とある青年の非日常
【注意】徒然なるままに書いたものなので、よくわからないものです。
わからない。なにが起こったのかさっぱりわからない。
目の前に広がるのは一面の赤。そうだ。俺は何も見ていない。
何も知らない。知っているはずがないんだ。
俺は目を閉じる。
何も聞こえない。何を見えない。何の匂いもしない。しない。しないんだ。
もう一度目を開けてみる。やはり何も・・・
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
絶叫。今までに出したことのないようなほどの大声が出る。なんだこれは。わけが分からない。
「逃げなきゃ」
とにかくここから去りたかった。もう何も見たくない。こんなもの見たくなんかないんだ。
俺は赤いモノを超えながら進む。何も見えない。見えないんだ。
もう少しでこの部屋から出られる。もうこんなものを見なくていいんだ。
よかった。こんなのいやだ。なんで。なんで俺がこんなことに巻き込まれなければいけないんだ。
これが最後の扉。これを超えれば出ることができる。俺は自由だ。もうこんなものを見なくてもいい。誰もいない、この真っ赤な世界から出ることができるんだ。
なんてことはない。簡単なことだったんだ。走ればすむはなし。俺は一気に最後の扉まで走り抜ける。駆ける。疾走する。今までにここまで全速力で走ったことがあっただろうか。
目の前にある扉に手をかける。意外と動かない。使わないから錆びてしまったのだろうか。ちゃんと使っておけよ。使わないにしても手入れはしろと悪態までつく。
「なんであかないんだよ!」
焦る。もう少しで出ることができるのに。それさえも許してくれないのか。
うなだれる。もしかして俺はここから一生出ることができないのだろうか。そう思ってしまった矢先。
ぱちゃん。ぽちゃん。ひたひたひた
何かが近づいてくる。こんなところにいるとしたらあの赤を作り出した奴くらいしかいない。俺は焦る。出られない。いやだ。赤にはなりたくない。
ひたひたひた
何者かがだんだんと近づいてくる。扉を押す。押す。おす。
動かない。動かないなぜ動かない!鍵はかかってない。なんでだ!ふと右側を居てみる。
「この扉は内側から引くべし」
古ぼけた紙に書いてある。
なんだこれは。頭が真っ白になる。今まで俺がしてきたのは何だったのか。それだけでよかったのか。俺は扉を引いてみる。
拍子抜けするほど簡単に扉が開いた。これで外に出られる。もうこんなところにいなくてもいいんだ。
俺は駆ける。光が差すほうへ疾走する。もう赤いモノを見なくていい。
青い空と緑をみて生きていけばいい。そう思っていた。
「うれしそうだな」
後ろから声が聞こえる。俺が外に感激している間に追いついてきたようだ。
「うれしいかね」
男は扉の奥から顔を出さない。ただ声だけが聞こえる。わからない。何か不気味な感じがする。逃げろと脳が命令を発信している。
しかし動けない。まるで金縛りにでもあったかのように。金縛り?
「あの地獄から抜け出せた君の感想を聞いてみたいものだね。それまでは帰さないよ」
それではこれはこいつのせいだというのか?わからない。なぜこんなことをしているのか。
「答えないか。なら質問を変えよう。今さっき君がみたものがすべてうそだとしたら?」
え?なにもこたえられない。何を言っているのかさっぱりわからない。
男が姿を現す。しかしこいつがどういう格好をしているのかなんて気する余裕なんてない。
男が指をぱちんと鳴らす。世界が揺れる。俺が揺れる。こいつはなにをしたのか。
気が付いたときには。青はなく、赤の景色だった。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
絶叫。地獄から抜け出してみたものさえ幻想だったとは。
「ふ・・いつみてもこの表情はそそられる。絶望を脱したという安堵。それが崩れてしまったときの絶望した時の顔は・・・いつ見てもいいものだ」
もうなにがなんだかわからない。とりあえず希望が見えないということしかわからない。
「きみはみているだけで面白い。少しのことで様々な反応をしてくれるからね。さあ、わたしをもっと楽しませてくれ」
男が近づいてくる。男の狂ったような笑顔しか目に入らない。なぜこうなったのだろう。くるくるとまわりだす。
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