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逃げる為の戦い(のはずだった)


 ……………………と、プルンプルンに負けても俺は馬鹿じゃ無い。(一応……………………只欲望に忠実なだけで。)


 真正面から斬りかかるなんざごめんだ、それこそ犬死に成るだけだ。


 殺るとしたらタイミングを合わせての奇襲、それで気を反らして彼ら(プルンプルンと仲間達)を逃がす。


 魔法使い(プルンプルン)じゃない方は運良く戦士、いや【重戦士】だなあの防御力は。

 さっきからあのイレギュラーの攻撃を耐えながらプルンプルンや倒れてる奴等を守ってやがる。


 中級職の【重戦士】なら本来もう少しどうにかなるんだが…多分他のパーティーメンバーは全員下級職、しかも駆け出しの低レベルだな。

 装備でなんとなくわかる。

 

 あの【重戦士】のおっさんは多分指導役か用心棒みたいなもんなんだろう。

 でもそのせいでまるで実力が出せてねー。その上あのイレギュラーの強固な皮膚を突破できる程の攻撃が無いんだろう。

 【重戦士】、しかもあれだけ上手く仲間をかばえんならスキルや修行もそっち方面なんだろうからな。

 (絶て~にマゾだ。)


 もし倒れてる奴等が起きてたら時間を稼いで逃げさせることが出来んだろうが……………………

 あのプルンプルンじゃ一人も運べないだろう。

 一人引きずれたとしても普通のモンスターに途中で殺られちまう。


 他の奴等は野郎だから別に死のうが自業自得だが、プルンプルンは助けねーとな。

 (そしてお礼に、……………ぐふふふ。おっと、ちょと紳士的じゃなかったな。

 勿論無理強いをさせる気は無い。あくまで彼女自身の意思でそうしてくれたら嬉しいなーーと。)



 まず彼女を此処から引き離さねーとな。気になって戦えない。

 (現に今も動くたびに上下左右にはずんでやがる。


  素晴らしい! 


  じゃなくて,あの神秘に目が行って危ない。)


 ツー訳で、作戦は奇襲、【重戦士】に倒れてる奴等運んで貰う、適当に足止めアンド逃げる。

 完璧だな。(上手く行けばな、……………………流石にそれ以上はつきあえねーな。駄目なら俺とプルンプルンだけ連れて逃げる、全滅よりはマシだろう。)


 んで、奇襲してもこの剣じゃかすり傷もつかねー。

 ならいっそ打撲武器として使うか。多分オーガの皮膚でもこの剣がぶっ壊れるぐらい強く叩けば殴られた位の衝撃は与えられるはずだ。


 んなら、狙うならあそこか。(オスだと判ればアッチなんだが。見た目で判断つかねーからな。

 いくらモンスターでもレディに男と間違えたなんて失敬すぎる。)


 よし、やるか。


◁◁◁


 


 あのイレギュラーは今だに【重戦士】に釘付けだな。

 長い腕を使って相手の攻撃範囲に入ろうとしないみたいだな。


 思ったよりかは頭が良さそうだな。クソ、あっちの冒険者達に合図送りたかったんだが辞めといたほうがいいな。 


 それにプルンプルンはもう魔力が少ししか残ってないようだ。

 





 待て!



 そう言えば……………………プルンプルン何て読んでは行けないな、紳士的じゃない。





 これからはプルンプルンさんと呼ばせていただこう!

 やっぱリ呼び方は大切だよな!

 (特にもしこれから関係が出来るのなら!)




 と、何時もの現実逃避して置いて……………………



 行くか。




 バン!と俺が〈指弾〉で小石をイレギュラーの後ろから、横の壁に飛ばした。


 いきなり音が鳴った方にイレギュラーの意識が向いた。それを確認して、一気に距離をつめる為に駆け出した。


 剣を構え……………………









 「今だっ!!〈ガッツ•カウンター〉ぁーーー!!!!」


 【重戦士】が放った技でイレギュラーの頭が吹き飛んだ。





 ………………………………………………………………………………………あれ?






◁◁◁




 「助かったよ!有難う!」


 と爽やかスマイルの【重戦士】にお礼を言われた。


 「いや、あのカウンタースキルを使うのに必要なダメージは食らっていたのだがな。

 奴が警戒して近づいてこなかったんだよ。

 無理に詰めようとすると倒れてる子達に襲いかかろうとするし、君が注意を引いてくれて助かったよ!

 

 本当にありがとう!」


 うん、そう。


 で、肝心のプルンプルンさんはと言うと………… 


「助けてくれてありがとうね。

 

 そしてカルガさん、本当にありがとうございます!

 貴方が私達を救ってくださいました!」


 …俺へのお礼短くね?


「いや、俺なんか。彼が来ていなかったら今頃…」


「いえっ!カルガさんは私達を見捨てなかった。

 やろうと思えば何時でも出来たのに。


 貴方は貴方の言うことを聞かず、全滅の危機になってしまった私達を見捨てませんでしたり。


 貴方は私達の危機に来てくました!」


「いや、最初から君達を止められなかった俺のせいだ。

 俺はタダ、依頼をこなしただけだ。」


「そんな事有りません。貴方はボロボロに成りながらも私達を守ってくださった!」


 へ~、いい人だね〜


「…いや、もし俺が強ければ…」


 そうだね〜


「貴方は充分強いですよ。私が今まであった誰よりも(//ポッ)。」


 あれ?そんな抱きついちゃうの?プルンプルンさんのプルンプルンものすっごい当たってるよ?


「そんな、俺はただ君を守りたかっただけなんだ。」


 じゃ他の奴等はおまけ?


「……………………今夜は、一緒に居てくれませんか?」


 わお、展開早っ!


「…………こんな俺で良ければ。」


 ふ、ふん。どうせ誰とでもやるような女なんだろ?


「初めてなの、優しくしてください。」








 くくくくくくく、くっっっそーーー!!!!








 そして抱き合ってる二人は俺がいなくなったのさえ気づかなかった。



 「……………………帰るか。」


 と、角を曲がった瞬間、





「グギャァァーーーー!!」







 さっきの奴と全く同じイレギュラーが居た……………………


 本来イレギュラーは異常個体、何年に一度現れるかどうかだ。

 同じ様な個体がすぐ近くに居るなんて確率、天文学的な数値だ。




 そして俺は、この異常自体にこう言った。




「ええ〜…」




◁◁◁




 結論から言うと勝てました。


 瀕死の重体で、一時間以上の激戦。


 どうやってかって?


 んな事どうでもいいじゃん、大切なのは……………………





 どうして俺にはプルンプルンが夜の誘いをしてくれねーーーんだよーー!!!




 俺は体も心も満身創痍でダンジョンを後にした。


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