野良猫の恋ー①
☆
「ずるずるずるっ…………っぷは」
ストローから音が出るまでジュースを飲み切ったまおは、カップを店のテーブルにとんっ、と置く。
いつものファーストフード店で友人達に囲まれ、口も挟ませずに今日の出来事をすべて話し切ってからようやく喉を潤したところだ。正直、まお自身何を話したか覚えていない。
「「「………………」」」
まおがいつにない勢いでまくしたてるのを友人達は黙って聞いていた。しばらくポテトやらお菓子やらを口に放り込んでいたが、やがて穏やかな笑みを浮かべる。
「……よかったな、まお」
「これからもっと楽しくなるぞ」
「大変なこともあるだろうけどさ、うまくやれよ」
「ん」
きっと祝福されているのだろう――それも変な感じだけど多分そんな気がする。はにかんだまおはもう中身の残っていないジュースのストローをずるずる啜るが。
「で? これからどうしたいんだ?」
友人の言葉に、ストローを咥えて啜っていた音がずるっ、と止まる。
「…………わかんない」
だから困っているのだ。とにかく何かしたいのに、どうしていいかわからず、その気持ちの行き先がどこかに向かいたくてぐるぐる回りいらいらしてしまう。
「だよなぁ……いきなりは難しいか」
「ま、なるようになるから心配すんなって」
「いざとなったらアタシらが何とかしてやっからさ♪」
「……ん」
こういうときには心強い友人達だ。ほんのわずかに落ち着いたまおはいつものようにポテトをむしゃむしゃやり始めた。
「にしても、うついもやりよるなー……結局メシ食わせてただけじゃんかよ」
「っていうか、あいつが作るメシ気にならね?」
「なるっ! めっちゃなるっ! 一回行ってみてもいいよなっ? まおっ」
「え、でも……」
友人達の会話が妙な方向に進むのを感じ、まおは慌てるが、結局押し切られてお店に行くことになってしまった。




