!」


小心者な俺はその場で断り切れずに、インターン三かを受け入れることになってしまった。


「では、行きましょう」

「えっ、今から?」

「そうですよ? ほら、行きますよ」


仕方ない、とりあえずやってみるか。

22歳俺。怪しい会社に内定貰って、今からインターン行ってきまーす!

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