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君に。  作者:
8/15

秋祭りのチャンスは・・











言葉が止まってしまった。


目の前の人は予想もできない人だから。



「後1人分からない」


そう聞いた時、志貴くんならいいな~


なんて思っていた。


でもそれはないと思っていた。



一瞬は本当にそうかも、と思った。


陸也は男子の中で一磨とよく話している


だから・・・


だがあまり期待しすぎて当日違っていた時は


へこんでしまうだろうと思い、あまり考えないようにした。



だから本当に陸也が来るとは思っていなかった・・・・・。





「え!?志貴が後1人やったん??」





初めに言葉を発したのは柚麻だった。


それにすぐさま一磨は答える。





「うん。こいつサッカーあるかもしんねえから分かんねしか


 言わないからギリギリまで来るか来ねえか分からなかったんだよ」



「へ~そうなんだー」





______そういえば外でサッカーしてるんだっけ・・。



陸也は帰宅部だが外でサッカークラブに入っていてかなりの


実力者らしいと聞いたことがある。



陸也は自分の話しをされてるにも関わらず話に加わろうともせず


ボーと周りを眺めていた。





「まあ行こっか!」





その一磨の言葉で一斉に皆は商店街の方へ歩き出す。



毎年の行事で屋台が多いせいかほとんど同じ学校の生徒もいて


どこで誰にあうか分からないので、皆の目線が不安なのか


男子が前、少し離れて女子と別行動の様に歩き始めた。





「ちょっ、いきなり別行動になってんじゃん!!青波、今すぐ志貴の隣へ!」



「えぇ!?ななな、なんで???」



「せっかくのチャンスじゃん!!色々話して仲良くなれるかもよ??」





いきなり前の男子に聞こえないように小声で柚麻が青波に話す。


それを聞きながら青波はふと前を見る。


3人で仲良く話しているところで、話しかけれる空気ではなかった。





「今は無理かな~・・・」



「・・うーん、そうだよねーなんかいいきっかけがあったらな~」





独り言のようにぶつぶつ言いながら周りを見渡す柚麻。


しばらく屋台を周って歩くと急に柚麻が男子に叫んだ。





「なあ!そこにゲーセンあるしプリクラ撮ろや~」





男子にプリクラはきついだろうと思いながら今まで柚麻を見ていた


目線を男子に向ける。


一磨が直樹と陸也にどうする?っと聞いているところだった。





「2人ともいいって!!」



「んじゃあ入ろー」





思っていたよりあっさりとokした男子達は柚麻を先頭に変わって


ゲーセンの中に入っていった。



青波ははっきり言ってプリクラは少し苦手だ。


というより写真を撮られるの自体が苦手だと思う。


別に友達と撮ったりするのは楽しいのだが写真写りが悪いと


自分で思い込んでしまい苦手になってしまた。



でも何にあれ陸也と一緒に写真を撮れるとは嬉しいことで


青波は少し顔がにやけそうだった。





「もー勝手に選ぶで」





青波があれこれ考えてるうちに柚麻はそう言って誰も入っていない


プリ機の中に入ってお金を入れる。





「あ、後からお金返してな」





ちゃっかりとお金のことも計算する柚麻。


青波達もプリ機の中へ入り荷物を置く。



_____志貴くんの前で変な顔とか白目になにませんように~



そんなことを心の中で祈りながらプリクラを撮っていった。


合計6枚撮れた。


祈ったおかげなのか変な顔の写真は1つもなかった。





「陸也、全部無表情じゃん(笑)」





らくがきも終わり分けたプリクラを見ながら一磨が陸也に言う。


陸也はうるせえと肩に腕を乗せてくる一磨をよけながら言う。



_____やった~志貴くんの写真ゲット!!



そんな風に単純に喜んでいる青波は既に陸也に話しかけることなど


忘れていた。


そんな青波を見てすぐに忘れているということを察知した柚麻は


ゲーセンを出て行こうとする先頭の一磨の横にさりげなく並ぶ。


それを見た杏もすぐに直樹にしゃべりかけりにいく。



いつのまにかトリプルデートのような空気になっていた。





_____・・・これはしゃべらなきゃいけない空気かな~



青波も空気を読んでそう思うのだが、中々横を歩いている


陸也に話しかけられない。



_____せっかく2人が気使ってくれてるんやから頑張らんとあかんねんけど・・・



それは分かっているのだが、返事はきてないが告白をしたことは事実なので


告白したという事実があり少し話しにくくなってしまっていた。



きっと、違う人なら普通に話せたのだろう。


考えすぎというのは分かっている。


だがどうしても意識してしまう。



それは告白したという事実だけではなく、陸也が好きな人だということも


加算されているのだろう。



せっかくのチャンスなのに_____。



そう思うのに、少し早歩きで歩く陸也を見ると


しゃべりかけてほしくないのかもとマイナスなことを考えてしまい


結局その日は、一回も話すことはできなかった。

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