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野良猫の恋ー③


 うつい亭からの帰り道――。

 まお達はまたいつものファーストフード店でたむろしていた。


「「「うーむ……」」」


 店を出てから、友人達は何やら考え込んだままだ。料理には満足したはずなのに、あまり喜んでいる素振りもない。お腹がいっぱいなのか注文したポテトやらスイーツもまおの前に積み上げられていた。

 そんな三人を不思議に思いながらもポテトをむしゃむしゃやっていると。


「まお、うついともっと仲良くなりたくないか?」

「……むぐっ?」

「じゃあ、これ以上仲良くなりたくない?」

「なりたいけど……」


 自分でも顔が赤くなるのを感じながら、まおはもごもご答える。

 そらともっと仲良くなりたいかと聞かれれば、その通りだ。


「……でも、仲良くなってどんなふうになるのかわかんないし」

「そうだなぁ……まずは外でご飯食べたり、手つないだりとか、そのへんから頑張ってみるか」

「っ?」


 その言葉にまおは思わず手を握り締める。外でご飯を食べるのはいいけど、この前握手しただけでもドキドキだったのにいきなり手をつなぐなんて。


「どうだ? うついと手つなぎたくないか?」

「つなぎたいけど……っていうか、何でそんな急ぐの? 私、このままでもいいよ……」


 あまり急ぎたくはない。そらを困らせたくもないし。

 そんなまおに友人達は真剣な表情でずいっと詰め寄ってくる。


「いいか? まお……さっき店行ってわかったけどな、あいつはかなりの優良物件だ。誰かにバレたらまずいことになるぞ」

「……優良? バレる? ???」

「そう、うついがいい男だってまお以外の女にバレちゃうんだよ」

「いいのか? 毎日誰か他の女が店に来てまおの席でメシ食ってたりしても」


 今までならそんなことは気にもしなかっただろう。

 そらのご飯がおいしいのは本当だし、他の誰かが夢中になってもおかしくない。そらのご飯がほめられれば私だって嬉しい。席だって空いているところに座ればいい。

 でも、今はそらの中に自分の占めている部分があるならば、それを誰かに明け渡すなんて。


「…………ちょっとやだ」

「だろ? だったら他のやつに邪魔されないように先に仲良くなっておかなきゃなっ」

「うん、それはまぁ、わかった」

「それじゃ、あとはアタシらに任せておいてっ、悪いようにはしないから♪」

「…………」


 先ほどまでどこか真剣だった友人達はまたいつもの調子に戻り、何やら相談し始める。

 一体何をするつもりなのだろう――そんな友人達の会話をぼんやり聞きながら、まおはまたポテトをむしゃむしゃやり始めた。

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