表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

太陽

赤くて真ん丸い太陽を見ていた。

泣いてなんかないさ。僕は強いのさ。

がり勉メガネをはずして、真っ赤の真ん丸い夕日をぼやかして見ていた。

にじませた太陽を見ていた。

メガネをはずすと、いつもと違う時計による時間の世界にいく。

同じく生きているのに違う世界。

メガネをかけていると、人差し指が、一本、二本とあらわれて、20本くらい横に並ぶ。

メガネをはずすと、大きな丸の中に、少し小さな丸が出来て、その中にまた少し小さな丸が出来る。その丸が一番大きな丸はそのままで、スマホのタッチパネルのように、丸が小さくなったり大きくなったりする。初めは白と黒とのモノトーン。だんだん真っ赤で真ん丸い太陽がにじんできて、オレンジ色のゆらゆらが見えてくる。

オレンジ色のゆらゆらは、僕にダメージを与える。


 落書きされたメガネ、



ドン!



 机の中に入ったコッペパン、



ドン!



 チョークで落書きされたズボン、



ドン!



 こぼれた粉薬、



ドン!



 ピーヒャラとお囃子が聞こえる。

チキ、チ、ドン、ドンと鐘を叩く音が聞こえる。

僕は弱くない。泣いたりなんかするもんか。

僕はタッチパネルの拡大と縮小を繰り返す。

異世界の時間が進んでゆく。

境界のない赤とオレンジ色と黄色。黒いシミはカラスか。それとも目蓋に止まったハエか。


チキ、チ、ドン、ドン


ドン!

ドン! 

ドン!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ