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君に。  作者:
13/15

無表情から緩んだ表情と、距離











消しゴムをやっと借りれた日以降


陸也とは話せないまま、後何日かで


2年生になろうとしていた。



そんな時、学校内ではインフルエンザが


流行ってしまっていて何組かのクラスは学級閉鎖になっていた。



1年4組も何人かが休んでいて学校に来ている何人かも


授業中咳き込んでいる人が多かった。



青波もその中の1人だった。


自分ながら風邪を引いてるとはわかっていたのだが


風邪で学校を休んだことがなかったので大丈夫だろうと


思っていたのだがとうとう熱を出した。



なんとか熱が下がった後は学級閉鎖になってしまい


中々学校には行けず、一週間後久しぶりに学校へ登校すると


隣の陸也が休んでいた。



きっと風邪をうつしてしまったのだろう。


それから3日間陸也は休みっぱなしだった。


学校に来た時は久しぶりに陸也を見てほっとした。



それからまた青波が悩みだしたのは英語の時間だった。


陸也が休んでたぶん英語はかなり進んでいた。


英語は単語や文章の訳などその時その時の授業でノートを


とっておかないと分からなくなってしまうので陸也が休んでたぶん


進んでしまっていたので陸也は何も言わず少し困っていたのを


青波は感じ取っていた。



_____ノート見せたほうがいいかな・・。





そう思うのだが、今英語の先生が書いている黒板の文字を


陸也は懸命に書いていたのでそれを妨げていいのかと悩んでいた。



青波は早めに早めに今黒板に書いていることを移して


いつ陸也に渡そうか考えていた。


少しこの状況は消しゴムの時に似ている・・・。



そう思いながら何度も陸也の様子を窺う。





「じゃあ時間余っちゃったしワークでもしといて」





英語の先生はそう言ってクラスの中で一番英語が分かっていない


生徒のところへ教えに行く。


その言葉を聞くと生徒達はワークなどをしたり隣や後ろと話したりしていた。



今なら大丈夫かなと思って陸也を見るとノートをぼーと見ていた。


青波は前のように肩を軽くたたく。


陸也は静かにこちらを不思議そうに見る。





「ノート・・見る?」





やっとのことで言えたことばを聞くと陸也は何も言わず頷く。


それを確認して青波は陸也にノートを渡す。


それを受け取ると陸也は早速移し始めた。



_____よかった・・かも



そう思いながらほっとする。


こんなこともあるかもと思っていつもより綺麗に


ノートを書いてよかったと思ったりもしていた。





「ありがとう」





数分経つといつのまにか書き終えた陸也が青波に


ノートを差し出してきた。





「うん」





そう言って受け取ろうと陸也の方を見ると


陸也は表情を少し緩めていた。


もしかするとそれは笑顔というものに分類されるかもしれない。



それを見て少し驚いているといつの間にかいつものような


無表情に戻っていた。



だが今のたっだ表情の変化だけで青波にとっては少し


陸也との距離が縮んだような気がした。



結局この日と消しゴムの日以外は青波と陸也は


言葉を交わすことはなかったが確実に距離は縮まっていた。



そして、2年生となった・・・・・。
















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