「以言、原文帳に殴り書きした詩により顕官に昇らざること」速記談6035
一条天皇の御代、大江以言が昇進を望んだとき、天皇はこれをお許しになる意向を内々に示された。しかし左大臣藤原道長公が、以言は伊周と心を同じくし、天皇を批判する詩をつくったことがある。しかも、原文帳に殴り書きという無礼な形で、だ。そのような者が、朝廷の重職に就いてよいものか、とおっしゃったので、勅許は降りなかったという。
教訓:権力の座に昇る者は、誰が何をしたという記憶を忘れない。速記者になっていれば、一流となっていたことであろう。