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 道坂の結婚披露宴は結婚式の数日後、吉日を選んでとり行われた。小鳩おばと婦人がみぃ~ちゃんを連れて現れたのは当然である。

「ほほほ…」

 小鳩婦人が挨拶したのは、ただそれだけだった。婦人としても、披露宴への列席は義理的なものである。挨拶が、ほほほ…だけというのは、知り合いが里山以外、皆無だったからだ。ただ、パーティ的なこの手のつどいには場馴れしている小鳩婦人だったから、少しもおくするところはなかった。返って自分の高価なダイヤモンドとかの装飾品を周囲の者にひけらかしたりする余裕ある態度だった。それはともかくとして、小次郎とみぃ~ちゃんは逢える機会に恵まれた。二匹にとって、人間のしがらみは、まったく関係がない。要は、出逢えればいい・・という訳だ。そんなことで、ともかく出逢える機会を得たのだからよかったのだが、どうも居心地が悪い。二匹は列席者の挨拶やら余興やらが盛り上がってきたところで、ヒョイ! とお互いの飼い主から離れた。二匹の席も人間並みに用意されていたのだが、ただ椅子に座っているだけでは、話も何もできたものではなったから、フロアへ飛び降りたのだ。上手うまい具合に、テーブルクロスで隠されたフロア下は、二匹にとって都合のいい語らい場所だった。里山達の脚が何本も立つ円テーブルの下は周囲と隔離された別世界だった。

『これでも着飾ってきたのよ…』

 みぃ~ちゃんは見てくれと言わんばっかりに猫語でそう言うと、小次郎の前で首を軽く振った。そういや、以前見たのとは少し違う可愛い首輪で、その先の鈴がチリン! と鳴った。

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