転生パターンでの乳児の意識と能力
【主題】
異世界へ転生する作品の場合、主人公が新生児として産まれて直ぐに意識を覚醒し、両親や部屋の様子を観察する表現が多々あります。
異世界ヒャッハーを始めるに当たっての最初のシーンではありますが、実際にはこんな事は先ず有り得ず非現実的な表現となります。
【考察】
何故ならば、乳児-特に産まれて直ぐの新生児の視覚能力は未だ完全には発達仕切ってはおらず、目を見開いていても実際には鮮明な画像を認識する事は肉体的生理学的にも困難であると言われているからです。
(※最初はボヤッと見える位で、顔などの判別は数ヶ月後からようやくだそうです)
転生パターンでは、元世界から転生した主人公が明確な意識を保持しているため、赤ん坊であっても頭の中ではしっかりと色々と思考している様に書かれますが、これ自体はそもそもファンタジーとしての話なのでおくとしても、前述の様に産まれて直ぐに見たり聞いたりして異世界であると判断するかの表現は、余りに現実を無視したものであり書き手の知識不足を曝け出すものでしょう。
【処方】
ちなみにしっかりとした作品では、意識の覚醒は産まれてから数ヶ月から数年後であったり、最初から覚醒していても「数ヶ月経った」と敢えてさらりと流す書き方をされておられます。