離れた2年生。
4月、新学期。
青波は学校に来るとすぐに昇降口に貼っている
クラス表を見る。
志貴くんと同じクラスでありますように・・・そう思いながら
クラス表の中で自分の名前と陸也の名前を探す。
「・・離れちゃった・・・・・」
青波は2-4陸也は・・・2-2。
さっきまでの楽しみは陸也と離れたことで
なくなってしまいトボトボと東校舎の2階へと向かう。
2年になると3組と4組は2階、1組と2組は3階と
クラスが離れただけではなく階まで変わってしまうので
中々会う機会がない。
それを思うとどんどん青波は残念そうに教室へ入る。
「青波ー!!!」
「え?・・あっ!杏~」
教室に入ると急に青波に杏が抱きついてきた。
「おんなじクラス何?」
「うん!よかった~離れたら寂しいと思ってたから」
杏と話しながら自分の席まで言って鞄を置く。
杏の嬉しそうな顔を見るとついさっきまでの
悲しみが喜びに変わる。
ふと杏が残念そうな顔で言う。
「でも柚麻と別れちゃったちゃったね・・・」
杏とは同じクラスになれたが柚麻とは離れてしまった。
柚麻は3階の1組だった。
「・・あ~うん・・・でも休み時間とか会いに行こ!」
「そやんな!青波これから1年間よろしくなー」
そう言いながらまた杏は青波に抱きついてくる。
本当のことを言うとやっぱり少し寂しい。
だけど本当に杏がいてくれるだけで青波にとっては
嬉しいことだった。
「お!またおんなじクラスかよ」
明るい声が教室に響き渡る。
同じクラスらしい一磨と直樹が青波達に話し掛けてきた。
「またって何やねん~」
「うわ~またうるさくなる・・」
杏の言葉に直樹が答える。
その言葉の後、杏に叩かれながら逃げる直樹。
中島直樹。
長身の身長に一磨と陸也と同じ女子に人気がありそうな顔立ち。
黒髪でてっぺんの髪をワックスで盛っている。
発言がおもしろくて自然に周りを楽しましてくれて
誰にでも優しいので女子にもてている。
「早く席座れー」
話していると教室に新しい担任が入ってきて叫ぶ。
それを聞いて青波達も急いで自分の席に戻る。
出席番号順で青波の席は窓際の3番目だった。
_____志貴くんと隣やった時の場所や~
そう思いながら隣の席の子を見る。
話したことはないけど確か、直樹達と仲がいい岡部棗だ。
爽やかな少し短めの黒髪に整った顔立ち。
スタイルも良く性格もいい。
学年1のモテ男子と聞いたことがある。
だけど彼女がいるらしいく棗のことが好きだが告白はしない
という女子が多い。
_____あんまりしゃべりなさそうだな・・
そう思いながら下を向く。
早く席替えしたいかも、と考えながら今の席に
少し不安を持ちながら新学期が始まった。