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 狛犬こまいぬは毎朝、その車で里山の家へ迎えに来ていた。今朝も、狛犬が運転する車中で、里山は駒井からの入った話を受けていた。

[任せて下さい。私がなんとかしましょう…]

「そんなことが出来るんですか?」

[ははは…。なに、これで結構、人脈はありましてね]

「そうなんですか? よろしく、お願いいたします」

 携帯は、それで切れた。

「なにかと大変ですなぁ~」

 ハンドルを操作しながら、狛犬が気楽そうに笑った。里山は少し腹が立ったが、怒らず流した。

『そうなんですよ、これでどうして、なかなかです…』

 キャリーボックスに入った小次郎が、里山に代わって狛犬へ返した。

「私も長く人生やっとりますが、猫さんと話せるとは思ってもみなかったですよ、ははは…」

『僕も珍しい名を知りましたよ』

「そういや、珍しい姓だとよく言われますな」

 運転手募集の面接で里山が狛犬を選んだのは、その辺りの珍しさも加味されていた。狛犬の運転 さぱきは絶妙で、車の動き出す気配も感じられず、止まるときもまるでエレぺーターが止まった感じだった。

「着きましたよ…」

 車が止まったのは、某編集社ビルの駐車場だった。

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