拒絶からの始まり
「だから、アンタはこのパーティーに要らないから出てってて言ったのよ。」
やはり俺の聞き間違いでは無いそうだ。たった今俺の幼馴染みで〈魔導神の加護〉を持つ天才、【魔法使い】のミリーにリストラされた。
…………
んだとこのアマ!泣かしてやろうか!?どうやら誰にもの言ってるのかわかってないようだな。しょうがねぇな、少しガツンと言ってやるか!
「…え?……あの…どうして?昔約束したよな?皆が14歳になってジョブを貰えるようになったらパーティーを正式に組もうって。」
まぁ、天才と言っても女の子だし泣かしちゃいけないしな。なんてジェントルマンなんだろうか俺は。
「ええ、たしかに約束したわ。だから何?」
ミリーは堂々と言い放った。一体どこに問題があるのかと言う様に。
「いや、だからいきなり追い出すのはちょっと…」
俺は精一杯の講義をしてやった!
「ハァ…」
ミリーは呆れたようにため息をついた。
「しょうが無いわね。分かったわ、アタシが悪役になってあげる。
アンタ邪魔なのよ、分かるでしょ?
〈加護〉も〈ユニークスキル〉も無いアンタがアタシ達とパーティーを組むことが出来るとしたら〈天命職〉かレア職の適性が必要だったのよ。
でも結局アンタは普通の下級職の適正しかなかった、これが現実なの。
まぁ、それでもアンタは才能が無いってわけじゃ無いから一緒に居るぐらいは良いかなって皆も思っていたわ。」
「じゃあ何で…「でも!」」
ミリーが鋭い目で俺を睨んだ。
「それはリヒトが【勇者】になる前よ!」
はっ!…俺はとある男子の方を向いた。そこには申し訳なさそうな顔をした金髪の美少年、リヒト•ゼリアスがこちらを見ていた。
「アンタも知っているでしょ?【勇者】が現れる意味。しかも【勇者】だけじゃなくて様々な『特別な力を持つ者たち』が世界中で現れ始めてるのよ。
神々は『何か』に向けて準備を始めているのよ。その『何か』が何なのかはまだ分からないけど、この世にとてつもない災いが降り掛かるのは確かなのよ。
各国は来る時のために力ある者たちの育成に力を入れ始めたわ。この世界ではどれだけ中途半端な力を持つ物が集まっても真の強者には勝てないの、だからアタシ達は国や家族達の為に素早く力をつけなきゃいけないのよ。
災害がいつ来るのかわからないのだから!」
んな事知ってんだよ。何こいつそんな当たり前の事今更ベラベラと言ってんだ?
そりゃそうだけどよ、じぁ俺はどうなんだよ?今までお前らとしか組んだ事ねーんだぞ?
今さら他のとこになんか行けねーよ。
「でも今までお前らとしか組んだことねえし、それにパーティーの6人目はどう住んだよ?
同世代の中じゃお前らについて行けるのはアウローラ達のパーティーを除いて俺だけだぜ?」
「アンタの代わりはもう決まってるわ。二年先輩のリンディア先輩が【勇者】のパーティーなら入ってくださるそうよ。」
「!!…リンディアってあの孤高の【移動要塞】!?」
行き成り〈継承職〉持ちの名前が出てきて驚いた。だが確かに彼女ならこいつらともついていけるし、俺以上にこのパーティーとも相性がいい、何故なら…
「それにアンタどうせ【剣士】になろうとか思ってんでしょ?確かにアンタはリヒトと互角の腕前を持ってるわ。
それにジョブを持つ前に〈剣術〉スキルを会得したのも評価してる、でもアンタ魔法適正一切無いのにその頼りの〈剣術〉だってユリアに勝ったこと無いじぁない!」
クッ…!!こいつ俺が一番気にしてることをあっさりと。
俺はそっと腹違いの妹、ユリアの方を見た。相変わらず俺の妹とは到底思えない美少女だ。そして相変わらず俺の事を見下しためで見ていた。
たしかに俺はこいつに剣の勝負で勝ったことが無い。こいつは生まれつき険系統の〈ユニークスキル〉と〈剣士の心得〉と言うパッシブスキルを授かっていた真の天才だ。
今では〈剣王の期待〉と言う〈加護〉も持ち、俺がやっとゲットした〈剣術〉スキルも九歳で会得して今ではレベル4。正直、そんなステータスやらを抜きにしても、俺がこいつに純粋な剣術で叶うことは一生無いだろう。
確かにこいつがいれば、他の【剣士】なんていらない。俺は今までこいつらと組んでた時はどちらかと言うと皆を守る盾役として振る舞って来た。
だがどう考えても、【移動要塞】に盾役として勝てるはずが無い。
「それにアンタって実戦ではそんなに役に立たないじゃない。
成績が良いのは容量が良いだけで、テストの内容とかは終わった後すぐに忘れちゃうから知識は余り無いでしょ。
自分の思い道理にならないとすぐに癇癪起こすから、チームワークを乱すこともけっして少なくないでしょ。
でも、1番の問題はあんたのその臆病さよ!前衛が敵と戦う度にびびって最初の方、動きが悪くなるってどういう事よ?
その上に格上の相手になった途端物凄い逃げ腰になるのよ?
今までアンタと組んでたアタシ達に感謝してほしいわ!」
グッ…正論過ぎて言い返せない…何で俺がこんな目に…
でも格上相手に慎重になるのがそんなに悪いことなのか?それにテストで良い点取るのも大変なんだぞ!
「それにアンタ!知ってんのよ、マリアナが走ってる時胸を獣の様にガン見…!」
「ミリー、もういいよ。」
リヒトがミリーを止めてくれた…もし貸して庇って…
「もう君が悪者になる必要は無いんだ。やはりこれは僕がやらなくてはいけない事だったんだ、新しい【勇者】として。」
くれないみたいだな…




