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出会いは勘違い!?

~錬金術師の護衛は王子様!?~


とある大きな城と街の外れにおおきな一軒家が建っていた。おおきな樹と一体化したような家の煙突から煙があがる。

その家に郵便配達員が近づくと。

ドーン!

家からおおきな爆発音がした。

知らない人からしたら驚くところだが、配達員は慣れた様子でその家を見ていた。

 すると2階の窓が勢いよく開けられると煤まみれの1人の女性が煙とともに現れる。

「けほっけほっ!?」

「またやったのか、アラン」

「え!? なんでいるの?」

「なんでって手紙を届けに来ただけだよ」

そう言いながら慣れた感じで門を潜っていく。

アランと呼ばれた女性も慌てて1階に降りて玄関の扉を開ける。

扉を開けると煤だらけのアランが出迎える。

「また錬金に失敗したのか?」

「違うわよ! 薬を作ろうとしたら、間違って爆弾ができちゃったのよ! 知らずに取ろうとしたらうっかりスイッチつけちゃって…」

「どこをどう間違ったら爆弾が…いつものことか」

「いつも失敗してるみたいな言い方じゃない!?」

「なんで俺がここに来る度に爆発音と煤まみれのアランに手紙を渡さなきゃいけないのかが不思議で困るんだよ…ほらっ」

配達員はアランに手紙を渡す。

「そんなの私だって知らないわよ!? よりにもよってなんでまたあんたが配達する日に限ってこうなるのよ。別の配達員にかえてよ!?」

「俺だってかえるように言ってるけど、人手が足らなくて仕方なく配達してるだけだよ」

「だったらな・る・べ・く・配達しないようにしてくれる?」

「俺だってそうしたいよ!?」

「だったら配達なんて辞めればいいじゃない?」

「辞めても失敗やうっかりは治らないだろ?」

「治るわよ!」

口論する2人を止める人は誰もいなかった。

「じゃあ俺まだ配達あるからもう行くわ」

「えぇ早く行ってちょうだい。私も掃除や片付けしないといけないんだから」

「掃除中にうっかり薬品こぼして火事にするなよ」

「そんなことするかー! さっさと行けー!」

怒り狂ったアランは手当たり次第に物を投げて追い返す。

配達員は悪態をつきながら次の配達に行きました。

「まったく…いやな人とあったな。はぁ…」

アランは散らかった部屋をみてため息をつく。

「仕方ないよね。片付けよう」

手紙を置き、片付けに専念する。


 アランの家から一番近い城でもひと騒動が繰り広げられていた。

「王子〜? 王子〜?」

「いたか?」

「いいえ」

「このあとお勉強の時間なのに…」

「王子の勉強嫌いにも困りますなぁ」

「この前は鎧の中に隠れてそのまま街へ行こうとしましたし、今度はどこにいったんだ?」

「王子様ももうすぐで国を背負う年頃なのに…」

「愚痴を言っても仕方ない。早く見つけないとまた大臣に叱られちゃいますよ」

「それだけは嫌だな…」

「王子〜? 王子〜?」

王子を探す2人の世話役がまた別々で探し始めた。

すると鎧が陳列する隙間から1人の若い男が顔をだして確認する。

「行ったみたいだな。」

颯爽と出てきて、城の中を走りだす。

すると

「王子〜?」

「げっ!またか…」

男は近くの扉に入り、窓を開けてベランダに身を隠す。

「今こちらに人影が見えたんですが」

「私も見たわ!」

2人は徹底的に調べ始めた。

物陰の隙間や1つ1つの部屋を確認する。

そして遂に男が入った部屋に人が入り始める。

「ここ、なんか怪しいわね」

「そう? どこも変わった様子は…」

「みて!? あの窓、鍵が外れてる!」

「誰かが閉め忘れたのでは?」

「そんなことはないはずよ!?」

1人の世話役が窓を開けて周囲を調べる。

「隠れられそうなとこないわね」

「そうですよ。ここから飛び降りることなんてできないですし…」

もう1人の世話役がベランダから顔をだして下を見下ろす。

「ここは2階だよ? さすがに飛び降りれないわよ」

「そうよね。じゃあ鍵かけて別のところ探しましょ」

そう言って2人は部屋に戻り、窓の鍵をかける。

「…行ってくれたけど」

彼は今必死に踏ん張っていた。

男はベランダの縁のわずかな手すりに手をかけていたが、腕ももう限界にきていた。

「もう…だめ…」

彼は必死に耐えたが、その身体は宙に舞い落ちていきました。

ズドン!

男は足から地面に落ちると、感じたことのない痛みが足から股へと駆け巡っていった。

「いてぇ〜…」

男はしばらく悶絶するがすぐに痛みが引いていった。

「外にでたけど、どうやっていこうかな?」

 男は周囲を見渡し、人がいないか確かめる。

男は走りながら見張りがいないか確認しながら城門に向かっていく。

そして目標地点の城門までたどり着いたが、門の前には兵士が佇んでいた。

「問題はあれなんだよな〜。どうしようかな?」

男はニヤニヤしながら周囲を見渡す。

すると1人の市民が兵士に話しかけ始める。

「次の休みはいつだ?」

「次の休みまで3日もあるよ」

「3日もあるのか〜。久々に飲もうかと思ったけどな」

「悪いね〜毎度毎度」

「そっちの兵士さんは?」

「自分はお酒は1滴も…」

「そんなつれないこと言わないでよ〜」

「いや、ですから」

―雑談に夢中になってる間に城門をくぐり抜けよう。

男はそう考えて動きだす。

「平然を装って、市民のフリをして行こう」

自分に言い聞かせながら歩き出す。

「お疲れ様で〜す」

男は話しをしてる兵士を通り過ぎようとしたその時。

「待て!?」

「はい!」

1人の兵士が止めて男に近づく。

そして背中をパンパンと叩き、

「お勤めごくろうさん。ゆっくり休めよ」

「はい!?」

 男は心臓をバクバクしながら難無く城門を突破した。

ある程度城から離れ、街に入ると、

「くぅ〜! やっと街に行けた〜!?」

男は身体で喜びの感情を表現する。

周りの目も気にせず男は伸びをしたり、屈伸したりする。

「やっと街に行けたんだ。堪能するぞ〜!」

男は街に行き市民の中に紛れていった。


 ようやく掃除や片付けが終わらせたアランは配達員にもらった手紙を読み始める。

『アラン・B・エリシオール様へ いつも薬を作っていただきありがとうございます。またアラン様のお力添えを拝借したくお手紙を書かせていただきました。最近畑で育てている作物の成長が芳しくない状態にあります。アラン様のお力で良くなりませんでしょうか? 良い知らせをお待ちしております。 マグダイ村村長より』

アランは読み終えると出かける支度をする。

「マグダイ村かぁ〜あそこまで長いから傭兵でも連れて行こうかな。ついでに私でもなにか請けれそうな仕事がないか酒場やとか聞いてまわろうっと。」

そう言ってアランは街へ向かって歩き始める。

 

 街に入ると行く先々でアランに声をかける人たちでいっぱいだった。

「ようアラン。いつも綺麗だね」

「ありがとう」

「アラン、今日はどこ行くんだ?」

「傭兵斡旋所にいくの〜」

「気をつけてな」

「アラン、今度また買い物付き合って〜」

「いいよ〜」

アランは1人1人に返事をして街の中央にいく。

 そして商店街に入り、傭兵斡旋所という店に入っていく。

入った瞬間咽せる程の煙草の匂いが鼻を劈く。

そして受付の人に尋ねる。

「すいません。隣りのマグダイ村まで行きたいのですが、請け負ってくれそうな人はいませんか?」

「マグダイ村までか〜。あまり期待しないでね」

「いいのいいの。私がただ単に弱いだけだから」

そう言って受付の人は書類に目を通す。

「この人ならなんでも請け負ってくれるみたいだよ」

受付の人は書類をアランにみせる。

「う〜ん…歳結構とってるな〜。私と同じくらいか少し上でも下でもいいけどいない?」

「そんな都合のいい人…」

また書類を漁りながら探すと。

「いたわ! 歳は19で最近傭兵に登録したばっかみたいでまだ写真を撮ってないから載せてないけど、どう?」

「いいわね。2つ下だけどその子にするわ」

「この子ならいつも商店街からちょっと離れた家に住んでるわ。目印は長髪に、剣を腰に差してて、あとは瞳が透き通るような青い目をしてるわ」

「ありがとう。そこまでわかったからその子に会いに行くね」

「え? あ、ちょっと!」

アランは受付の人の静止の声を聞かずにでていった。

「名前…言ってないのに」

受付の人はボソッと呟く。

「まっいっか!」

気にせず仕事を再開する。

 

 アランは傭兵所で聞いた場所を頼りに商店街を抜けて道行く人たちに尋ねまわる。

「すみません。この辺りに長髪で腰に剣を差してて、青い目をした人知りませんか?」

「その子ならこの道をまっすぐいって角を曲がったところにいるよ」

「ありがとうございます」

アランはまっすぐ歩き角を曲がった瞬間。

人とぶつけて尻餅をついてしまった。

「イターイ!?」

「ご…ごめんなさい。大丈夫?」

「どこに目つけてるのよ!?」

怒るアランは相手の顔を見ると長髪に整った顔した青い目をした青年がいた。

青年は心配そうにアランを覗き込んでいた。

「ちょっと!? ぼーっと見てないで手を差し出すくらいするもんでしょ!?」

「え? あ! あぁすいません」

言われて青年は手を差し出すが、アランは怒りながら起き上がる。

「もう遅いわよ」

「ご…ごめん」

アランは青年の姿を観察する。

長髪に青い目、それに腰に剣を差してる。

「もしかして…最近登録した子?」

「登録?」

「そ。傭兵所で登録したって聞いてたけど、見た通りのイメージだわ。君名前は?」

「えっと…」

青年は今の状況がわからないまま名前を尋ねられる。

「僕はか…」

言いかけた瞬間、口を閉じた。

今ここで名前を言ったら素性がバレてしまうと思ったからだ。

「か? か…なんていうの?」

迫るアランに必死になって名前を考えると浮かんだ名前が。

「か…カインといいます」

「カイン? カインなんていうの?」

「カイン…カイン…カイン・ダージ…です」

「カイン・ダージ? 変な名前ね」

なんとか誤魔化せたが、実はこの名前城の大臣の名前だった。

「変な名前か。僕もそう思うよ」

カインと名乗る青年は鼻で笑う。

「自分の名前が変なんていう人初めてだな。まぁいいや、私はアラン。アラン・B・エリシオール、今日から私の護衛をしてもらうわ」

「は…はぁ」

「気の抜けた声だね。傭兵ならもっと気合入れて!」

「は、はい!」

「よし。それじゃ隣り村のマグダイまで行くわよ」

「はい!」

「あ! その前に酒場行くわよ」

「酒場?」

「酒場も行ったことないの? もしかして飲めないの?」

「いえ、飲みたくても飲ませてくれなくて」

「もしかして酒癖悪いの?」

「いや、飲んだことないから酒癖が良いのか悪いのかわからないけど」

「まぁいいわ。酒場に行って私でもできるような仕事がないか探してからマグダイ村に行くわよ」

「はい!」

「そう毎回気合入れた返事しなくてもいいわよ」

「はい! あ、ごめんなさい」

「謝らなくていいわよ。普通でいいわよ普通で」

「普通ですか」

「そうよカイン」

「なっ!」

「何よ? 名前呼んだだけじゃない?」

「様はつけないの!?」

「何様なのよ!? カインは今私を守るための傭兵なの。つまり主人なの。だから呼び捨てで呼んだまでよ」

「じゃあ僕はなんていえば…」

「だから普通に話してもいいわよ」

「でしたらアラン様」

「ぷっ! あははは。なにアラン様って」

「だって僕の主人はアラン様だからそう読んだけど」

「様は付けなくてもいいわよ。呼び捨てでいいわよ」

「でもそれじゃ主人に対して失礼では?」

「私がいいって言ってるからいいのよ」

「じゃあアラン…」

「そうそう、よくできました」

「う〜ん…」

「様付のほうがいいの?」

「いえ、ご主人様のことは絶対ですから」

「そう? じゃあ好きなように呼びなさい」

「ではアラン」

「様付けないのかよ!?」

「えぇ!? だって呼び捨てでもいいって」

「いったけど、場の雰囲気を読んでよ!?」

「場の雰囲気? どうやって?」

「めんどくさいわね〜行くわよカイン」

カインを弄ぶかのようにしていたアランだが、途中でめんどくさくなって自分が今やることを思い出すかのように歩き始める。

「え? 待ってくださいよアラン…様」

「今更様付けは遅いわよ」

「じゃあなんて呼べば〜」

「好きなように呼んでもいいって言ってるじゃない!?」

「じゃあアラン」

「結局呼び捨てなのね」

「え? だめ…」

「呼び捨てでもいいから行くわよ」

「はい!」

2人は話しながら酒場へいく。

 

 そして酒場に着き、アランは酒場に入る。

「いらっしゃい…ってアランか!?」

「こんにちはマスター」

「お酒飲むには早いぞ。それに今日は彼氏付きかい?」

「彼氏じゃないわよ。護衛よ護衛。」

「そうなのか?」

お店のマスターとアランは話しながらカインを見る。

「君名前は?」

「僕? 僕はカイン・ダージといいます。」

「ふ〜ん。彼氏じゃないならアランにちょっかい出すなよ」

「しませんよ」

さっきのやりとりを根に持つように否定する。

「それでマスター。私にできるような仕事とかない?」

「アランにできるような仕事ねぇ〜。今は目星い仕事は来てないね」

「そうですか。ありがとうマスター」

「いや、ここまで足を運んでくれたのに何もしてやらないのはいかんから、せめてこれ持って行ってくれ」

マスターは棚からワインが入った瓶をアランに渡す。

「え〜いいの? マスター」

「いいよいいよ。できそうな仕事が入ったら報せるから」

「ありがとう! ワイン美味しく頂くね」

「おぅ! アランをちゃんと護衛しろよカイン」

「はい!」

「気合の入ったいい返事だな。行ってこい!」

アランとカインは酒場をでていった。


「さて、仕事がなかったから街をでましょう」

「はい」

2人は街へでて、マグダイ村へ向かう。

するとアランは唐突にカインに尋ねる。

「ところでカイン、腕に自信はある?」

「腕?」

「戦いよ。傭兵として登録してあるなら腕にも自信はあるでしょ?」

「え、えぇまぁ。家の者に稽古して貰ってますので大丈夫ですよ」

「そ! じゃあ期待するわよ?」

「はい」

こうしてアランは勘違いで護衛をつけてマグダイ村まで行くことになりました。

お城は大変な事態になってることも知らずに。

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