表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機皇世界  作者: 小土 カエリ
長浜
33/33

面倒事

よろしくお願いします。

 長浜の町の中に入ると、今までの町に比べて明らかに活気がなかった。住民の目からは生気が感じられず、ぼーっとしてる人も多かった。


 そして今までの町と明確に違ったのが老人の数が圧倒的に多かった。少し多いとかそんなレベルじゃない。住民の数に対して労働人口が明らかに足りていなかった。


「少し聞いてもいいか?」


 俺は案内をしてくれていた若い男に質問をする。


「は、はい、なんですか?」


「やけに老人が多い気がするがこれが普通なのか?」


 俺がそう聞くと、男は沈んだ顔をして、答えてくれた。


「普通だと、思いますか?」


 俺の後ろを歩く人も嫌な顔をしていた。


「やっぱりこれは異常事態なんだな。何があった?」


「それは建物の中で…」


 俺はそう言われて、仕方なく俺は進んだ。だが、ここまで活気がない町は初めてだ。


 なんだか嫌な予感がしたが、俺は亜釣の救出を最優先にすることにした。


─────────────────────────


 死にかけのような町を歩いていくと、ある建物に案内された。そこには『長浜議会棟』と書いてあった。


「こちらです。」


 俺は建物の中に通されたが、そこでも電気は余りついていなく暗かった。エレベーターも動いておらず、階段で三階まで上ることになった。


(食料だけじゃなくてエネルギー資源ももう限界ってことか…)


 ある程度酷い状況なのは予想していたが、ここまでとは思わなかった。暗い廊下には窓から入る日光以外の光源はなく、嫌な雰囲気がバリバリに感じられた。


「ここです。失礼します。防衛部隊所属の戦闘員の方が来られました。」


 案内してくれた若い男の人がそう言うと、部屋の中に通される。そこには円形のテーブルを囲むように5人の老人が腰掛けていた。


「その人がさっきの報告にあった方か。どうぞおかけになってください。」


「失礼します。」


 俺は一言断ってから用意された椅子に座る。これでマナー的に合ってるのかわからないがこれが俺にできる精一杯だ。


「では改めて。会議中に失礼します。夜花天童といいます。さっそくですがいくつか伺いたいことがあります。」


「議長の竹林です。お聞きしたいこととはなんですかな?」


 一番奥にいたひげの生えた白髪の老人が笑顔を浮かべながら聞いてくる。なんだか気味が悪かった。


 俺は一呼吸置いてから事前に車で考えてきた質問をする。


「レール団という武装集団のトップを誘拐した、という話を聞きました。私はたまたま近くを通りかかっただけなのですが彼らから助けを求められたのでこうしてここまで来たと言うことです。彼らは今の日本では貴重な戦力の1つに変わりありません。誘拐が事実なら、速やかに解放して欲しい。」


「なるほど。しかし、誤解があるようだ。私たちは誘拐なんてしていませんよ。少し話をするために町に来てもらっただけです。用が済んだらすぐに解放しますよ。」


 俺はそれを聞いて1つの情報を得ることができた。


「ほうこれは異な事をおっしゃる。ここは今あらゆる人の町へ入ることを規制しているとの報告を受けています。それが話をするために来てもらった?信用できませんね。それと今彼女がここにいるのは確定のようですね。早く彼女の元に案内していただきたい。」


 俺の言葉を聞いて、一瞬老人の動きが固まる。


 誘導尋問は成功。ここに亜釣がいるのは確定だ。あとはこの小さな町のどこにいるのか聞き出すことできれば全て終わる。


「わかりました。では私が案内します。」


 その老人はおもむろに立ち上がると、部屋の外に歩き出す。そして、扉の前で待っていた若者に何かを耳打ちしたのを俺は見逃さなかった。


「どうしました?早く行きましょう。」


 俺は何か引っかかる感じがしたが、とりあえず老人の後を追うことにした。


─────────────────────────

読んでいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ