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ライバル登場!? カルヴァン迷う?

仲直りしたアランとカルヴァンはいつもの調子を取り戻す。

そして四人は再び歩き出し、ミジバルクでの生活に胸躍らせる。

するとアランの家まで行くと…

 アランとカルヴァンは仲直りして再び四人でミジバルクへ向かう。朝ご飯の時間になり見張りを交代して寝ていたゴスとパージをカルヴァンが起こし、アランは出来立てのご飯を器に盛っていた。

「おはようアランさん、王子」

「おはようゴスさん」

「おはよう嬢ちゃん、王子」

「おはようパージ。先に食べていいよ」

「そんな! 王子より先に頂くなんて―――」

「僕はアランと後で食べるから」

「そ、そうですか。そういうことでしたら…」

夕べの出来事に関して知らないふりをするパージ。

―二人の間を邪魔しちゃいけないしな。

そう思いながらパージとゴスは朝ご飯を食べる。

 二人は食べ終わるとアランとカルヴァンが食べ始め、ゴスとパージはテントを片付けて出立の準備をする。

「よかったですね兄貴」

「しっ! 俺たちは知らないってことにするんだ」

「あっ! そうでした」

素直に喜ぶゴスにパージはだんまりするように言う。そんなことも知らないアランとカルヴァンは仲良く話しながら食べていた。

「―――でね、ゴスさんすごい料理上手でね」

「それは夕べの料理を食べたらわかってるって」

「そうだったね。あとパージさんは私が落ち込んでる時にいろいろ相談にのってもらっちゃって…」

「僕もそうだったよ。どうすれば仲直りできるかなって相談にのってもらっちゃった」

「お互い考えてることは一緒だったんだね」

「そうだね。あはは」

「ふふ」

食べ終わったアランとカルヴァンはゴスとパージに合流して歩き始める。


 ミジバルクまであと半日ちょっとという距離を歩く四人は次第に胸を膨らます。ゴスとパージはこれからの生活に、カルヴァンはメチカルで起きた出来事で市民の暮らしに触れ、アランはドーヴォン親子を救った事を心から喜んで歩く。

「俺たち…ここから再出発できるんですね」

「そうよ。ゴスさんとパージさんはここからやり直すんだよ」

「はい!」

「僕はもう少し自分から民に触れてみようと思うよ。一方的で煙たがられても、それでもいつかわかってくれると思って頑張ってみるよ」

「頑張ってねカルヴァン。私もできるだけ街の人たちに声をかけるから」

「ありがとう」

「もう日々の暮らしに不自由しないんだな」

「それはパージさんの頑張り次第だよ。私応援してるから」

「ありがとう嬢ちゃん。嬢ちゃんはこれからどうするんだ?」

「私はいつもの生活に戻るだけよ。溜まってた仕事しなきゃいけないし」

「仕事?」

アランの仕事にゴスとパージは聞き返す。

「あれ、言ってなかったかな? 私錬金術でいろんなところから依頼の手紙がきて、それを調合するのが私の仕事だよ」

「え!?」

「見た目によらず、すごいな嬢ちゃん。錬金術ってそうそういないよな?」

「はい。今は世界に百人しかいないって言われてますね」

アランは少し残念そうに錬金術師の話しをする。

 数だけの問題ではなく、錬金術には忌み嫌われてる存在となっていた。破壊をもたらす産物、自然の理を無視した技、呪われた一族と罵られてきた。先代錬金術師アランの母によってミジバルクは辛うじて偏見の目を変えて、人々の役にたてる存在と崇められるようになったのです。四人は話しながら歩いてるとアランの家が見え、ゴスとパージが喋りだす。

「あそこに一件家があるよ」

「こんな何もないところに一件なんて寂しいな」

「あそこが私の家よ」

「えぇ!?」

驚く二人にアランは続けて話す。

「私の家があるってことはここからそう遠くないよ」

「じゃあ!」

「ミジバルクまでもうすぐよ」

「とうとうミジバルクに来ちまったな」

喜ぶゴスにパージは少し残念そうな顔をする。

「どうしたんですか兄貴?」

「もうこの四人と一緒になることはないんだなって思うと少し寂しくなってな」

「兄貴…」

「そんなことないわよ」

「嬢ちゃん?」

「ゴスさんとパージさんはしばらく会えないかもしれないけど、慣れてきたら余裕ができて私達と会えますって」

「王子はそう簡単に出れないだろ?」

「僕はなんとでもなるよ」

「カルヴァンは私と一緒だったら王様も何も言わないはずだから」

パージの言葉にアランとカルヴァンはいつでも会える意思を伝える。それを聞いたパージは謝り出す。

「すまねぇ嬢ちゃん、王子。今生の別れかと思うと寂しくなって」

「また会えるから大丈夫だよ、パージさん」

しんみりした空間にアランは家に誘うことにする

「せっかくだからお昼ご飯は私の家で食べない? キャンプ料理じゃなくてちゃんとまともな料理を作ってあげるわよ」

「本当!?」

この場で一番喜んだのがカルヴァンだった。

「なんでカルヴァンがそんなに喜ぶのよ?」

「僕だってアランの料理食べたことないもん」

「あら、そうかしら? お茶召し上がったでしょ?」

「お茶と料理を一緒にしないでくれない?」

「ごめんなさいね〜。あの時はカルヴァンが王子だなんて知らなかったからさ」

「あれはアランが勝手に勘違いしたからだろ!」

「な〜に? 私のせいだって言うの? 王子って言わなかったカルヴァンも同罪だと思うけど。あのあと私がどれだけひどい目にあったか忘れてないでしょうね?」

「くっ…ご、ごめん」

「わかればよろしい」

アランとカルヴァンの会話を聞いて二人は途端に笑い出す。

「お前らホント退屈させないんだな」

「そうですね」

笑って話すアランに少しムッとしながら喋ろうとする。

「笑い事じゃないのよ!」

「まぁその話しはいつかゆっくり聞かせてもらうよ」

「そうですよ。俺もうお腹空いたよアランさん」

「まったく…、さっさと家に行こう」

「はい」

四人はアランの家に向かうと、そこからまたあの配達員がアランの家から離れ始める。

 それをみたアランはいつものように話しかける。

「あらあんた」

「アラン!? 今日は大所帯なんだな」

「ちょっと一週間ほどメチカルに行ってたから。そしたら成り行きで二人連れてくることになったの」

配達員は二人と王子を見ると、やや険しい顔になって話しだす。

「そうですよね。こんな護衛じゃアランは安心できなかったんだね」

「どういう意味よ?」

「王子を護衛にしてメチカルまで行ったものの、不安でメチカルで頼りになりそうな人見つけてここまで帰ってきたってことだろ?」

そこまで言うとカルヴァンが怒りながら会話に入る。

「何が言いたいんだ?」

「見聞を広めて国を良くしようという気持ちも大事だけど、アランを利用するなんて虫が良すぎないか?」

「なんだと!?」

怒ったカルヴァンは配達員に殴りかかろうとするとアランが身体を張って止める。

「やまてカルヴァン!」

「どいてくれアラン! 俺はなんと言われても許すつもりだったが、アランを傷つけようとするこいつの言い方が気に入らない」

「あの人なりの挨拶よ。私はいつもこいつと喧嘩してるから―――」

「やっぱりアランを傷つける奴だったのか!」

説得するアランの言葉にカルヴァンはますます怒りだす。それを聞いた配達員は今度はカルヴァンを貶し始める。

「そういうことだ。それにアランを傷つけてるのは王子様のほうですよ」

「なんだと!? 俺はアランを守るために必死で―――」

「お前はアランを不幸にする疫病神だ。王子様」

「なに!?」

「考えてみろ。王子と出会ったことでアランは迷惑してるんだよ。誘拐事件の犯人にされ吊るされて、嫌なパーティに無理やり連れていかれ、最後は王族の権利を利用してアランを縛り付けてるじゃないか」

「これは俺がアランに頼んだだけだ!」

「王子の頼みだったら断れるわけないだろ?」

「なんだと!?」

「二人共やめて!」

二人の間にアランは止めに入る。

「今日は何しに来たのよ?」

「いつものとおり手紙を届けに来ただけだよ」

「だったらもう帰って!」

「そうさせてもらうよ、じゃあな」

アランに言われて配達員は次の配達に出かける。それを聞いてたゴスとパージは心配そうに駆け寄る。

「おい、大丈夫か?」

「あいつ一体何だったんだ?」

「あの人は手紙を配達する人で、名前は…一度名札見たんだけど忘れちゃって。あいつはなんていうか…喧嘩友達みたいなものよ」

「それにしたって今のは度が過ぎるよ」

カルヴァンと配達員の劣悪な雰囲気を見てゴスとパージは心配になる。アランは気持ちを切り替えて家に誘う。

「ごめんね、嫌な気持ちにさせちゃって。さぁ中に入ってご飯にしましょう」

それを聞いた二人はアランの家にあがるがカルヴァンだけは入ろうとしなかった。それをみてアランは声をかける。

「どうしたのカルヴァン?」

「あいつの言ってたこと本当か?」

「え?」

「王子だから断れなかったのか?」

配達員の言葉を気にかけてアランに再度尋ねるとアランは慌てて否定する。

「違うわよ! あなたが王族だからとか関係ないよ。申請書だしたとき言ったわよね? あなたを雇うって。あれは紛れもない私の意志よ」

「…本当にそうなの?」

「あいつのことをいちいち気にしてたらだめよカルヴァン。カルヴァンはそのままでいいのよ。ずっと私の傍にいて」

「…うん! わかった。ごめんねアラン」

「いいのよ。あいつがあそこまで言ってくるとはさすがに思わなかったわ」

「こっちこそごめん。アランを貶してるように聞こえて僕我慢できなくて…」

「気持ちはありがたいわ。でも暴力はだめよ。暴力で解決させようとすると…わかってるわよね?」

「昔の戦争みたいになるってことだよね」

「そうよ。できることなら話し合いで解決してね」

「うん、わかった」

「それじゃ中に入ろう。ゴスさん達を待たせたら悪いもんね」

「そうだな」

アランとカルヴァンは家に入ってご飯を食べることにした。

「…ちっ」

その様子を遠くでみていた配達員は悔しがるように舌打ちして次の配達に向かいました。


 ゴスはアランの台所みて勉強をしていた。

「あんまりみないで」

「あっ、ごめんなさい」

「勉強熱心なのもいいけど、今はくつろいでいていいのよ」

「あの…女性の家に入ったことがなくて…」

ゴスはモジモジしながら部屋をみる。

「あぁそうか。ゴスさんは女の人と話せれなかったから女の家に入ったことないのか」

「そうなんですよ…なんだか落ち着けれなくて」

「じゃあ私のことは男だと思ってくつろいで」

「それは無理です!」

「最初会った時は私と普通に話せれたじゃない!」

「あの時と今じゃ違うでしょ!?」

「そうね。じゃあお願いしていい?」

「なんですか?」

「カルヴァンの傍にいてあげて」

「え?」

アランの意図がわからず聞き返すゴス。

「さっきみたでしょ? ある程度なだめたけど、まだ血が上ってると思うから」

「あっ、わかりました」

事情を説明してゴスはカルヴァンの傍に行く。

「やっと離れてくれた。じゃあ作るか!」

気合をいれてアランは料理を始める。

 カルヴァンはというと窓から外を見て思い耽っていた。

―僕はアランにとって疫病神なのかな?

―僕はただアランの護衛として傍にいたいだけなのに…。

―僕がいて迷惑かけるなら、僕はアランの傍から―――

そこまで考えているゴスが声をかけてきた。

「王子、大丈夫ですか?」

「ん? なにが?」

「さっきあいつに言われてまだ怒ってないかと」

「正直まだ怒ってるけど、いつまでも引きずるわけにもいかないからな」

「そうですよ王子」

怒らせないようにもちあげるゴスにカルヴァンは相談する。

「僕はアランに迷惑かけてるのかな?」

「え?」

「俺と出会ってから不幸なことばっかりあわせて…迷惑と思ってるかな」

「それは違います!」

「え?」

「アランさんはそんなこと思ってませんよ。俺たちと出会ったことに感謝してると思います」

「元はといえば僕を攫うつもりだったんだろ」

「そうでしたが、アランさんのおかげで俺たちは足を洗うことができたんです。王子が迷惑かけてるというのでしたら、俺たちだって迷惑かけてる方ですよ」

「…そうだな。悪かったな、付き合わせちゃって」

「俺でよかったらいつでも言ってください」

「ありがとう」

気持ちを吹っ切るカルヴァンはゴスにお礼を言う。ちょうどアランも料理が出来上がりみんなに呼びかけようとする。

「ご飯できたよ〜」

それを聞いたカルヴァンは一気にご機嫌になる。

「やった! アランのご飯だ」

真っ先に座るカルヴァンにゴスも続けて座る。パージはお茶をすすって気持ちを落ち着かせようとしていたため既に座っていた。

「はいどうぞ」

「おぉ〜!」

アランが運ぶ料理に三人は目を輝かせる。

「私の特製サンドウィッチに気持ちを落ち着かせるハーブスープ、リゾットよ」

「いただきまーす!」

二人はがっつぐように食べると、

「美味い! キャンプ料理もいいけど、こっちのほうが美味い」

「このリゾットなんて食べても食べても食欲が止まらないぜ」

「ありがとう」

ゴスとパージは感激しながら食べるなか、カルヴァンだけは無言で食べていた。

「どうカルヴァン?」

「美味しいけど…」

「どうしたの?」

「心から美味しいと言える気分じゃなくて」

「まだ気にしてるのね」

「うん…」

「そう思ってハーブスープを作ったのよ。これを飲んで少し落ち着いたら?」

アランは勧めるとカルヴァンはスープを口に運ぶ。

「どう?」

「すぅ〜…はぁ〜…。なんだろう、一口飲んだだけで突っかかってた気持ちがなくなってくる感じだ」

「効いたみたいね」

「うん…とても美味しいよ。ありがとうアラン」

やっと笑顔を見せたカルヴァンを見て少し赤くなるアラン。

「い、いつまでもいじけてると護衛に支障がでると思ったからよ」

「そうだね。でもありがとうアラン」

「いいからさっさと食べて!」

「うん!」

カルヴァンはアランの作った料理を食べて、その横顔をアランはじっと見つめる。

―いきなりあんな笑顔見せるのは反則でしょ。

「食べないのかアラン?」

アランの様子をみてカルヴァンは気にかける。

「た、食べるわよ!」

アランは慌ててご飯を食べると

「ん!?」

喉に詰まらせたアランをみて三人は慌ててコップに水を汲んでアランに飲ませる。そんなひと時を四人は楽しんでいた。

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