SZ1話 プロローグ
新しく書きました。
私、草原にいます。
気付いたら立ってました。NOWです。現在進行形です。
......えっ?
なになに私拉致られちゃったの!?
しかも、放置ってナニソレ困る!?
ってあれ?
そう言えば日本にただただ広がる草原なんてあったっけ?
山すらないじゃん。見渡す限りなんもないじゃん。
日差しがツラい。
まさか国際テロ集団!?....いやないか。
こんな、自他共に認める廃ゲーマーに何の用よ?って話だ。
ゲームの依頼だとしても私の性格を知ってるなら普通に頼みに来るだろう。
だってゲームが友達だし。
実際問題ここどこよ。
そもそも記憶が曖昧なんだよね。
一番新しい記憶って何だっけ?
えっーと....朝起きて....学校行って......あっ。
「あぁぁぁぁっぁぁああああぁアホか!わたしぃ!?」
思い出した。
そうだ、学校帰りにRPG感覚で探検してたらス○バを見つけたんだよ。
それで、看板に『本店、今日限定!当店の店長とゲーム対決!勝った人には特別製法コーヒー缶。一年分!』ってあったんだよ。
これはもうやるしかによね!コーヒー一年分でさらにゲームだよ!?
とまあ、それはいいかな。普通に勝ったし。
問題はその後だ。
まさか、コーヒー一年分が即時支給だったとは。
しかも、そのまま持って帰れとコーヒー缶5箱を貰った。
そして、意外と重くて道路によろめいて車に......
なんで私はコーヒーの誘惑に負けた?
そもそも私は何故探検何ぞした!
アイラブインドアな筈だったのに!
くっそー!明日はお気に入りのゲームの発売日だったのに死んで......死んで?
「えっ?じゃあここどこよ?」
《異世界です》
「へー、異世界ってナニソレラノベ? って頭に声がー!」
なになに?頭に声が響くんですけど!?
それに声が無機質で気持ち悪い!
周りに誰もいないよね。
《慣れてください。それで話は戻るのですが私と神の手によってこのゲームのような異世界に転生させました》
「それで?」
頭の声についてはもう慣れた。
よくわからない声から『ゲーム』の一声を聴いて混乱していた頭も冷めた。
本当に意味が分かんないけどこれは『ゲーム』って認識すればいい。
頭が冷めていくと同時に考えが回る。
この声は、神の、と言った、敬った様子なく。
という事はこの声は神の声だ。
《なるほど、"ゲームの名前を出せば話は通じるよ"と遊戯神が言った意味がわかりました》
こいつ声真似上手すぎだろ。
完璧に男声になってたし。けど、声が無感情なぶん余計に不気味だ。
《何故転生させたか疑問に思いませんか?》
ああ、それはなんとなく予測はついてる。
遊戯神が出てくるってことは、
「私がゲーム廃人だからかな」
《半分、正解と言ったところでしょうか。あなたは言う程廃人していませんし、それでは私が協力する理由になってません》
「と言うかあんたってなんの神様なの?」
《理由はですね......》
うわっスルーしやがった。
《理由は、あなたがコーヒーを5箱を持って運んだからです》
「はぁ?そんだけで?」
《気付いて無いのでしょうがあれには20キロの重りが入っていて総重量は25キロ弱はありましたよ》
ここにきて衝撃の事実。
あのクソ店長一年分も持たすつもりなかったな!
《そのような訳で貧弱脆弱筋肉皆無な貴女は執念だけでコーヒーを少しだけ運んだのです。本来は、物理的に無理です。上がりません。絶対無理》
そこまで言わなくてもいいんじゃないでしょうか!?
確かに、基本的に学校に行く以外では外にでませんんし?
ぼっちですの遊びに誘われることもないからスポーツもしてないですけどもね?
言わせんな悲しくなるだろ。
《コーヒーは、いいです。入れ方によって如何様にも代わり得る無限の可能性をもっています。香り、コク、酸味、風味この4つの要素で構成され自分に合ったフレーバーがあってこれを探すのもまた楽しい》
.........語り始めたよこの神。
私もコーヒー大好きだけど歴史とか深みとか全く興味無いわ。美味しければいいし。この神、もしかしてコーヒーの神様じゃないの?
《.....と言うのは嘘です。貴女と同じように味にしか興味ありません》
嘘なの!?
てっきり、コーヒーの神様かと思ったよ!
《要するに、私が協力した理由は貴方執念に免じてもう一度生を与えようと思ったから。遊戯神は、貴女の性格が気に入ったからです》
性格?
特別変わったことはないと思うけど。
《このような理由で転生させてあげました.....ええっ...もうで...し》
む?何かお取り込み中なのかな、よく聞こえないね。
《申し訳ありません。どうやら時間があまりない様子なのでいわゆるチュートリアルだけ御説明します。と言っても遊戯神から核心は言うなと言われているので”この世界はゲームだからね”だそうです》
遊戯神私のこと買い被り過ぎてない?
流石にそれだけじゃ無理だよ。
《......》
「えっ?」
《...........》
「終わったの!?急っ!?」
マジでか。
けど、あのコーヒーの神様(推定)キャリアウーマンな感じがしたし不足の事態でもあったのかな?
まあ、神様のことは意外とどうでもいいから色々ためそう。
まずは異世界の定番のこれだな。
「鑑定!」
シーン
「ステータス!」
何か半透明の板が現れた。
えーっと......
~~~~~~~~~~~~~~~
【名前】 神咲 沙也
【種族】 人間
【性別】 女
【職業】 遊戯者LV1
【HP】50/50
【MP】200/200
【筋力】30
【物耐】20
【魔力】200
【魔耐】200
【精神】300
【俊敏】30
【スキル】
『ステータス操作:LVMAX』
『ステータス閲覧:LVMAX』
『コーヒーの心得:LVMAX』
『収納:容量∞』
『異世界の知識書:LV7』
『ゲーマー:LV1』
『魔王:LV1』
SP100
【称号】
『異世界漂流者』
『魔王』
『遊戯神の関心』
『ステータス神の加護』
~~~~~~~~~~~~~~~
.........
..................
........................魔王?
**********
「わかりました王様。僕はこの世界を救いたい!」
「ちょっと待て!?」
周りの貴族がこちらをひそひそと非難してくるが知ったことか。
同級生は、何だこいつって目で見てくる。よく考えろと言いたいが?
そんな事よりもこの御神楽響耶だ。
「なんだい、斎藤君?」
「佐藤ですが!? まあよくねぇけどいいわ! 何言ってんだよ。他の奴の意見も考えずに······」
「?」
何言ってんだこいつって顔で見んな!
こっちの台詞だわ!
さて、今俺がいるのは異世界王宮のなかだ。
バカなって?俺もそう思う。けど、悲しいことに事実だ。
それはいつもどうりの日。
いつも通り、朝起きて飯作ってニュース見たあとの、教室で授業を受けているさなか、一瞬意識が飛んだと思ったら、この王様の前に居た訳。
そこからの経緯は省くが、誠に遺憾ながら王様の言い分はこうだ。
・今、この世界に魔王が誕生している。
・基本的に魔王は人類の天敵で魔族を率いてやって来る。
・魔王が誕生した時点で女神の御告げにより我が国が勇者を召喚した。
・召喚された勇者には女神から強力な力が授けられる。
・期間の魔方陣は遥か昔に女神が気を利かして魔王の城の地下に設置している。
・なので魔王を倒してほしい。
といった具合だ。
そして、話が終わった瞬間にアホが即答しやがった。
説明終わり。
「どうだいみんな、僕達には力がある! なら人類を助けるべきだろう!」
「俺はお前について行くぞ。親友だかんな!」
「私も一緒に行く。響耶に置いてかれたくないもん!」
「しょうがないわね。帰るためにも、いつもの事だし付き合ってあげる」
響耶の幼なじみも追随する。
同級生も頷いている。
いや、感動のシーンだと思うぞ。世界の危機に皆で立ち向かう。素晴らしくて使いたいぐらいにはな。
でも、今じゃねーだろ。
そもそも、
「問題しかねぇよ!まず第一にこの話が本当である根拠がどこにある?」
「何を言ってるんだい!? この人たちを疑うのか!」
こいつはどうして初対面の奴を信じれるんだ?
確かに先ほど話をしていた王様は良い人そうだ。
だが、あくまでパッと見だ。信じられる根拠がないしお国だって一枚岩じゃないだろう。
「そういう訳じゃねえだろ......仮に本当だとしても、女神が人類の危機にこの国で召喚した理由は?この国の立ち位置は?」
「うっ......」
「特殊な力ってのはどの程度のだ?一律で同じレベルか?個人差はあるのか?」
「それについてステータスプレートで「黙ってもらえますか?」......」
宰相っぽい人が話をしてきたがさっきはああいったがそもそも強さなんてどうで
もいい。
何より重要なのは、
「お前らここは異世界なんだぞ? 理解してるのか?」
「理解してるに決まってるだろ!俺たちは力が「そこじゃない」」
「違うだろう、魔王を倒すってことは命を奪うってことだ。それまでにも沢山の命を奪うし奪われるってことだ。俺はイヤだね」
同級生は、顔に困惑した感情が見えた。
まあ、当然だろう。平和な地球ににて殺意の覚悟なんて問われないしな。
俺は職業柄色々経験する必要があったから動物ぐらいなら殺してるから。
響耶が何かを言いかけたところで今まで王様が話しかけてきた。
......何故か俺に向かって言っている気がするのは気のせいだと思おう。
「異世界の客人達よ直ぐには返答を求めし断ってくれても無碍にはしない。返答は、一月後で構わぬ。それまでに知識と技術を学んでくれぬか?」
この台詞はどうやら前から考えて言っているぽいな。
しかし、勇者と言わずに客人と言った所には好感が持てる。
この言葉も今の所事実とみていいだろう。
「それで、今から明日の説明会に備え部屋に案内するのだが、その前に......ステータスの確認だけしてもらいたい。これからの指針になるしな」
と言って、王様が後ろの宰相に指示をだすと何やらプレートを人数分もってきた。
あれがステータスを計測する機械?だろうか。
「では皆さん手にとって”ステータス”と言ってください」
まさにゲームの世界だな。
俺の言葉になんとなく気勢を削がれていた同級生もウキウキしだしてる。
「ステータス」
周りが声高々と言うなかこっそりと唱えた。
ホント恥ずかしくないのかね。
~~~~~~~~~~~~~~~
【名前】 佐藤 仁
【種族】 人間
【性別】 男
【職業】 創造者 :LV1
【HP】100/100
【MP】500/500
【筋力】70
【物耐】60
【魔力】300
【魔耐】200
【精神】300
【俊敏】50
【スキル】
『想像精製:LV1』『自想空間:LV1』『異世界の知識:LV8』『勇者:LV1』
SP100
【称号】
『異世界漂流者』『創造主の興味』『女神の加護』『勇者』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
自分がどの位の強さかわかんねえけど俺の職業は地球のを受け継いでるっぽいな。
俺の地球の職業は、ゲームクリエイターだったし。
「皆様、確認していただけましたか?でしたら、こちらに見せてください」
宰相の言葉に響耶から歩みだす。
あいつは、百パー勇者(笑)だな。
「おおっ!【職業】が聖光勇者です!」
「なんだと!?」
宰相の言葉に王様が歓喜の声をあげる。
どうやら勇者(笑)じゃなくて聖光勇者(笑)みたいだ。
因みにチラッと横から見たらこんなんだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【名前】 御神楽 響耶
【性別】 男
【職業】 聖光勇者:LV1
【HP】300/300
【MP】200/200
【筋力】200
【物耐】200
【魔力】200
【魔耐】200
【精神】200
【俊敏】200
【スキル】
『聖光魔法:LV1』『異世界の知識:LV4』『輝神の加護LV:1』
SP150
【称号】
『異世界漂流者』『女神の加護』『聖光勇者』『希望の体現』
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THE・勇者って感じか。
俺と比べて平均的に良いみたいだな。
その後も次々とステータスを晒していった。
そんな中、
響耶幼なじみ1の近衛斗真の【職業】は”神聖騎士”
幼なじみ2の神崎陽日の【職業】は”剣聖”
幼なじみ3の信楽静香の【職業】は”大賢者”
同級生もレア職業の中”聖光勇者”と合わせて頭一つ抜けていた。
「そして最後はあなたか....」
ちっ、忘れられなかったか。
まあ、しょうがない。比べた感覚、ステータスも中の上程度だし問題ないだろう。
「はいよ」
と言って、投げて渡す。
「もう少し大切に扱って頂きませんか?えー創造者? 初めてみる【職業】ですね。ステータスは中程度ですか...スキルはよくわかりませんね。『勇者』スキルなんてあるのですか? 【称号】は...っ!?」
何やら驚いていた。
【称号】なんてそうマジマジと見てないけどなんかあったっけ?
「そ、そそそそそそそ創造主様の興味ぃぃぃ!!!???」
「なにぃぃいぃぃ!?嘘だろ!?」
悲報。問題しかないみたいだ。
面倒事の気配がするなぁ。
ちなみに、同級生のなかにも色々考えているやつはいます。という設定を生やしました